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分離不定詞(Split Infinitive)って何?用法や使うメリットを徹底解説!

分離不定詞(Split Infinitive)って何?用法や使うメリットを徹底解説!

分離不定詞という文法用語を聞いたことがありますか? なんだか難しそうな響きですよね。英語では split infinitive と呼ばれるものです。

本来、不定詞は前置詞 to の後ろにすぐ動詞の原形がくるべきですが、分離不定詞は間に不定詞を修飾する副詞が挿入される形を指します。

分離不定詞は文法的には「正しくない」とされているものの、分離不定詞を用いることであいまいさを無くしニュアンスを強調できるというメリットもあるため、実際にはしばしば使われています。

今回は、分離不定詞とは何か? 使う場面は? 使い方は? このような疑問にお答えしていきます!

分離不定詞の基本

不定詞について

まずは不定詞について説明します。「to+動詞の原形」の組み合わせを「不定詞」と呼びます。「~すること、~するための、~するために」などの意味を作るとして英語学習の最初の方で習います。

I want to sleep.
「私は眠りたい」
I asked her to drive.
「彼女に運転を頼んだ」
I tried to explain the issue.
「その件について説明しようとした」

副詞を不定詞とともに使う場合は不定詞の後ろに置くのが基本です。

I want to sleep peacefully.
「私は落ち着いて眠りたい」
I asked her to drive carefully.
「彼女に気を付けて運転してくれるよう頼んだ」
I tried to explain the issue precisely.
「その件について正確に説明しようとした」

分離不定詞とは?

副詞を不定詞とともに使う際、副詞を不定詞の後ろに置く代わりに to と 動詞の原形の間に挿入する場合があります。このような形式を分離不定詞とよびます。

I want to peacefully sleep.
「私は落ち着いて眠りたい」 
I asked her to carefully drive.
「彼女に気を付けて運転してくれるよう頼んだ」 
I tried to precisely explain the issue. 
「その件について正確に説明しようとした」

分離不定詞は文法的に正しくない?

正しい文法に従うなら、不定詞 to と動詞の原形は隣り合っていなければなりません。両者の間に副詞(句)を入れるというのは不自然、あるいは文法を間違っているという考えはかねてから存在します。

とはいえ、分離不定詞の使用は文法がくだけた会話だけでなく記述された文章でもしばしば見受けられるため、間違いと認識されるべきではないという声もまたあります。

現状ではさまざまな意見やガイドラインが混在しているため、大事な文章ではできるだけ使わないのが無難というのが現実的なところでしょう。

それでも、あえて分離不定詞を使うメリットとは何でしょうか? 次の章で紹介していきます。

分離不定詞を使うメリット

あいまいさ回避のため

分離不定詞を使うことで文章にあいまいさがなくなり、意味が明確になるケースがあります。例えば、下記のように副詞の場所によって意味が全く変わってくる例があります。

We agreed totally to review the work.
「我々は、作業を見直すことに完全に同意した」
We agreed to totally review the work.
「我々は、作業を完全に見直すことに同意した」

最初の文章は、作業を見直すことに「完全に同意する」と言っていますが、2番目の文章では「完全に見直す」ことに同意するという意味になっています。

次の例も同様です。分離不定詞を使わないと意図が正しく伝わらない場合があります。

I really want you to like her.
「彼女を好きになってほしいと本当に思う」
I want you to really like her.
「彼女のことを本当に好きになってほしいと思う」

言葉を強調するため

分離不定詞を使うことで副詞が強調される効果もあります。

例えば、下記の1つ目の文章では 副詞 properly「適切に」が文法通りの場所に置かれています。それに対し、分離不定詞を使った2番目の文章では properly の響きが強調されて聞こえます。

How to write a formal letter properly.
How to properly write a formal letter.
「フォーマルな手紙を正しく書く方法」

下記の例も同じです。

The leaders want us to industrially develop the area.
「指導者たちは、この地域を工業的に開発することを望んでいる」
We need to now consider the meaning of life.
「今こそ人生の意味を考える必要があります」

ほかにも例えば、原因や理由を表すのによく使わる due to ~というフレーズで mainly「主に」という副詞を使いたい場合、多くは mainly due to ~「主に~を理由として」の順番ですが、時には間に副詞が入り、due mainly to と強調されるケースもあります。

文法上、分離不定詞は間違いとされる見方があると先に述べました。しかし、分離不定詞ならではのメリットもこのように存在します。

文章の意図が明確になる、言葉を強調できる、あるいは音のリズムが良くなるなどのメリットがある場合はあえて取り入れてみる意味があります!

使う際には使う場面やメリットを考えて使った方がいいかもしれませんね。

分離不定詞は使うべき場面を考えて使おう!

分離不定詞についてご案内してきました。実例に触れたこと、あるいは自分で使ったことはありましたか?

意図が明確になるので今までも自然に使っていたという人もいるかもしれませんね。

今回は不定詞の間に副詞が入るケースを取り上げましたが、副詞は伝えたい意図によっていろいろな場所に対応することがあります。 

いろいろな表現を場面によって使い分けてみましょう!