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Harry Potterでイギリス特有の表現・スラングを学ぼう!【イギリス英語表現集】

Harry Potterでイギリス特有の表現・スラングを学ぼう!【イギリス英語表現集】

ハリー・ポッターを知らない人はいない! と言ってもいいほど、世界中で愛されている名作ではないでしょうか。

実は、ハリー・ポッターのなかには英語学習に役立つ要素が多くあるとご存知でしたか?

今回は、ハリー・ポッターの魅力に迫りつつ、イギリス英語特有のスラング表現を一挙に紹介します!

この記事を参考に、みなさんもイギリス英語に触れてみましょう。

ハリーポッターはイギリス英語の魅力が満載!

ハリーポッターとは?

Harry Potter(ハリー・ポッター)は、イギリスの作家J.K.ローリング氏によって書かれた、世界的に人気のあるファンタジー小説、そして映画のシリーズです。

小説全7巻からなるこのシリーズは、若き魔法使いハリー・ポッターとその友人ハーマイオニー・グレンジャー、ロン・ウィーズリーの人生と冒険を描いています。物語の主な舞台はホグワーツ魔法魔術学で、メインストーリーは闇の魔法使いヴォルデモート卿とのハリーの闘いです。

善と悪の闘い、友情と愛の大切さ、死の本質など、さまざまなテーマを探求した本作品は世界中で愛されています。1997年に最初の本『ハリー・ポッターと賢者の石』が出版されて以来、文化的現象となりました。「ハリー・ポッター」シリーズは、映画化され成功を収め、テーマパーク、グッズ、演劇、にまで派生。世界中で現代の大衆文化や文学に多大な影響を与え、新しい世代の読者を生み出したのです!

その結果、「ハリー・ポッター」は、現代文学において最も愛され、影響力のあるシリーズ作品のひとつとなったのでした。

著者について

シリーズの著者であるJ.K.ローリング氏は、イギリスの小説家で、現代文学史上最も有名で成功した作家の一人と呼ばれています。

イギリスのイングランド南西部グロスターシャー出身のローリング氏は、作家になるまでに壮絶な人生を歩んできたのだそうです。シリーズの構想は、1990年、マンチェスターからロンドンへ向かう列車の遅延中に思いついたと言われています。

ローリング氏はイギリスの小説家です。そのため、もちろんハリー・ポッターの本文内で使われているのはイギリス英語。日本では基本的にアメリカ英語を学びますが、ハリー・ポッターのセリフからはイギリス英語を学ぶことができるのです!

アメリカ英語版との違い

『ハリー・ポッターと賢者の石』には実はイギリス版とアメリカ版のタイトルが存在すると知っていましたか?

イギリス版ではタイトルが Harry Potter and the Philosopher's Stone ですが、アメリカ版では Harry Potter and the Sorcerer's Stone と改題されています。

アメリカで出版されることになったとき、アメリカの出版社スコラスティック社は Philosopher(賢者)が入ったタイトルはアメリカの子供たちにアピールできないと考え、Sorcerer(魔法使い)に変更しました。このタイトルの変更が最も明らかな違いですが、それ以外にも本文中にいくつかの変更が加えられました。これはイギリスとアメリカの言語や文化的背景の違いによるものであると言えるでしょう。相違点の例をいくつか挙げてみます。

タイトルと用語

原題の "Philosopher's Stone" は錬金術における伝説的な物質を指します。しかし、米国の出版社は「魔法使いの石」の方が米国の読者にはなじみやすく、魅力的だと考えたため、変更を加えたと言われています。

さらに、アメリカの読者がより理解しやすく、親しみやすいように、さまざまな用語や言い回しが変更されました。

イギリス版(オリジナル)アメリカ版
jumper sweater
crispschips
sherbert lemonlemon drop
treacle toffeetreacle fudge
revision timetablestudy schedule

スペルと文法

米国版では、アメリカ英語のスペルと文法の慣例に沿って変更が加えられています。英国版の colourfavour のような単語は、米国版では colorfavor となっています。

台詞と描写の文化的な変更

他にも、アメリカ英語の用法に合うように、台詞と説明文に小さな変更が加えられています。

しかし、これらの変更は、核となるストーリーや登場人物を変更することはありませんでした。アメリカの読者、特に子供たちにとってより親しみやすく、魅力的な本にすることを意図して行われたことです。

J.K.ローリングはアメリカ版のタイトル変更に同意したと伝えられています。しかし、その後、この決定について後悔の念を表明し、もし当時もっと自信があれば、タイトル変更に反対していただろうと示唆したのだそうですよ。

ハリーポッターでみられるイギリスのスラング

それでは、今回の記事のメインであるイギリス特有のスラング表現を紹介していきます。

これから紹介する表現はあくまでスラング表現ですので、カジュアルな場での使用をおすすめします。間違っても、教授や上司の前では言わないようにしましょう!

