IELTSとTOEFLの違いを解説:あなたに最適な英語試験は?
「IELTS」と「TOEFL」という英語の資格試験について聞いたことがありますか?
「英語の資格が欲しいけど、一体何を受験したらいいんだろう…」
そう悩んだことがある方は多いかもしれません。
今回は、国際的な英語力評価試験であるIELTSとTOEFLについて違いを解説します。
どちらも留学や就職、移住などの目的で国際的に広く使用されています。
それぞれ異なる評価基準とフォーマットを持っているので、受験前に知っておくと役立ちます!
それぞれの試験の違いと選択のコツについて知り、自分に合った試験を選びましょう。
IELTSとTOEFL試験の概要
IELTSってどんな試験?
The International English Language Testing System (IELTS) 「国際英語能力試験」は、受験者の英語力を総合的に評価する試験です。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つの側面にわたる個人の英語力を評価します。
この試験は1989年に設立され、British Council(英国文化協会)、IDP Education、Cambridge Assessment English(ケンブリッジアセスメントイングリッシュ)の共同運営によって行われています。
TOEFLってどんな試験?
The Test of English as a Foreign Language (TOEFL) 「外国語としての英語能力テスト」は、標準化された英語の能力試験です。英語が指導言語として使用されている、世界中の多くの大学で活用されています。学生の英語能力を効果的に評価するために設計されており、英語の運用能力をテストします。
この試験は、米国に拠点を置く非営利団体であるEducation Testing Service(ETS)「教育試験サービス」によって実施されています。
IELTSとTOEFLの違い6つ
1. 試験形式とセクション
どちらの試験もリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションから構成されています。しかし、スピーキングの試験形式に大きな違いがあります。
IELTS: スピーキングは直接対話で行われます。また、リスニングとリーディングはアカデミックまたは一般のいずれかを選択できます。
TOEFL: スピーキングセクションでは、録音されたインタビューとコンピュータでのタイピングが組み合わされています。
TOEFLは日本では完全にコンピュータベースの試験です。そのため、受験者は試験官と直接対話することはありません。受験者は自分の音声を録音して送信します。
2. 試験スコア
IELTS: スコアをバンド(0〜9)で評価します。各セクションごとにバンドスコアが付与され、それらのスコアの平均が最終スコアとなります。
TOEFL: リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの各セクションごとにスコアが与えられ、それらのスコアを合計して総合スコアが算出されます。各セクションは0から30で評価され、合計120点満点で採点されます。
3. 試験内容
IELTS: アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2つのバリエーションがあります。アカデミックは大学進学を対象とし、ジェネラルトレーニングは移住や就職など幅広い状況でのコミュニケーション能力を測定します。
TOEFL: 特にアカデミックなコンテキストに焦点を当てており、大学進学を希望する学生向けに設計されています。大きなバリエーションはありません。
4. 試験の受験方式
IELTS: ペーパー版とコンピュータ版の両方の形式で受験できる場合がありますが、地域によって異なることがあります。
TOEFL: 主にインターネット上でコンピュータベースで行われます。
5. 試験の所要時間
IELTS: リスニング・テスト、リーディング・テスト、ライティング・テストは約2時間45分で、各試験の間に休憩はありません。
スピーキング・テストは、他のテストと同日もしくは前後数日以内に実施されます。スピーキングテスト所要時間は、11~14分です。
参考:試験当日の流れについて
TOEFL: 2023年の夏からTOEFLのインターネットベース試験はテスト時間が3時間から2時間に短縮されました。
参考:2023年夏TOEFL iBT®テストは3時間から2時間に!
6. スコアの開示
IELTS: コンピューター版では試験日の3-5日後、ペーパー版では試験日の13日後です。
TOEFL: テスト日から4〜8日後にオンラインで確認できます。事前に送付手続をしている場合は、テスト日の約11日後にETSより発送されます。
他にも頻度や受験可能な地域、料金など、細かな違いがあります。しかし、これについては変わることが多いので、受験者の状況に応じて公式サイトからその都度確認した方が確実です。
IELTSとTOEFL、どんな受験者におすすめ?
試験中に試験官と対話することを望まない場合には、TOEFL受験をおすすめします。TOEFLでは全てがコンピュータとのやりとりで完結するからです。
一方、IELTSでは試験官とのやりとりがあります。コミュニケーション能力に自信のある人は有利に進むかもしれません。
また、TOEFLは主に進学を目的とした試験であり、IELTSは職業目的、教育、英語圏への移住を目指す志願者に広く向けられた試験です。留学を目的としている場合には、試験を受ける前に、留学先と連絡を取り、英語の能力要件を確認することをおすすめします。
世界中で、TOEFLとIELTSのスコアは広く英語能力の証明として受け入れられています。
IELTS試験のスコアは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど、140以上の国で9,000以上の機関に受け入れられています。TOEFLのスコアは、150以上の国で11,000以上の大学に受け入れられています。
一般的にはTOEFLはアメリカでより活用され、一方で他の国々ではIELTSが好まれているとも言われています。
自分の受験目的に合わせてどちらを受験すべきか、確認して検討する必要があります。
IELTSとTOEFL、どっちが簡単?
