古い習慣が次々と消えていくなかにあっても、お正月に初詣をするという習慣は今でも世代を問わず広く根付いています。
神社は日本の土地を少し歩けば田舎でも都会の真ん中でも、あちこちにありますね。
日本に住む私たちにとっては、あまりに身近で見慣れてしまっていますが、海外から来た人にとって神社は未知の風景と世界観が広がる場所です。
そこで今回は「神社」にまつわる色々を英語で説明する表現例をご紹介していきます!
英語で説明する「神社」と「神道」
「神社」を英語で表すには shrine という言葉を使います。ちなみに、「寺」は temple です。
ただし、shrine=日本の神社、temple=仏教寺院を指すわけではありません。正しく伝えるには Shinto shrine(神道の shrine)や Buddhist temple(仏教の temple)と言う必要があります。
では、「神社」をどのように説明したらよいでしょうか。
Shinto shrines are the houses of Shinto deities and places of worship.「神社は神道の宗教施設です」
多神教である神道における「神様」を英語で言い表すには必ずしも god ではなく、上の例文のように deity(多神教における神)や spirits(精霊)が使われることも多いです。
次は「神道」を説明する表現例です。
Shinto is a religion unique to Japan.「神道は日本固有の宗教です」
神道では自然や先祖を「神様」として信仰します。
Shintoists worship every element of nature.「神道では、あらゆる自然を崇拝します」
その一方で、神道は天皇とも深い関わりがありますね。
The Japanese emperor is considered to be the descendent of Amaterasu -- the Supreme goddess of Shinto.「天皇は神道の最重要神・天照大神の子孫とされています」
皇室の行事も神道に則ったものです。
Imperial events are based on Shinto customs.「皇室の行事は神道の風習に基づくものです」
初詣はお正月の一大行事として、毎年たくさんの人出で賑わいます。
In Japan, going to a shrine or temple at the beginning of the new year is a special event.「日本では、新年の最初に神社やお寺に行くことは特別なイベントです」
お参りのマナーを英語で説明
神社を訪れるには、それなりのマナーがあります。お参りの際に知っておきたい事柄を英語で表現してみましょう。
まず、神社は誰でもお参りできる場所であるということから伝えてみます。
Shrines are open to everyone regardless of their faith.「神社は信仰にかかわらず、誰もが訪れることができます」
宗教施設によっては、肌の露出が多いなど、服装が不適切だと足を踏み入れることができないという所も少なくありません。神社を訪れるのが初めての人にとって服装規定は気になるところでしょう。
There is no official dress code, but wearing revealing clothing is not recommended.「服装の規定はありませんが、露出の多い服装は控えた方が良いでしょう」
神社に近付くとまず目に入る鳥居は、神聖な世界への入口(ゲート)です。
The large, red gate at the entrance of shrines is what separates the spiritual world from the regular world.「神社の入口に立つ鳥居は神聖と世俗を分けるものです」
そのため、鳥居をくぐるときは軽く一礼をするのがマナーになっています。
Bow before passing through the torii gate, as you are entering the space of the gods.「神様の領域に入るにあたり、鳥居をくぐるときは会釈をします」
境内の道を歩くのにも配慮がありますね。
Avoid walking in the center of the path because it is reserved for the gods.「道の中央は神様の通り道なので、歩かないようにしましょう」
参拝の前に、拝殿の手前にある手水舎(てみずや、ちょうずや)でお清め(おきよめ)をします。
The fountain near the worship hall is where you purify yourself.「拝殿付近にある水場はお清めの場所です」
Take the ladle and wash each hand, one after the other.「ひしゃくを取って、手を交互に洗います」
You may also rinse your mouth.「口をすすぐのもよいです」
また、拝殿は hall (of worship)、鈴は bell、賽銭箱は offering box と表現します。
Shake the rope to ring the hanging bell at the entrance of the hall.「拝殿入口の鈴を揺らして鳴らします」
You should gently put a coin into the offering box.「お賽銭箱にはそっとコインを入れるといいです」
お賽銭はいくらくらい出したものか、最初は見当がつかないことでしょう。しかし以下のように説明してあげれば問題ありません。
The most commonly used coin is the five-yen coin because its Japanese pronunciation is similar to "go-en," which means "relationship" or "luck."「日本語の発音が『ご縁』に通じるため、よく使われるのは五円玉です」
いよいよお参りですが、決まった手順がありますね。
Clap your hands twice.「手を2回打ちます」
Put your palms together and pray.「両方の手のひらを合わせて祈ります」
Bow once more.「もう一度、一礼します」
境内では、お守り、お札、おみくじなど、幸運や悪除けにいろいろなものを手に入れることもできます。
There are lucky charms, amulets, and fortune-telling papers you can buy.「お守り、お札、おみくじなどを買うことができます」
神棚…家庭にも小さな神社
日本の一般家庭や事業所には神棚が置かれているところもありますよね。神棚は神道の神様を祀った「小さな神社」ともいえる場所です。
Some households and workplaces have a small altar inside their houses or buildings as a "miniature shrine."「家庭や職場によっては『小さな神社』として屋内に神棚を祀っているところもあります」
まとめ
有名なイスラム教徒のメッカ巡礼は例年約200万人の巡礼者が世界中から集まるとされていますが、日本では、初詣の参拝者数1、2位を争う明治神宮と成田山新勝寺だけでそれぞれ300万人前後と発表されています。
それを考えるだけでも、初詣がいかに日本の暦において大事な行事となっているかがうかがえますね。
本記事では、神社という場所と参拝のマナーをシンプルな英語で表現するヒントをご紹介しました。改めて神社について知ってみると、何か新しい発見があるのではないでしょうか?