Bugger

その意味や使われ方は文脈や地域によって異なります。一般的な使用法をいくつか挙げますが、この言葉は不適切だとみなされることがありますので、使用する際には注意が必要です。いろいろな意味で使われる万能語ではありますが、公式な場では避けたほうが無難です。

Oh bugger, I've forgotten my keys.
「ちくしょう、鍵を忘れたよ」

この文脈では、小さな失敗やいらだちを表しています。

You lucky bugger!
「運のいいやつめ!」

友人や知り合いに対する軽い、親しい呼びかけとして使われることがあります。

Just bugger off and leave me alone!
「消え失せてくれ、ほっといてくれ!」
You silly bugger, you made the same mistake again!
「また同じ間違いをしたな、おまえも馬鹿だな!」

ここでの silly(愚かな)は愛情を込めた冗談の意味であり、このフレーズ全体は友達同士のからかいや親しい間柄でのやり取りに使われることが多いです。

親しみや愛着を込めて使うこともあります。例えば、友人に対して愛情を込めて bugger と呼ぶことがあります。しかし、北米ではこの言葉がもつ意味はイギリスとは異なり、より強い侮辱として受け取られる可能性があるので、要注意です。

その起源や古い意味合いが下品または冒涜的なものであるため、公式の場やフォーマルな会話、特に異なる文化や地域の人々との交流では避けた方が無難だといえます。

Bloody

映画ではロン・ウィーズリーがよく使っていた表現なので、映画を見返してみると気づくかもしれません。イギリス英語のスラングで、感情の強い強調を表すために使われることが多い単語です。

もともとはやや不適切な言葉として扱われていましたが、現代では多くの文脈で一般的に使われています。

That bloody owl keeps screeching in my ear.
「そのくそうるさいフクロウがずっと耳元で鳴き続けている」
It's bloody cold today!
「今日はめちゃくちゃ寒い!」

非常に寒いことを強調しています。

ただし、bloody は依然として一部の人には不快感を与える可能性があるため、フォーマルな状況や不快に感じる可能性のある人の前では避けた方が良いでしょう。文化や状況に応じて、この言葉の使用を慎重に考慮することが重要です。

Bloody hell!

ハリポタファンならば必ず聞いたことのある、ロンの口癖ですね。英国英語のスラング表現で、感情の強い発露を示す際に使われます。このフレーズは、驚き、怒り、失望、困惑など、さまざまな感情を表すのに使用されます。

Bloody hell! I can't believe we missed the train.
「くそっ、電車に乗り遅れるなんて信じられない」

Blooming

通常 blooming は植物が花を咲かせる過程を指しますが、イギリス英語のスラングとして bloody の丁寧バージョンとして使用されます。

Bloody のように、感情を表現するための軽い言葉として機能しますが、穏やかで、あまり攻撃的ではありません。

I've been waiting for this blooming bus for ages!
「このバスを長いこと待ってるんだよ!」

ここでは、blooming はいらだちを和らげるための表現として使用されています。

He's a blooming good footballer, isn't he?
「彼は本当に上手なサッカー選手だよね?」

この例では、賞賛や感嘆の強調に使われています。

Toss

イギリスの一部の地域でスラングとして使われ、下品な意味を持つことがあります。

I don’t give a toss.
「どうでもいい」

何かに対して興味がない、または関心を持っていないことを強調する際に使われます。

Look at that Gryffindor. What a tosser
「あのグリフィンドールを見ろ、なんてバカな奴だ」

Toss の意味は文脈によって大きく異なるので、使う際には周囲の状況や話し相手を考慮しましょう。

Arse

イギリス英語のスラングで、ass ではありませんが、同じ意味です。侮辱的または軽蔑的な意味で使われることもあります。特に、他人を馬鹿や無能として描写する際に使われます。

Don't be such an arse!
「そんなバカなことするな!」
He's been sitting on his arse all day.
「彼は一日中何もせずに座っていた」

この用法では、怠け者や効率が悪い人を指すのに使われます。

Smart-arse!
「知ったかぶりめ!」

自分が賢いと自慢している人、または他人よりも優れていると考えている人に対して使われる表現です。これはやや皮肉な言い方で、「知ったかぶり」や「賢そうにする人」を意味します。例えば、誰かが他人を小馬鹿にしたり、必要以上に知識をひけらかしたりした場合に使われることがあります。

Naff

主に英国英語で使用される俗語で、何かが時代遅れ、無駄、または品質が低いことを示すのに使われます。たとえば、古くて流行遅れの服や、趣味の悪い装飾品を指します。また、この言葉を単に「つまらない」や「くだらない」という意味で使うこともあります。

That cloak looks naff.
「そのマント、ダサい」

Daft

誰かが愚かであるとか、非合理的または理にかなわない行動をしていることを示すのに用いられます。この言葉は、軽蔑的な意味合いを持つこともあれば、親しみや愛情を込めたやさしい意味合いで使われることもあります。

