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「Pay」「Spend」「Cost」の違いをわかりやすく解説

「Pay」「Spend」「Cost」の違いをわかりやすく解説

英語には、お金に関する単語や表現がたくさんあります。

なかでも、「支払う」という意味を持つ pay と spend、そしてサービスや商品がいくら「かかるか」という意味の cost の使い方に迷う方が多いでしょう。

実は、それぞれ文章の焦点によって使い方が決まっているんです!

どのようなときに、どのように使うのが適切なのか、詳しく見ていきましょう!

Pay の使い方

まずは pay から見ていきましょう。ご存知の通り、pay は「支払う」という意味です。詳しくいうと「仕事、商品、サービスなどの見返りとしてお金を渡す」という意味合いがあります。

Pay を使うときは、誰かが行っている行為に焦点が当てられます。

Please pay the cashier at the front of the store.
「店頭のレジでお支払いください」
You have to pay a late fee if you miss the deadline.
「期限を過ぎると延滞金を払わなければなりません」
I paid (the fee) for my friend because she forgot her purse.
「友人が財布を忘れたので、私が(料金を)払いました」
Can I pay with a credit card?
「クレジットカードで支払うことはできますか?」
Buy today and you won’t have to pay until next month.
「今日買えば、来月まで払わなくていいんですよ」

これらの例では、代わりに spend と cost を使用することはできません。

Spend の使い方

次に、spend という動詞には「払う」や「費やす」、そして「過ごす」という定義があります。ここでは、「払う」「費やす」の方の意味について見ていきます。

Spend を「払う」という意味で使用する場合は pay と用法が似ているのですが、前置詞を変える必要があります。

I pay about $10 a month for my Netflix subscription.
「私は、Netflixのサブスク料に毎月約10ドルを支払っています」
I spend about $10 a month on my Netflix subscription.
「私はNetflixのサブスク料に毎月約10ドルを費やしています」

ニュアンスの違いと、前置詞の違いにお気づきでしょうか? 単に「払っている」というニュアンスを持つ pay とは違って、spend には「(サービスや品物にいくら)費やしているか」というニュアンスが含まれます。

また、前置詞もここで一緒に覚えておきましょう! Pay を使うときは for を利用し、spend を使うときは on とあわせます。

上記の例では、pay と spend を同じように使用することができました。しかし、このように単語を入れ替えることができない例もたくさんあります。例えば、pay the cashier とは言えますが spend the cashier とは言えません。また、spend a late fee とも言えません。

では、spend の特徴は何なのでしょう? それは、支払いそのものに焦点を当てていることです。つまり、spend を使った文章は、お金のやり取りについて述べていることが基本です。

They spent about $2000 on their vacation.
「彼らは休暇に約2000ドルを費やした」
She spent everything in her wallet.
「彼女は財布の中身を全部使った」
How much did you spend?
「あなたはいくら使いましたか?」
I spent $50 on this jacket and $20 on this hat.
「このジャケットには50ドル、そしてこの帽子には20ドルを費やした」
The company will spend several million dollars on research this year.
「この会社は今年、研究に数百万ドルを費やす予定です」

Pay との主な違いは、単に「払う」のではなく spend には「費やす」「(お金を)使う」というニュアンスがあることです。

Cost の使い方

最後に、cost という動詞は日本語に訳すと「かかる」です。「何かを受け取ったり、おこなったりする前に支払いを要求する」ことを cost で表します。

つまり、cost の文の焦点は、その行為を行う人や支払われる金額ではなく、支払わなければならない品物やサービスにあるのです。

How much does this shirt cost?
「このシャツの値段はいくらですか?/費用はどれくらいかかりますか?」
The premium version costs more than the regular one.
「プレミアムバージョンは通常バージョンより(費用が)高いです」
I didn’t think it would cost that much!
「そんなに高いとは思わなかった!/そんなに費用がかかるとは思わなかった!」
The muffins didn’t cost a lot, so I bought two.
「マフィンはそんなに(値段が)高くなかったので、2つ買いました」
It costs too much to repair the TV, so just buy a new one.
「テレビの修理代は(費用が)高いから、新しいのを買えばいいよ」

これらの例文でも、pay と spend を代用できません。

では、少し復習しましょう。

  • She paid $20 for the book. →「人の行為」に焦点が当てられている
  • She spent $20 on the book. →「値段・金額」に焦点が当てられている
  • The book costs $20. →「支払いが必要なアイテム」に焦点が当てられている

名詞として使うには?

ここまでは動詞の形で主な使い方を説明しましたが、これらの単語はそれぞれ名詞としても用いることができます。

名詞の pay

名詞としての pay は、誰かが仕事の報酬として受け取るお金のことを指します。

My pay increased after I got promoted.
「昇進したら給料が上がった」
The pay for these two jobs is the same.
「この2つの仕事の給料は同じです」

名詞の spend

Spend の名詞形は、日常会話ではあまり見かけませんが、「特定の目的のために、特定の期間に使われた金額」という意味があります。主にビジネスシーンで使われることが多いですね。

The company decided to increase its advertising spend on social media.
「この会社は、ソーシャルメディアへの広告費を増やすことにしました」
The average spend for each customer is about $30 per visit.
「顧客一人当たりの平均支出額は約30ドルです」

名詞の cost

名詞としての cost は、「何かを買ったり、したりするために支払わなければならない金額」を意味します。日本語でも「コスト」と表すことがありますね。

Companies build factories in developing countries because of the lower cost for workers.
「企業が発展途上国に工場を建てるのは、労働者のコストが低いからです」
You can upgrade to a better seat for no extra cost. Today only!
「追加料金なしで、より良い座席にアップグレードすることができます。本日限定!」

そのほかの用法

実はこれらの言葉は、お金について話すときだけに使われるものではありません。ここで、他の使い方も少し見てみましょう。

Pay は特定の単語と一緒に使われると「与える」という意味になります。

Please pay attention.
「注意してください/集中して聞いてください」

注意や注目を「与える」というニュアンスがありますね。

You should pay respect to your seniors.
「目上の人には敬意を払うべきです」

日本語でもここは「敬意を払う」という表現が使われていますね。Pay と同じ用い方がされています。

He paid the woman a compliment on her dress.
「彼はその女性の服装を褒めた」

To pay a compliment で「褒め言葉を与える(褒める)」という意味になります。

続いて、spend はお金だけでなく、時間を指すこともできます。日本語でいう「過ごす」です。

We'll spend one week in Spain before going to Germany.
「ドイツに行く前にスペインで1週間過ごします」
She spent all summer learning how to ride a skateboard.
「彼女は夏の間、ずっとスケートボードの乗り方を習っていた」

そして最後に、cost は「犠牲」という意味で使うことができます。

All of those overtime hours are costing him his health.
「その残業時間のすべてが、彼の健康を犠牲にしている」
That mistake will cost us a lot of extra work.
「そのミスで余計な仕事が増えてしまう」

まとめ

お金について話すときに重要なこの3つの言葉は、似ていますが、同じではありません。

どれを使うか迷ったら、文の焦点が人なのか、金額なのか、それとも品物やサービスなのか、自分に問いかけてみてください。これは正しい選択をするのに便利な方法です!

迷ったらぜひこの記事を参考にしてくださいね。