実際に使ってみた!話題沸騰中の「ChatGPT」を英語学習に役立てる方法
普段からAmazonのアレクサやAppleのSiriを使っている人はたくさんいると思いますが、音声対話型のアレクサやSiriと異なり、テキスト対話型のChatGPTをご存知ですか?
最近この名前をあちこちで目にしていましたが、私も詳しくはよく知らず、もちろん使ったこともありませんでした。
今、世界中で注目を集めているこの対話式AIは、実は英文のライティングや英語学習にも役立つと話題になっています。
今回は実際にChatGPTを使いながら、どのように英文ライティングに役立つのか、その活用方法も紹介してみたいと思います!
ChatGPTとは
OpenAIは人工知能研究所の名前で、あのイーロン・マスクらによって2015年に設立されました。
すでにイーロン・マスクはこの会社の役員を辞任していますが、現在も資金提供は続けているようで、2019年にはマイクロソフト社からも巨額の投資を受けていると聞くと、何かすごいものを作ってそうですよね。
このOpenAIが2022年11月に公開したのが、ChatGPTというチャットボットです。
リリースから約4ヶ月で、全世界のユーザーが1億人を突破したという、驚異のスピードでユーザーを獲得しています。しかも無料で使うことができるので、試してみない手はないですよね。(2023年3月現在)
ChatGPTにできること
ではこのChatGPTは何がそんなにすごいのでしょうか? まずはChatGPTにできることを見ていきたいと思います。
人間らしい会話文を生成できる
ChatGPTはAIとは思えない人間らしい会話を生成することができると言われています。
実際に友人と話しているような内容を入力してみました。
このように、想定内の回答をしてくれました。そこで「歳のせいもあるかな?」と、もう一度質問をすると、朝早く目覚めることは言っていないのにも関わらず、前出の質問の睡眠のことを話していると汲み取り回答してくれました。
次におすすめのレストランを聞いてみました。
こちらも流暢な日本語で答えてくれますね。同じ内容を英語で聞くと下のように英語で答えてくれました。
日本語で質問した時は3つのレストランしか提案してくれなかったのに対し、英語で質問したときは5つのレストランを提案してくれました。ChatGPTは英語の方が得意なのでしょうか?
ChatGPTは、カナダのノバスコシア州のレストランをどういう基準で提案してくれたのか、Googleでレストランのレビューを検索してみると、なんと実在するレストランはSushi Nami RoyaleとWasabi Houseの2店のみでした!
Moshi Moshi Sushiとか名前からしてちょっと怪しげですが、架空のレストランをもっともらしく作り上げるChatGPTはある意味すごいですよね。
というわけで、上手に日本語で会話をしてくれますが、ChatGPTは偽情報を提供してくることもあるので、ダブルチェックが必要です!
Excelなどの表計算ソフトの関数を書いてくれる
私のようにExcelが苦手という人も多いのではないでしょうか。こんな悩みもChatGPTなら簡単に解決してくれるようです。早速、私も試してみました。
まず簡単な勤務時間表を作ってみました。
そして日曜日の出勤分の合計を出す関数を質問してみると、ChatGPTの回答は以下の通りでした。
ChatGPTが教えてくれた関数をセルに入れてみると、正しい日曜日の出勤合計が出ました。
Excelが苦手な人にとって、これは使えますね!
小説など文章を書くことができる
なんとChatGPTは小説を書くこともできるそうです。どんなストーリーを作ってくれるのか、早速見てみましょう。
主人公は25歳の日本人女性、タイムトラベルで紀元30年のエルサレムに行くという設定にしてみました。
紀元30年といえば、イエス・キリストが十字架に架けられた年として知られていますが、ここではあえて「イエス・キリスト」という名前を出さずに質問したところ、小説の中に期待通りイエス・キリストを登場させてくれました。
小説の質はと言うと、物語の盛り上がりには欠けますが、起承転結にはなっていますね。
なぜChatGPTは英語学習に役立つのか
ここまでChatGPTのできることを見てきましたが、ChatGPTは英語学習はもちろん、英文ライティングにも役立つと言われています。
ここではどのようにChatGPTを活用できるのかを紹介していきたいと思います。
英文法の解説をしてくれる
わからない英文法もChatGPTに聞くと解説してくれます。ここでは現在完了形について聞いてみましょう。
現在完了形の用法だとどうでしょう?
