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【5分解説】再帰代名詞とは?正しい用法を伝授

【5分解説】再帰代名詞とは?正しい用法を伝授

Myself や yourself など、-self で終わる英単語があります。これらは「再帰代名詞」と呼ばれるものです。Myself は「自分自身」、yourself なら「あなた自身」といった和訳になります。

日本語では、「自分自身」や「あなた自身」といった言葉はしょっちゅう使う表現ではありませんよね。でも、英語ではよく出てきますよ。

今回は、英語の「再帰代名詞」について見ていきましょう!

再帰代名詞とは?

自分の胸に手を置く女性

「再帰」とは、文字通り「再び帰ってくる」という意味です。どこに帰ってくるかといえば「自分自身、または行為を行うその人自身」になります。再帰的表現はラテン語系の言語をはじめ、ヨーロッパの言語では欠かせません。

この記事では、英語の「再帰代名詞」について見ていきます。

「英語において再帰代名詞とは何か?」をひとことでいうと、単語の末尾が -self(対象が複数形なら -selves)で終わっている単語のことです。

「セルフ」といえば、日本語でも「セルフサービス」という言葉がお馴染みですよね。何かを「自分自身でやる」というときに使われる表現です。セルフ(self)という英語には「〜自身」という意味があるのです。

-self の表現は、一人称、二人称、三人称とすべてに対して揃っていますよ。主語が I(私)なら単数形の myself、複数形の we(私たち)であれば、ourselves を使うといった具合です。

単数複数
一人称(I)myself(We)ourselves
二人称(You)yourself(You)yourselves
三人称(He / She / It)himself / herself / itself(They)themselves

再帰代名詞は、何らかの行為を他の誰か/何かのためではなく、自分自身/その人・そのモノ自身に向けて行うときに使います。そのため、必ず主語と同じペアで使うのがルールです。

他に、oneself という単語もあるのでは?と思った人もいるでしょう。人称を特定せず、再帰代名詞の総称表現として辞書でよく見かける単語です。つまり、もし辞書に behave oneself(行儀良くふるまう)とあったら、oneself の部分を状況に合わせた人称に替えて使ってくださいということです。

再帰代名詞の使い方

では、再帰代名詞の使い方を具体的に見て行きましょう。使う目的は主に2つあります。

意味を強調するのに使う

例えば、she is not a doctor(彼女は医師ではない)という文に比べ、herself という単語を入れて she herself is not a doctor(彼女自身は医師ではない)とすることで意味が強調されます。このような使い方は日本語でもありますよね。

もっと例を見てみましょう。以下の文章はどれも -self の部分がなくても成り立ちますが、意味を強調するためだけに -self が用いられています。

I myself didn't know that.
「私自身、それを知らなかった」
The book itself is boring.
「その本自体は退屈だ」
He himself had been troubled.
「彼自身こそ大変だった」
They themselves couldn't believe it at first.
「最初は彼ら自身が、それを信じられなかった」

「~自身に…をする」という意味を作る

「~自身に…をする」という文を作るには、「~自身に」の部分に再帰代名詞を入れます。どの -self を入れるかは、その文の主語に合わせます。例として、I cook for you(あなたのために料理をする)という文章を「自分自身のために料理をする」という再帰表現に変えてみましょう。

I ですから、myself を使います。

I cook for myself.
「私自身のために料理をする」

「あなたがあなた自身で」というときは、you と yourself のペアです。

You cook for yourself.
「あなたはあなた自身のために料理をする=あなたは自分で料理をする」

「彼らが彼ら自身で」ならば、they と themselves を使います。

They cook for themselves.
「彼らは彼ら自身のために料理をする=彼らは自分で料理をする」

どれも必ず主語と -self の人称が同じペアになっていることに注目してください。

I ask myself.
「自分自身に問いかける=自問する」
We bought this for ourselves.
「自分たちのために買った」
You can do it for yourself.
「あなた自身のためにやればいいんですよ」
She is talking to herself.
「彼女は彼女自身に話している=彼女は独り言を言っている」
History repeats itself.
「歴史は繰り返す」

再帰代名詞を使った定番表現

帰り際に手を振る女性

再帰代名詞を使った表現は、英語圏の日常生活でもたくさん出てきます。

Take care of yourself.
「気を付けてね」

※自分自身の面倒を見てね=気を付けてね

Help yourself.
「ご自由にどうぞ」

※あなた自身をヘルプしてあげて=自分が好きなようにしてあげて=ご自由にどうぞ

Do it yourself.
「自分でやりなさい」

ホームセンターに行くと DIY という表記をよく目にしますね。Do It Yourself の頭文字で、「自分でやる=日曜大工」という意味です。

Make yourself at home.
「ゆっくりしてね」

誰かの家に行ったら、このように言われるかもしれません。「あなた自身を自宅にいるようにしてあげてね=ゆっくりしてね、くつろいでね」ということです。

Let me introduce myself.
「自己紹介させて下さい」
It pays for itself.
「元が取れる」

※それ自身がその支払いをする=元が取れる

Can you keep it to yourself?
「内緒にしておいてくれる?」

※あなた自身の中にしまっておいてもらえる?=内緒にしておいてくれる?

まとめ

行為の働きかけが動作主自身に向かう「再帰」という表現の面白みを感じていただけたでしょうか? 

日本語だとあまり意識することがないかもしれませんが、自分自身に向かって行う行為というのは結構あるものです。「顔を洗う」や「髪をとかす」だって、考えてみれば自分自身の顔や髪への行為ですよね。ヨーロッパの言語ではこういうときに「再帰動詞」というのを使います。

このように、異なる発想に触れたり、様々な発見ができたりする点が外国語を学ぶ面白さですよね!