映画由来の英語フレーズ|日常会話で使える洋画のセリフ10選
洋画の有名なセリフといえば、スターウォーズの「May the force be with you(フォースとともにあれ)」や、ターミネーターの「I’ll be back(また来る)」などがあります。
このようなセリフは、一度聞いただけで、どの映画を言及しているのかがすぐわかりますよね。
英語圏では、上記の例以外にも、映画のセリフは日常的に使われることが多々あるのです!
今回は、一般的に知られている名セリフを、日常ではどのように使われているのかをご紹介します。
日常会話で使える映画のセリフ
映画のセリフを日常会話に取り入れるのは、ネイティブに近づくための一歩かもしれません! 早速ですが、どのようなセリフが普段使われているのかを見ていきましょう。
There’s no place like home
- 映画:The Wizard of Oz|オズの魔法使
- 直訳:「家のような場所はありません」
これは1939年に公開された大ヒット映画「オズの魔法使」で登場したセリフです。
ある日竜巻に巻き込まれて不思議な国へ飛ばされてしまうドロシー。さまざまなキャラクターに出会い、いろいろな経験をしますが、最終的には家に戻りたいという願望が強くなります。
そこで、ドロシーが家に帰れるように、何度も唱えるのがこのフレーズ。
今では、長く旅に出ている人や、家を離れて生活している人が言うことの多いセリフです。
You’re gonna need a bigger boat
- 映画:Jaws|ジョーズ
- 直訳:「もっと大きな船が必要だ」
1975年の大ヒット映画「ジョーズ」で、捕まえようとしているサメの姿を初めて見たブロディ保安官が発するセリフです。想像以上にサメが大きいため、もし捕まえたとしても、保安官が乗っている船にのせることが不可能だということに気づいて言います。
今では、自分の力ではどうにもならないような悪い状況になったときや、予想以上に困難な状況に陥ったときに用いることのできるセリフです。
また、サメ関連で to bite off more than you can chew というフレーズもあります。自分の能力を超えることを試みるという意味です!
You talking to me?
- 映画:Taxi Driver|タクシードライバー
- 直訳:「俺に言っているのか?」
これは、鏡の前で仮想の対決を練習している主人公のトラヴィスが口に出すセリフです。トラヴィスはこのシーンでは精神的に不安定で、「普通」に振る舞っている状態ではありません。
そして実は主演のロバート・デ・ニーロ本人がアドリブ(即興)で言ったセリフだそうで、映画のなかでも記憶に残る名場面の一つとなりました。
現在は、仲の良い友人や家族、同僚などとふざけているときに、相手を挑発する感じでこのセリフを用いる人がいるかもしれません。「それ、俺(私)に言ってるのか?」のようなニュアンスになります。What did you say??(今なんて言った!?)のような感じです。
You can’t handle the truth
- 映画:A Few Good Men|ア・フュー・グッドメン
- 直訳:「あなたは真実を扱うことができません」
このセリフは、映画「ア・フュー・グッドメン」のなかで軍法会議弁護士のカフィーがジェサップ大佐に、二等兵サンティアゴの死を巡る虚偽証言を暴露するシーンで登場します。
カフィーに真実を話すように迫られたジェサップ大佐は、このフレーズを怒鳴って言うのです。
現在このセリフは、聞き手が聞く準備ができていない情報に対して使われることが一般的です。その情報を相手が正常に受け入れられるかどうか不安な場合などに用いることができます。
相手をこの情報で傷つけたくないときなど、聞き手を守りたいときに使うことが多く、日本語でいうと「心の準備ができていないだろう」というニュアンスが近いです。
I’m gonna make him an offer he can’t refuse
- 映画:The Godfather|ゴッドファーザー
- 直訳:「奴が決して断れないオファーをする」
次のセリフは名作「ゴッドファーザー」から。マーロン・ブランド演じるイタリアマフィアのトップ、ドン・ヴィトー・コルレオーネが放つセリフです。
そんなコルレオーネはジョニー・フォンテーンの名付け親(ゴッドファーザー)。ジョニーは仕事に恵まれない歌手であり、今度のハリウッド映画への出演が彼に必要な後押しになると確信しています。しかし、スタジオの責任者であるジャック・ウォルツは、ジョニーに役を与えることを拒否しているのです。
コルレオーネはジョニーの「男らしくない」態度を非難した後、彼に役を与えるようウォルツを説得すると言います。そんなときに放ったのがこのセリフ。
今では、自分の思い通りになることを確信している場面でこの言葉を使うことがあるかもしれません。「相手にNOとは言わせない」のようなニュアンスですね。
この場合、オファーを断るのはあまりにもったいないということを表しています。
※to beat up は「殴る」「ボコボコにする」という意味。
このシチュエーションでは、一つ目の例文とは違って「脅し」というふうに捉えることができますね。
Houston, we have a problem
- 映画:Apollo 13|アポロ13
- 直訳:「ヒューストン、問題が発生した」
これは、「アポロ13」という映画からきていますが、実際にあった出来事を題材にしているセリフです。
1970年のアポロ13号の飛行中に、宇宙飛行士のスウィガートとラヴェル、そしてNASAのミッションコントロールセンター・ヒューストンとの間で行われた無線通信に由来します。
宇宙飛行士が実際に言ったのは、みんなが広く使用しているこのセリフではなく、「Okay, Houston, we've had a problem here」です。
今は、予期せぬ問題が発生したときや、絶望的な状況に追い込まれたときに用いることができますよ。
As if!
