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ブレッド?ベンジャミン?「お金」を意味する英語のスラング15選

ブレッド?ベンジャミン?「お金」を意味する英語のスラング15選

日本語はスラングが少ない言語です。

例えば「お金」という単語を、若者言葉や砕けた表現にしてと言われたら、特に思いつく言葉はありませんよね。

ところが英語では、「お金」を意味するスラングが数えきれないほどあるのです。

今回は、ネイティブがよく使う「お金」を表す英語表現をアメリカ編とイギリス編に分けてご紹介します!

アメリカ編:「お金」を意味する英語のスラング

アメリカの国旗を背景に、スーツを着た男性がアメリカドルをたくさん持っている

みなさんご存知の通り、お金は英語でいうと money(マニー)です。また、currency といえば「通貨」、fund といえば「資金」を意味します。似たような単語ではありますが、お金そのものを表すのは money のみです。

では、money の代わりに使えるスラング表現を見ていきましょう!

cash

「キャッシュ」は日本でも馴染みのある言葉ではないでしょうか。Cash はもはや money の類義語といえるくらい広く使われている単語です。

しかし英語ではインフォーマルなスラングなので、フォーマルな場で使うことはおすすめしません。

また、全般的な意味で「お金」を意味する場合もあれば、「現金」を表すときがあります。

Do you have any cash on you?
「現金持ってない?」
I'm out of cash.
「金欠だ/もうお金がない」

bill(s)

「ビル」という単語は、「紙幣」を指します。One-dollar bill(1ドル札)、five-dollar bill(5ドル札)のように使います。

しかしスラングでは、100ドルという意味になります。ややこしいですね!

He earns five bills a week.
「彼は週に500ドル稼ぐ」

buck(s)

英語のドラマや映画が好きな方は、この言葉を聞いたことがあるかもしれません。子供から大人まで使う「ドル」の砕けた表現です!

Can you lend me five bucks?
「5ドル貸してくれない?」
Wow, this shirt only costs a buck!
「すごい、このシャツたったの1ドルだって!」

bread

「生活の糧」という表現がありますよね。これは英語でいうと daily bread です。パンを買うために働き、働いて得たお金でパンを買う。想像すると、なぜパンが「お金」という意味になったのかがわかりやすいかと思います。

ちなみに、アメリカで「お金」を意味するスラングとして bread が普及したのは1930年代だそう。歴史を感じるスラング表現ですね!

We don't earn enough bread to keep living like this.
「こんな生活を続けるほどのお金を稼いでいないよ」

dough

次は、bread(パン)と関連のある dough という言葉。これは「パンやパイなどの生地」を意味する英語です。

Dough も似たような感じで使うことができます。

He spent all his dough on the new car.
「彼は新車に全財産をつぎ込んだ」

bacon

「べ、ベーコン!?」と思った方が多いでしょう。たしかにお金との関連性がなく不思議ですよね。

英語には、bring home the bacon というイディオムがあります。そしてこれは「家族が生活するためのお金を稼ぐ」という意味です。

直訳すると「家にベーコンを持ち帰る」という意味になるので、「家族のために食べるものを持って帰ってくる=食べ物を買って帰れるようにお金を稼ぐ」という状況を想像するとイメージしやすいでしょう。

I heard that John is a stay-at-home dad and his wife brings home the bacon.
「ジョンさんは専業主夫で、奥さんが稼いでいるそうだよ」

benjamin

みなさんは「ベンジャミン・フランクリン」という名前を聞いたことはありませんか?

彼は、アメリカをイギリスから解放した3つの文書すべてに署名した唯一の建国の父として知られており、「アメリカ合衆国建国の父」という愛称で親しまれています。

そしてなぜベンジャミンがお金のスラングになっているかというと、彼はアメリカの「100ドル紙幣」に印刷されているからです。つまり、benjamin=100ドルという意味! 

また、ベンジャミンは人物名ですが、お金を意味する場合は頭文字は小文字で大丈夫ですよ。

Could you lend me a few benjamins?
「数百ドルを貸してくれない?」

skrilla

みなさんはラップやヒップホップが好きですか? お好きな方はもしかしたらこの言葉を聞いたことがあるかもしれません。

Skrilla は、1990年代半ばに、サンフランシスコのベイエリア発のヒップホップによって広まったとされているスラング。Scrilla、scrillah、skrillah と表記されることもあります。

この言葉はE-40というラッパーによって作られたそうで、数々のラッパーが歌詞に取り入れていますよ。

He's got hella skrilla.
「彼はかなりお金を持っている」
※hellaもベイエリアのスラングで、「かなり」という意味です。

green

これは想像しやすいのではないでしょうか。Green はお金(アメリカドル)の色を表しています!

She's always asking me for some green.
「彼女はいつも俺にお金を要求してくる」

big ones

「大きいもの」というニュアンスから読み取られるように、これは基本的に「1,000ドル」を表すスラングとして使われます。

You know you owe me two big ones, right?
「2,000ドルの借金があるのはわかっているよね?」

イギリス編:「お金」を意味する英語のスラング

イギリスの国旗とポンド

続いて、アメリカから離れて、イギリスや英連邦諸国などでよく使われるスラングを見ていきましょう。

dosh

発祥の理由はあいまいですが、これは1950年ごろから使われているイギリスのスラングです。

Thanks for the invite, but I've got no dosh.
「誘ってくれてありがとう。でもお金がないんだ」

quid

Quid(クイッド)というのは、イギリスの「1ポンド」を表す単語です。

I spent a hundred quid on this painting.
「この絵に100ポンドもかけたんだ」

fivers and tenners

この表現はなんとなく想像がつくのではないでしょうか?

そう、fiver=5ポンド紙幣、tenner=10ポンド紙幣。1800年代から使われている、長い歴史を持つ表現です!

Could you lend me some money? I only have a fiver and a tenner.
「お金を貸してくれない? 5ポンド札と10ポンド札しか持っていない」

smacker(s)

これも、1ポンドを表すスラングです。

These shoes cost me 50 smackers.
「この靴は50ポンドで買ったよ」

filthy lucre

最後に紹介するスラングは filthy lucre(フィルシー・ルーカー)。

これは聖書に由来し、お金のために間違った教えをする人のことを指していた表現。本来は「不正に手に入れたお金」のことを指していたために filthy(汚い・不潔な)という単語が使われています。

しかしのちに、お金全般に対して冗談交じりに使われるようになり、1900年代半ばには「お金」を意味する俗語「the filthy」が生まれました。たまに、filthy rich という表現を聞きますが、これは「非常に裕福」という意味です。

He couldn't resist the lure of filthy lucre.
「彼は不当な利益の誘惑に勝てなかったのだ」

まとめ

英語にはたくさんのスラングが存在します。

すべて覚えることはネイティブでも不可能ですので、「覚えられない!」と困っている方はぜひご安心ください。

焦って覚える必要はありませんので、日常会話でよく使われるワードや、映画やドラマを見ていてよく登場する表現から徐々に覚えていけば大丈夫です!

今回の記事でご紹介したスラングからでも、ぜひ会話などに取り入れてみてくださいね。