「オタク」や「〜愛好家」を意味する英語表現まとめ
「オタク」という言葉は、80年代、コミックマーケットに集まる漫画やアニメ好きの若者たちが、お互いを「おたく」と呼び合っていたことから、特定のサブカルチャーの愛好者たちを「オタク」と呼ぶようになったそうです。
私が初めて「オタク」という言葉を知ったのは中学生の頃で、宅八郎さんをテレビで見たのがきっかけです。男性がワンレンの長髪をしているのは、子供の私には衝撃的で、宅さんが毎回持っていた手提げの紙袋とマジックハンドもとても印象的でした。
今回はこの「オタク」を英語でどう表現するかを紹介したいと思います。
日本語でも「オタク」以外にも「愛好家」や「マニア」というような言い方がありますが、英語にもさまざまな表現があるので、ここで違いを覚えて、いろいろな「オタク」具合を英語で話せるようになりましょう！
「オタク」を表す基本的な英単語
Nerd
日本語の「オタク」という言葉は、あまりポジティブな意味では使われないかと思います。英語の nerd（ナード）が日本語の「オタク」に一番近い表現ではないでしょうか。
Nerd は一般的に、特定のトピックや分野を学ぶことが好きな知識人で、成果志向主義です。彼らは知識を習得することに熱心で、内向的な人が多いイメージを持ちます。
例えば、ゲーム、映画（特にSFやファンタジー物）、科学、コンピューター、チェスなどに興味がある人が多く、知識人なので難しい専門用語を使って会話をする人が多いイメージです。
また、映画やドラマでもよく nerd は頻繁に描かれています。代表的な例としては、「Spiderman（スパイダーマン）」の主人公・ピーターパーカー、「Harry Potter（ハリーポッター）」シリーズのハーマイオニー、「The Big Bang Theory（ビッグバンセオリー）」のシェルドンやレナード、そして「Stranger Things（ストレンジャー・シングス）」の主人公の少年たちなどです。
Jack is a real nerd. He stays home all day watching movies and playing games on his computer.
「ジャックはすごいオタクで、家で一日中映画を見ているか、コンピューターゲームをしている」
また、最後に -y を付け足せば形容詞として用いることができます。
All the cool kids play sports, while all the nerdy kids like me are in the science club.
「イケてる子たちはみんなスポーツをして、私みたいなオタクっぽいやつは科学クラブに入っている」
Geek
Nerd とよく似た傾向のある geek（ギーク）は、nerd よりポジティブな意味で使われることが多いです。
Geek も特定のトピックや分野に熱中しているのですが、nerd が成果志向主義なのに対し、geek は収集志向主義です。彼らはトレンドとクールなものに目がありません。
Nerdと同じく、ゲームや映画、コンピューターなどを含むニッチな趣味を持つ人が多いです。Geek は収集家が多く、ボックスセットや初回盤、オリジナル、などを好む傾向があります。
He is a computer geek. He can hack your email account in a few minutes.
「彼はコンピューターオタクで、君のメールアドレスを数分でハッキングできるよ」
Nerd/nerdy と同じく、geek も geeky にすれば形容詞として使えます。
There is a geeky, middle-aged man living alone next door to us.
「オタク系の中年男性が一人で私たちの隣に住んでいる」
Freak
Freak（フリーク）には「変人」や「変わり者」という意味があり、ネガティブなニュアンスで使われることが多いです。「オタク」の意味で使う場合は、「熱狂的な愛好家」という意味になります。
特定の何かに対して強い執着や興味を示している人に対して使え、nerd や geek のように知識や技術がなくても freak にはなれます。
Jane is a health freak – she goes to the gym six days a week and only eats vegetables that are grown at local farms.
「ジェーンは健康オタクで、地元の農家で育てられた野菜しか食べないし、1週間に6日ジムに通う」
I’m a clean freak. I have to vacuum and mop my house twice a day, once in the morning and again in the afternoon.