- 映画:Clueless|クルーレス
- 直訳:「かのように!」
これは1995年の映画「クルーレス」で何度も登場するセリフで、「ありえない!」のようなニュアンスで使える表現。「No way!」というフレーズにも近いです。
Cluelessの舞台はアメリカ・カリフォルニア州のBeverly Hills(ビバリーヒルズ)で、ロサンゼルスやサンフェルナンドバレーなどを含む南カリフォルニアに住む女性のことを Valley girl(バレーガール)と呼びます。これはいわゆる「渋谷のギャル」みたいな感じです。
そしてバレーガールにもギャル特有のスラングや話し方があります。例えば、もっとも特徴的なのは like という言葉の多用。ほかにも totally や whatever などの単語が挙げられます。
少し話がズレましたが、セリフの話に戻りましょう。As if〜 は、その後に文章が続くはずですが、あえてこの部分だけを使った表現が valley girl の使い方です。このセリフはCluelessによって人気が出て、特にアメリカでは広く使われるようになりました。
また、男女問わず冗談として言えるセリフですが、女性が使うことの方が多いかなと思います。使ったとしても特にバレーガールというふうに見られることはありません。
このシーンでは、急に男性にハグされた主人公のシェールが、「ありえないでしょ!」と言い放っていますが、みなさんも「ありえない!無理!」や「絶対ない」と言いたいときにぜひ用いてみてくださいね!
Say hello to my little friend
- 映画:Scarface|スカーフェイス
- 直訳:「私の小さな友達にごあいさつを」
人気ギャング映画「スカーフェイス」で、アル・パチーノ演じるトニー・モンタナが発するセリフです。
映画の終盤で、敵が自分の砦に潜入しモンタナが殺されそうになったときに、このフレーズを叫びます。
軍用の大型機関銃を持ち上げて相手を撃ち殺す寸前に言うのですが、まったく「友達(機関銃)」が小さくないことがおもしろく、数多くの人を笑わせ、感動させた名場面の一つとなりました。映画やドラマなど、さまざまな場面で使い回されているセリフですよ。
今では、映画と同様、武器や危険なものを公開するときに、冗談交じりに使われることが多いです。 例えば、ビデオゲームやeスポーツのプレイヤーがゲームで新しい武器を使うときや、新しいコンピューターや機器を友人に見せるときに言います。
また、もちろん危険なものでなくても、自慢のなにかを公開する前や、なにかすごいものを誰かに見せる前などに用いることができます。一例を見てみましょう。
I love the smell of napalm in the morning
- 映画:Apocalypse Now|地獄の黙示録
- 直訳:「朝のナパームの香りが大好きだ」
ベトナム戦争をテーマとした映画「地獄の黙示録」に由来するセリフです。
ナパームとは、第二次世界大戦中に開発された油脂焼夷(しょうい)弾の一種で、航空機から落下させることによって広範囲にわたり焼尽・破壊することができます。
このシーンでは、背後で空爆が起きているなかキルゴア中佐がこのフレーズを口に出します。冷静かつ少し嬉しそうにこんな残酷な発言をしていることが数多くの人の心を打ったのです。普通なら、朝はコーヒーや朝食の匂いを好みますよね。
今ではこのセリフは映画やネットで用いられることが多く、キャラクターや投稿者の特定のテーマに対する皮肉や心からの熱意を表すために、「ナパーム」という単語を置き換えて表現されます。
例えば、朝起きたときに誰かがパンを焦がしていることがあれば、このように言葉を置き換えて使用することができますよ!
「焦げた」匂いはあまり好ましくないので、皮肉がまじった表現ですね。
What we’ve got here is a failure to communicate
- 映画:Cool Hand Luke|暴力脱獄
- 直訳:「ここにあるのはコミュニケーションの失敗です」
これはかなり有名なセリフです。Guns N’ Rosesというアメリカのロックバンドの曲「Civil War」の冒頭でもサンプリングされているので、映画を見ていなくても聞いたことがあるという人もいるかもしれませんね。
このシーンでは、反抗的なギャングの囚人と無情な警部が対決していて、囚人の精神を打ち砕こうとしたときに警部がこのフレーズを口にします。
今では、誰かと言い合っているときや、交渉したいのにうまく通じ合わずなかなか合意ができないときに言うことができます。もちろんビジネスの場やフォーマルな状況では言わないでくださいね!
映画のセリフを日常会話に取り入れよう!
いかがでしたか?
映画のセリフを日常会話で使うことができれば、かなりカッコよくありませんか? また、話している相手がこのようなセリフを用いたとしたら、文字通りに受け取らずに「あ、これ映画から引用している」と気づくことができればなおさら良いですね。
みなさんもぜひ今日ご紹介したセリフを会話で使ってみてください!