「物価の上昇」や「円安」は英語で?インフレにまつわる英語表現
インフレとは「物が高くなる=お金の価値が下がる」という意味の経済用語です。
日常生活レベルで広く影響が出るため、英語でやり取りの際に話題に上ることもあるでしょうし、大人ならインフレに関する英語表現も、ある程度は知っておきたいところです。
今回は、よく耳にする言葉ではありながら、日常会話では触れる機会の少ない「インフレ」に関する英語表現を見ていきます!
インフレ、デフレじゃ通じない?
まず最初に、インフレはカタカナ語ですが、そのままでは英語として通じないことを知っておきましょう。英語で話すときは省略せず inflation と言わなければなりません。
また、ハイパーインフレなら hyperinflation です。Inflation は「膨張」という意味の言葉ですので、価格が「膨張」するということです。
「インフレ圧力」のような複合表現では形容詞形 inflationary を使います。
同じく、インフレの反対語であるデフレも deflation と略さず言いましょう。こちらも、デフレスパイラルのような複合表現には deflation の形容詞形 deflationary を使います。
インフレについて語るときのキーワード
インフレに関する英語表現でよく出てくるものを見ていきましょう。
rising/soaring/rampant(上がっている、高まっている)
これらは、インフレが「上昇している」と表現するときによく使われる単語です。
Rising だと単に「上昇している」という平坦な表現ですが、soaring や rampant だと「高騰している」のように危機感の高いニュアンスになります。英語では、経済に関する表現で欠かせない「上がる・下がる」の表現がたくさんありますよ。
weak/strong(安い、高い)
「円安」や「円高」はニュースでもよく見かける言葉。「安い」は cheap ではなく weak と表現し、「高い」は strong と表現します。
amid(~のさなか)
Amid(~の真っただ中に)を使えば、「~のさなか」を一語で表せてしまいます。
日常表現では package は「パックになったもの」のことですが、economic package のように、経済の文脈では「(さまざまな)対策」の意味になります。
counter/fight(対抗する、対策を取る)
過剰なインフレに対しては何らかの対策が求められます。Counter/fight などを使って表現できます。
inflation rate(インフレ率)
「インフレ率」は文字通りの英語表現になります。
since(~以来)
過去の情報と比較するときに必要な表現も覚えておきましょう。Highest(もっとも高い)の部分には lowest(もっとも低い)、fastest(もっとも速い)のようにさまざまな最上級の言葉を入れてアレンジできます。
Since を使わない次のような言い方もあります。
unprecedented(先例のない)
Unprecedented は、「先例がない」を一語で表せる便利な言葉です。
peak(ピーク、ピークに達する)
Peak は「頂点」を意味する名詞です。日本語でも「ピークに達する」などと言ったりしますね。これを動詞として使えばそれだけで「頂点に達する」という意味になります。
日本語のニュースなどで、「ピークに達した」という意味で「ピークアウト」という言葉をよく耳にしますが、英語では上記のように peak を動詞にするだけで意味を成します。Peak out という表現はいかにも見た目が英語らしいものの、実は英語では使われない和製英語と言えます。
purchasing power(購買力)
値段が上がるとモノを買う力=購買力も減ってしまいますね。インフレの影響についての話題でよく出てくる言葉です。
「リーマンショック」は和製英語?
ところで、経済関連のニュースで指標としてよく出てくるのが「リーマンショック」です。
2008年9月アメリカの住宅市場悪化を受け、かの地で160年ほどの歴史を持つ有力投資銀行Lehman Brothers Holdings Inc.が破綻したことから引き起こされた世界的経済危機が起きました。
1970年代にあった経済危機「オイルショック」の発想から「リーマンショック」の呼び名が生まれたのでしょうが、英語ではリーマンショックという言い方はされません。
代わりに、the 2008 financial crisis(2008年の金融危機)、the 2008 financial collapse(2008年の金融崩壊)、the bankruptcy of Lehman Brothers(リーマン・ブラザーズの破綻)などと説明的な表現が使われます。
「節約」にまつわる英語表現
ここまではインフレに関連する単語や、ビジネス関連の表現を見てきましたが、ここでは日常会話でも使える「節約」にまつわるイディオム・フレーズを3つご紹介します!
Pinch pennies
Pinch とは「つまむ」という意味で、penny(複数形:pennies)は1セント銅貨の別称(100セントで1ドル)。日本でいう「1円」くらいの感覚ですが、変換するとおおよそ0.10円に当たります。つまり、pinch pennies は「ほんのわずかなお金でも大切に持つ」、「お金を大切に使う」、「節約する」などを意味する表現です。
Tighten one’s belt/purse strings
これは、不必要な支出や過剰な支出を削減し、より節約的な支出習慣へと変化させることを指す表現。日本語にも「財布の紐が固い/緩い」という表現がありますが、概念は一緒です!
Be on a tight budget
このフレーズは「予算が限られている」という意味です。ここでも、「tight」という単語は、何かを制限したり、抑えたりすることを表していますね。
まとめ
インフレに関する話題が始まると、過去の歴史的出来事に繋がることも多いです。
なかには、記事で触れたリーマンショックのように、日本語と英語ではまったく違う呼び名になるものも少なくありません。
日本語なら当然知っている言葉なのに、英語での呼び名がわからないために話ができず、何も知らないように思われたりしては残念ですよね。
歴史的出来事の英語名を確認してみるのも面白いものですよ。興味を持ったらぜひお試しください!