また、友人同士の会話で愛情を込めて、「お前、馬鹿だな」という意味で使われることもあるようです。

My knee's going daft.
 「私の膝がおかしくなっている」

年配の人が膝に何らかの理解し難い不調や問題があることを指して言う表現でしょう。

I thought Ravenclaws weren't meant to be daft.
「レイブンクローはバカじゃないと思ってた」
This homework we've been set is just daft.
「与えられたこの宿題、まったく馬鹿げてる」

Dodgy

イギリスで広く使われる表現で、何かが疑わしい、怪しい、または信頼性に欠けるという意味です。人の場合は、移り気で、信用できない、物の場合は、壊れそうだとか、品質が怪しいという意味です。

I wouldn’t eat that, it looks a bit dodgy.
「それ、食べないほうがいいよ、ちょっと怪しいよ」
Here, who’s that dodgy guy over there?
「ねえ、あそこの怪しい奴は誰?」

Prat

主に愚かであるか、不器用な人を指すために使われます。この言葉は、軽蔑的な意味合いを持ちますが、軽い冗談めいた文脈で使用されることもあるようです。

What is that Hufflepuff doing? She looks like a total prat!
「あのハッフルパフは何をしてるの? まるで大バカみたい!」

ここでは、そのハッフルパフの生徒が愚かな行動をしているように見えることを指しています。

You stupid prat, you left your toad in my bed!
「お前ってば本当にバカだな、お前のヒキガエルを俺のベッドに置き忘れやがって!」

この文では、「stupid prat」という言葉が、相手を非難する意味で使われており、その人が愚かな行動をしたことを非難しています。

Codger

一般に年配の男性を指すのに使われる言葉ですが、嫌いな教授に対して使われているようですね。場合によっては、少し古い考え方を持っているという意味合いで使われることもあります。

Professor Smith? Oh, that daft old codger.
「スミス教授? ああ、あのちょっとおかしな年寄りの先生」

ここで daft old codger は、スミス教授が少し風変わりで愛嬌のある年配の男性であることを親しみを込めて表現しています。Daft は先ほど出てきましたが、ここでは「ちょっとおかしい」や「ひょうきん」という意味です。

Blighter

主に親しみや軽い揶揄を込めて、人を指すのに使われます。この言葉は特に、やや困った人物や、面倒な人物を指す際に用いられることが多いです。本作のなかでは、小さくて迷惑なものを指しています。

That nasty little blighter.
「あの意地悪な小悪党」

屋敷しもべのことでしょう。

Nutter

一般に精神的に不安定な人や、非常に風変わりな行動をする人を指すのに使われます。誰かが本気で狂っていると思うとき、あるいは考えなしに極めて危険なことをしたときに使うことが多いです。

What the hell is he doing? That nutter sent the bludger straight at my face!
「一体あいつ何やってんだ? あの変人がブラッジャーを真っ直ぐ俺の顔めがけて飛ばしてきたよ!」

この文脈では、nutter は非常識な行動をする人物を指しています。Bludger という言葉は、「ハリー・ポッター」シリーズの架空のスポーツ、クィディッチで使われる道具の一つです。

一般的には友人間の冗談として使われますが、使用する際には相手を傷つけないよう配慮が必要です。

Snogging

英国英語の俗語で、情熱的なキスや抱擁のような親密な行為を指すのに使われます。この言葉はカジュアルな文脈でのみ用いられ、若者の間でよく使われる表現です。アメリカ英語では、熱烈なキスを表す言葉として making out の方が一般的に使われています。

Ginny and Dean were snogging in the corner every time Harry entered the common room.
「ハリーが共同ラウンジに入るたびに、ジニーとディーンは隅で熱くキスをしていた」

シリーズ全体を通じて、snogging は特に青春期の生徒たちの恋愛関係を表現するために使われる言葉です。

今年の冬はハリーポッター英語版読破に挑戦!

いかがでしたか?

ハリー・ポッターに出てくるこんなにも多くの表現が、イギリス特有のスラングだと知って驚いた方も多いのではないでしょうか。

今回紹介したスラングには相手を侮辱するような表現も含まれています。使うときには相手との関係性や文脈、声のトーンに気をつけて使ってください。フォーマルな場や、親しい間柄ではない相手との会話で使うことはおすすめできません。(ここ重要です!)

映画を英語字幕で観たり、原作小説を読んでみると、学べることがたくさんあります。

この冬はハリー・ポッターの魅力に改めて浸ってみるのも楽しいかもしれません!

素敵な内容の本作品を、英語学習に活かしてくださいね。

イギリス英語版『ハリー・ポッターと賢者の石』はコチラ

アメリカ英語版『ハリー・ポッターと賢者の石』はコチラ