質問なのに答えは不要?英語の rhetorical questions(修辞疑問)とは
「私が知らないと思う?」や「それを断る人などいるだろうか?」のようなセリフがありますね。
最初の質問は、相手が当然知っていることを想定して投げかける疑問、二つ目はもちろんそれを断ることなどいないことを想定しての疑問文です。
こんな捻(ひね)った言い方をせずとも「私はもちろん知っているよ」「それを断る人などいないでしょう」と言えばよいところです。でも、わざわざ疑問形にすることで言いたいことが強調される効果が出ていますね。
このような言葉の表現テクニックを反語あるいは修辞疑問と言います。英語では rhetorical question です。
今回は英語の修辞疑問という表現について見ていきます!
修辞疑問とは?
「修辞(しゅうじ)」とは使い慣れない日本語ですが、辞書では「巧みな言いまわしを用いたり修飾を加えたりして美しく効果的に表現すること。また、その技術」と説明されています。
そして修辞疑問とは、「質問の形を使った表現技術の一つ」です。例えば…
あえて意図と反対の言い方をするこういった表現、あらためて考えてみると日常会話にも結構出てきますね。
質問の形を取ることで相手に考えさせ、話題に巻き込むことになります。その結果として相手に強い印象で伝わる効果が生まれます。
質問なのに質問していない?!
本来、質問は相手の答えが聞きたくてするものですよね。しかし、修辞疑問文は答えがすでにわかった上での問ですから相手からの返答は期待されていません。答えを求めない、言いっ放しの質問なのです。
また、本当に答えを知りたくて聞いている質問なのか、修辞疑問文なのかは状況と文脈、口調などから判断されます。
実際、このように修辞疑問文を使った比喩や皮肉はよくありますね。
しかしまた、次のような使い方もできます。単純に Yes/No で答えるより遊びがありますよね。
質問に質問で返す答え方
ところで、「質問に質問で返す」という態度がありますね。例えば、Where are my car keys?(私の車のカギはどこだ?)という質問に対し、How should I know?(どうして私が知らなきゃならないの?=そんなこと知るわけない)のようなやり取りです。
修辞疑問文で答えることによって伝えたい意図が強調されているのがわかりますね。
会話フレーズにも
会話フレーズとして定着している修辞疑問文もたくさんあります。最初に伝えた通り、修辞疑問文は意図を強調する効果があるため、これらのセリフは強い響きを持って聞こえます。
まとめ
「修辞疑問」なんて難しい用語ですが、中身を見てみれば日常おなじみの表現でしたね。
見た目は普通の疑問文なのに、使う場面によって皮肉や非難になったり、あるいは遊びのある返答になったりするというトリッキーな表現テクニックでした。
相手を怒らせる会話にもなり、しゃれた会話にもなる rhetorical questions が使えるようになったら、表現に幅が生まれます。まずはぜひ、感覚を掴むところから始めましょう!