さな
(更新)
カルテ、アレルギー、レントゲンなど、日本の医療や科学の分野で使われる言葉の数々がドイツ語から来ているということをご存知ですか?
しかし現在では、医療や科学的な文書で世界的に使われている言語は英語となっています。
実はこうして主要言語が英語になるまでの道のりは長く、歴史も深いのです。
今回は、科学で英語が使われるようになった理由と、科学にまつわる英語表現をいくつかご紹介したいと思います。
英語で科学的文章を書くときのコツも記載するので、使う機会があればぜひ参考にしてみてください。
科学論文の98%は英語で書かれていると言われるほど、現代の科学分野では英語がもっとも使用されています。しかし、昔からそうだったわけではありません。
実は、中世のイスラム諸国では、主にアラビア語が科学者の間で使われていたのです。また、同時にヨーロッパではラテン語が使用されていました。
17世紀以前の科学出版物はほとんどがラテン語で書かれていました。しかし次第に多くの科学者が、自分たちの考えを大衆に理解してもらうためにそれぞれの現地の言葉で出版するようになり、ラテン語は科学的共通語としての地位を失っていったのです。
そして19世紀半ばには、フランス語、英語、ドイツ語が科学の分野でもっとも使用率が高い言語になりました。
ところが、第一次世界大戦によりドイツの科学者がボイコットされ、西ヨーロッパの雑誌で科学的な発表ができなくなります。
2つの世界大戦や冷戦など、21世紀を通じて起こった紛争は、世界中の科学者のコミュニケーションのあり方を変え、1990年代半ばには、英語が科学の主要言語になっていたのです。
そして、主要言語が英語に定められたことにより、世界各国との情報の交換がよりスムーズに行われるようになりました。
英語で科学的なレポートや研究・実験結果を書くときは、気をつけるべきルールや表現の仕方があります。ではどのようなものがあるのか、早速見ていきましょう。
I, you, he, she, we, they などの言葉を代名詞 (pronoun) と呼びます。 基本的には代名詞を使わずに文章を書きましょう。
たとえば「ガラスのビーカーが必要です」と表現したい場合、You will need a glass beaker ではなく A glass beaker will be needed と書いた方がベターです。
アポストロフィーを使った省略形はなるべく使わない方が良いそうです。
たとえば、can’t ではなく cannot と書き、aren’t ではなく are not と表現するとより文章のレベルが高くなります。
科学的文章はシンプルで明確に、伝わりやすく書くことが理想的です。
詳しい数字がわかるなら数字を入れ、some や almost のような曖昧な表現や、very や extremely などの誇張表現も避けると良いでしょう。
affect は「影響を及ぼす」という意味の動詞で、effect は「効果・影響」を表す名詞。
実は、英語が母国語の人でもこちらを間違って使ってしまうことが多いのです。一文字違いなのでみなさんも気を付けてくださいね!
「水は熱の影響を受けています」
「熱が水に与える影響は明らかです」
文章を書くとき、接続詞や接続語は重要ですよね。英語の科学的文章で使える接続語をまとめてみたので、ぜひ使う機会があれば参考にしてみてください!
追加で情報を加えるとき
反対の考えを紹介するとき
結果を説明するとき
結論を述べるとき
日本人であっても、日本語の科学用語の意味を知らないことが多いですよね。英語圏の人も、英語の専門的な言葉を理解するのに苦労することがあります。
そこで今回は専門性が低く、一般的に知られている科学の英語表現をまとめてみました。
英語が世界の共通語となっている現代。
英語はさまざまな分野での主要言語でもあり、若い頃からしっかり学ぶ必要性が高まってきているのではないかと感じます。
今回説明した通り、科学の世界では英語を共通語にしたことによって、科学者が自分たちの考えをいろんな国の人とシェアし、コミュニケーションが取れるようになりました。
そう考えると、やっぱり英語を学ぶことによって世界は広がりますよね。
世界中の人と話せるようになり、さまざまな考え方や文化に触れることができ、人生も楽しくなるのではないかと思います。
みなさんも一緒に英語の勉強を頑張っていきましょう!