「私は掃除オタクで、毎日午前と午後の2回、掃除機とモップをかけないと気が済まない」
一般的に freak は、他人からは中毒症状や強迫観念に近い行為に見えるほど、何かに熱心に傾倒している人に使えます。
Buff
Buff（バッフ）は「オタク」の意味で使う場合、「熱狂者」「ファン」という意味で、enthusiast や fan が同意語になります。
Buff は「淡黄色」という意味もあり、1820年頃ニューヨーク市のボランティア消防士が淡い黄色のオーバーコートを着ていたことから、当時は消火活動マニアを指す言葉だったようですよ。
Tom is a film/movie buff. He knows all kinds of lines from so many different movies.
「トムは映画オタクで、いろんな映画のセリフを知っている」
Why don’t we go to the new jazz bar downtown? You can meet lots of jazz buffs there every Friday.
「ダウンタウンの新しいジャズバー行かない？ 毎週金曜はたくさんのジャズマニアに会えるよ」
Buff は freak ほど軽蔑的な言葉として使うことはありません。
その他の「オタク」
Nerd, geek, freak, buff の他にも、大好きなものを表現する英語の言い回しがいくつかあり、この表現を使ってオタク具合を表すこともできます。
-lover/enthusiast「〜を愛する人」「愛好家」
シンプルに、好きなことのあとに -lover や -enthusiast をつけると、「愛好家」「マニア」という意味になります。
I feel bad for Sara because she's such an animal lover, but her husband doesn't like cats or dogs.
「サラは動物好きなのに、ご主人が犬も猫も嫌いだからかわいそう」
I'm a huge coaster enthusiast. I've ridden every roller coaster in Japan.
「私は大のジェットコースターマニア。日本中のジェットコースターを乗り尽くしました」
-phile「〜を愛する人」「〜を好む人」
-phile は接尾語で語根の後ろにつきます。「〇〇を愛する人」と言う場合、〇〇が -phile の前につくということですね。
例として、bibliophile「愛書家」、cinepile「映画愛好家」、Francophile「フランス好き」、Javaphile「コーヒー愛好家」などがあります。ちなみに、「日本が好きな人」は Japanophile と言いますよ！
He’s a bibliophile, so his house is crammed full of books.
「彼は愛書家（＝本オタク）で、彼の家は所狭しと本が並んでいる」
-nut「〜愛好者・マニア」
「木の実・ナッツ」の意味のある nut は、スラングだと「〇〇愛好者」や「〇〇狂」「〇〇マニア」という意味になります。Freak の同義語でもあります。
My husband is a real golf nut. He plays nine holes every weekday morning and eighteen on the weekends.
「私の夫はゴルフ愛好者（＝ゴルフオタク）です。平日は毎朝9ホール、週末は18ホールプレーします」
foodie/foody「美食家・食通・グルメ」
Foodie とは、食の流行などに関心がある人を指します。日本では「グルメな人」ということが多いですね。
My friend is a foodie, so he knows all the good restaurants in town.
「友人は美食家（＝グルメオタク）なので、街のおいしいレストランを全部把握している」
bookworm「本の虫・読書家」
日本語でも読書の好きな人を「本の虫」と言うように、英語でも bookworm と言います。本を食う虫と本が好きでいつも本にかじりつている人を掛けてできた言葉ですね。
My son is a huge bookworm. He spends all his free time at the library.
「私の息子は大の本の虫だよ。暇なときはずっと図書館で過ごしている」
まとめ
今日は「オタク」の英語表現を紹介しましたが、いかがでしたか？
この記事を参考に、みなさんの周りにいるいろいろなオタクを英語で言ってみましょう！
なかには微妙にニュアンスの異なるもの、同意語として使えるもの、使い方によると相手を傷つけてしまうかもしれないものもあるので、それぞれの違いをしっかり覚えて使い分けるようにしてくださいね。
