知っておきたい!メンタルヘルスにまつわる英語の用語とイディオム
最近日本でも広く使われるようになった英語表現のひとつ、メンタルヘルス。
海外では、国によっては「メンタルヘルス休暇」があったり、学校・職場で無料でカウンセリングが提供されていたりと、メンタルヘルスに対する取り組みが普及しつつあります。
今までは少しネガティブなイメージを持たれていた「心の不調」は、実際には誰しもが経験し得ること。そんな不調についてオープンに話せる場を設けるのはとても大切です。
そこで今回は、英語でメンタルヘルスについて話すときに使われる少し専門的な用語をご紹介しようと思います。ニュースやネット記事、SNSでもよく見かける表現を集めてみました。
さらに記事の後半では、自分の精神状態を説明したいときに使えるイディオムやフレーズも見ていきましょう!
メンタルヘルスに関連する用語
mood|ムード
Mood は気分という意味です。他にも英語では、moody(不機嫌)や mood swing(気分変動)という表現をよく聞きます。
そして、「障害」を指す英単語、disorder をくっつけると、「気分障害」という意味になります。
well-being|ウェル・ビーイング
Well-being とは、快適であること、健康であること、または幸福であることを意味します。「心の豊かさ」や「幸福度」と訳すこともできます。
日本では最近「ウェルネス(wellness)」という単語をよく聞きますが、これは「より良く(健康に)生きようとする生活態度」のことを指す表現です。ニュアンスは少し違いますが、どれだけ健康で幸福か、という意味では似ていますね。
stigma/stigmatization|スティグマ(ティゼーション)
Stigma とは、特定の状況、品質、または人物に関連する不名誉な印、偏見のことです。メンタルヘルス以外のことに対しても用いることができます。
coping|コーピング
「対処する」ことを英語では cope と言います。Manage(マネージ)という単語と少し似ていて、どれだけ自分のなかで(感情などを)管理できるかという意味合いを持ちます。
もう少し詳しく説明すると、ネガティブな出来事や現実に適応し、ポジティブな自己イメージと感情のバランスを保とうとすることです。
基本的には、coping with stress や、coping skills/strategies というフレーズを見ることが多いかと思います。
上記の例文は日常会話で使えるものです。次は、カウンセラーやセラピストなどが使うような少し専門的なフレーズを見てみましょう。
risk factor|リスク・ファクター
何かを発症するリスクを高める可能性がある要因のことを risk factor と言います。心の病気についても使いますし、身体的な病気についても使うことができます。
Mayo Clinicによると、心の病気のリスクを高める要因のなかには、経済的な困難、ストレスの多い生活、慢性病状、そして子供の頃のトラウマや虐待などがあるそうです。
trigger|トリガー
Trigger とは、何かに対する反応を引き起こす刺激や要因のこと。日本語では「引き金」と表現します。メンタルヘルスの文脈では、症状を引き起こしたり悪化させたりするものという意味で使われることが多いです。
例えば、特定のフレーズや匂い、音、場所、状況などがトラウマとなる出来事を経験した人の trigger になることがあります。
【動詞の場合】
【名詞の場合】
また、to be triggered (by something) のように見かけることも。現在、SNSやネット上などでは、目にしたあるコンテンツに不快感を抱く人たちを表現する言葉として、triggered という言葉が頻繁に飛び交っています。
さらに、TW (Trigger Warning) という表記を見かけたこともあるかもしれません。これは、人によっては trigger される可能性があることを示している注意書きです。
symptom|シンプトム
これは「症状」を表す言葉です。もちろん、風邪やウィルスなどの身体的な病気に対しても使います。
参考:Depression (major depressive disorder)
メンタルヘルスにまつわる英語イディオム
ここまでは少し専門的な用語を見てきましたが、ここからは自分のメンタルヘルスの「状態」を誰かに説明したいときに使える英語表現を紹介していきます。
Out of sorts
元気がなく、いつもの自分ではない感じがしたら out of sorts というフレーズを使うことができます。「調子が悪い」と訳すことも可能です。
Down in the mouth/dumps
Down in the mouth は「口角が下がっている」ことを連想させるイディオムで、「悲しい」ときに使います。Down in the dumps も同じニュアンスで使えるイディオムです。
また、to feel down と言うだけでも「悲しい・憂鬱」といった状態を表すことができます。
※Hold up は「耐える」、「辛抱する」という意味です。
To feel blue
日本語でも「ブルーな気分」と言うことがありますが、英語でも同じように使います。
Frazzled
ストレスや不安、疲れなどを一気に感じてしまうことを frazzled と表現できます。
High-strung
これは、過度のストレスにより非常に神経質で、動揺しやすい状態を指す表現です。ギターの弦のように張りの強いものは切れやすいという概念に由来しています。
On one’s mind
これは、気になることや、悩み事に対して用いることができます。
メンタルヘルスについてオープンに話してみよう
メンタルヘルスについてオープンに話していくことはとても大事です。
すべてを一人で抱え込んでしまうと、そのストレスに圧倒され、より孤独を感じてしまう可能性があります。
もし気になることがあれば、どう思われるかは気にせず、まずは信頼できる人に話してみましょう!