現在完了形と過去完了形の違いも聞いてみましょう。
日本語の文法書レベルの解説を求めている人には物足りないですが、簡単に例文と共に解説してくれます。ですがChatGPTに文法を質問するなら、その文法を少しは理解している方が良いかもしれないですね。
英単語だけでなくことわざの意味も教えてくれる
わからない単語もChatGPTに聞くと答えてくれます。また、その単語を使った例文も教えてくれるので、例文と一緒に覚えることができます。
もちろん単語の意味を英語で質問をすると英語で答えてくれるので、英語で学びたいという人にもおすすめです。
また単語だけでなく、ことわざなどにも対応してくれます。
ここでは日本語で質問したのにも関わらず、英語で回答されました。多分、「英語でなんて言うの?」という私の質問の仕方のせいでしょう。
ChatGPTを使っているなかで、日本語の聞き方によって質問の意図を理解してもらえないことが何度かありました。その場合は聞き方を変えて質問してみる、または英語で質問してみると良いでしょう。
英語の問題集のわからない回答も教えてくれる
問題集を解いていて、わからない問題があってもChatGPTが回答を教えてくれます。
このように正しい回答をしてくれました。でもこれだけだとなぜ living が入るのかがわからないですよね。そこでもう一度質問してみました。
なぜか、最初と異なる回答が出てきてしまいました。そこで質問の言い方を変えて再度質問をすると、次のように回答してくれました。
「現在進行形の動名詞形」?とまた意味不明な回答が出てきてしまいましたが、to get used to 〜ingという回答にありつけました。
ただ「なぜ動名詞の living になるか」と指定しなければいけなかったので、ある程度英語をわかっている人が、自分の回答が正しいかを確認したい場合は良いですが、英語初心者にはこの活用方法はあまりおすすめできません。
ChatGPTはなぜ英文ライティングに役立つのか?
ChatGPTが英語学習に役立つのはわかりましたが、なぜ英文ライティングにも役立つのでしょうか?
日本語を英語に、英語を日本語に翻訳してくれる
ChatGPTは辞書代わりとしてだけでなく、翻訳ツールとしても使うことができ、自分の書きたいことを英文にさっと翻訳してくれます。
先ほどの「出る杭は打たれる」の回答を日本語に翻訳してもらうと、次のように回答してくれました。
翻訳の精度は改善の余地がありそうですが、他の翻訳ツールに比べると優れているのが一目瞭然ですね。
今度は逆に日本語を英語に翻訳してもらいましょう。こちらも先ほどChatGPTが書いてくれた小説を英語に翻訳してもらうと、次のようになりました。
こちらも翻訳ツールより格段に優れた英訳を提案してくれました。
ライティングが苦手な方でも、まずは自分で日本語の文を作成し、それをChatGPTに英語に翻訳してもらうことができます。
英文をより自然な文に直してくれる
ChatGPTは英文をより自然な文に書き直すこともできます。「もっと自然な文章にしてほしい」とお願いすることで別の表現や単語を使って書き直してくれます。
上の小説の英訳をもっと自然な文にするよう指示すると、次のように提案してくれました。
最初の英文と比べてみると、文章がすっきりしましたね。単語や表現もところどころで変わっています。なぜか主人公の日本人女性の名前が付け加えられており、しかもAriaは日本人の名前ではないような気もしますが…
ChatGPTは、同じ手順を繰り返すことで異なる提案をしてくれるので、自分の気に入った表現や単語を選んで論文やエッセイなどを書き上げることができます。
ChatGPTは自然言語処理(NLP)という技術を使用しているので、もっと本格的に英文校正をしてもらいたい方は、次のような prompt(AIに出す指示)を使用すると、より文章の質をあげることもできます。
まず下記の prompt をチャットボックスに入れ、その後ろに“ ”で囲った自分の文章を入れます。
I want you to act as an English translator, spelling corrector and improver. I will speak to you in any language and you will detect the language, translate it and answer in the corrected and improved version of my text, in English. I want you to replace my simplified A0-level words and sentences with more beautiful and elegant, higher-level English words and sentences. Keep the meaning the same, but make them more literary. I want you to only reply to the correction, the improvements and nothing else, do not write explanations. My first sentences are “ここに校正してほしい文章を入れる”
②で英訳してもらった小説を“ ”に入れ、この prompt を使ってみました。
Prompt内で higher-level English と指示を出しているので、使っている単語の難易度も上がっているのがわかりますね。
ここでは「英語翻訳者として」というprompt を使いましたが、小説家、ラッパー、数学教師、ライフコーチなどなど、いろいろな prompt の例があるので、ぜひ自分のライティングの内容に合った prompt を試してみてください。
まとめ
今回は話題沸騰中のOpenAI ChatGPTの機能をはじめ、なぜ英語学習や、英文ライティングに役立つのかを紹介しました。
世界中で注目を集めているだけあり、このチャットボットの機能に驚いた方も多いことでしょう。
特に英語学習や英文ライティングにおいては、新しい活用方法として試す価値ありですね。英文ライティングが苦手な日本人は多いですが、ChatGPTを使うことでよりネイティブに近い英文に仕上がることは間違いないでしょう。
最後に、ChatGPTはユーザーからの質問やフィードバックなどから学習していますので、個人情報や大切な論文や研究内容などは入力しないように注意してくださいね。