二つの試験を比較するときに気になるのは、どちらの試験が簡単なのかですよね。しかし、この二つの試験の選択肢とそれらの難易度はかなり主観的です。
つまり、どちらが簡単かは人によるということになります。
たとえば、多肢選択問題に答えるのが得意なら、TOEFL試験を選んだ方が良いかもしれません。
他には、先ほども述べた通りスピーキングセクションの試験形式の違いがあります。直接コミュニケーションを取るか、パソコンに向かって話して自分の音声を録音するか、です。
また、TOEFLは完全にコンピュータベースの試験で、IELTSにはペーパーベースの受験も可能です。そのため、パソコンの操作が不安な人はIELTSの受験を選ぶこともできます。
どちらが簡単かは、実際には人それぞれの得意・不得意によるところが大きいです。
IELTSとTOEFL、選ぶポイントは?
それでは、実際にどちらの試験を選ぶかのポイントをお伝えします。
目的に合った試験を選ぶ
どちらの試験も受験料は安くありません。どうせ受験するのであれば、目的に合った試験を選びましょう。
先述の通り、TOEFLは主に進学・留学を目的とした試験です。IELTSは職業目的、教育、英語圏への移住など、広い目的をもった受験者向けです。ただし、進学や留学を目的としていたとしても地域によっては優先される試験がある可能性があります。必ず受験前に確認しましょう。
大学や学校が受け入れている試験スコアを確認
留学や進学のためにスコアを活用したい場合、注意が必要です。両試験のスコアは、基本的には世界中の大学や大学院プログラムの入学に受け入れられています。しかし、やはり入念な確認が必要です。
希望する大学やその他の学校が、英語能力試験に関して何らかの優先順位を持っているかどうか、常に確認してください。その際に、必要なスコアも確認しておくことで目標設定ができますね。
得意な問題タイプで選ぶ
上記二つを確認した結果、どちらの試験スコアでも良い場合は、自分の得意な方を選びましょう。IELTSとTOEFLの両方の試験は、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングという同じスキルのテストです。ただし、テスト方式はかなり異なります。
最終決定をする前に、両試験の試験パターンと質問の種類に慣れてください。オンラインでも模擬試験が受けられたり、対策問題を図書館で借りて解いてみたりすることができます。
自分の得意な形式の試験を選びましょう。
試験パターンへの適応度
TOEFLとIELTSの試験の形式で、もっとも異なるのがスピーキングセクションです。
IELTSスピーキングテストは対面で実施され、TOEFLの場合、与えられた質問にマイクを使って回答します。ここは得意・不得意が出やすいポイントです。(ちなみに、筆者は実際に人が目の前にいる方が話しやすかったので、IELTSの方が高得点を獲得できました。)
また、IELTSスピーキングテストは他の試験とは別の日に行われることもあります。忙しく、時間を作るのが難しい人には厄介かもしれません。一方、TOEFLの場合はその場で完結します。録音した音声は、後で採点者に送信されます。
自分の都合や条件に合った試験を選んでください。
試験の費用
試験を選ぶ際に重要になるのが、試験の費用です。ただし、これらの費用は試験を受験する国によって異なります。したがって、費用は必ず公式サイトで確認してください!
現段階(2023年11月)での日本での受験料金は、IELTSは25,380円(税込)、TOEFLは通常の申し込みでUS$245(約36,800円)でした。
試験場所で選ぶ
スピーキングテストの選択肢は、あなたの近くにある試験センターの利用状況にもよります。試験センターが簡単にアクセスできる試験を選び、日程も簡単に利用可能なものを選ぶといいでしょう。
ただし、これらの試験は現在自宅での受験も可能となってきています。利用条件を確認し、自宅での受験も視野に入れてみてください。
自分のニーズに合った試験を受けよう!
それぞれの違いを確認できましたか?
これらの違いを踏まえて、ご自身の目的やニーズに合わせて検討することをおすすめします。
IELTSとTOEFLを比較すると、両試験の目的は共通しているところがあります。しかし、多くの側面で異なることをわかっていただけたのではないでしょうか。
違いを理解して、選択のポイントを確認し、よく考えて最終的に決めましょう。
どちらの試験を受験されるとしても、みなさんが希望のスコアを取得できるよう願っています!