「匂い」や「臭い」など香りに関する英語表現・イディオム

ラベンダーの香りを嗅ぐ女性

「におい」一言でとっても、良い「匂い」や悪い「臭い(ニオイ)」などがありますよね。そのほかにも、「香り」というと良い匂いを思い浮かべますし、「臭み」なら嫌なニオイをイメージするでしょう。

実は日本語と同じように、英語にも「におい」を表現する言葉は多く存在するのです。

そこで今回は、「におい」に関する英語表現やイディオムをご紹介します。

「におい」の代表格:smell

洗濯物の香りを嗅ぐ女性

日本語で「におい」とひらがなで表記すると、良いとも悪いともわからない、におい全般を指す言葉になりますよね。それと同等に使われる英語表現が smell です。

Smell は「〜のにおいを嗅ぐ」の意味の他動詞、「〜のにおいがする」という自動詞、そして「におい」や「嗅覚」の意味の名詞の役割があります。

【他動詞「〜のにおいを嗅ぐ」の場合】

I smell a hint of chocolate in this red wine. Try it and let me know what you think. 
「この赤ワイン、少しチョコレートの香りがすると思うんだ。試してどう思うか教えてよ」
※Hint of は「かすかな〜」「少しの〜」の意味で使われる表現です。

【自動詞「〜のにおいがする」の場合】

I smell coffee. Are you making some?
「コーヒーのにおいがする。いま作ってるの?」

【名詞「におい」の場合】

The smell of this candle is intoxicating! Where did you get it? 
「このキャンドルのにおい、すばらしい(うっとりする香り)ね! どこで買ったの?」

においを表現する形容詞

Smell の例文で少し登場しましたが、さまざまな形容詞を使うことで、においについて表現することが可能です。そこでここでは「良いにおい」、「悪いにおい」、そして「その他」の形容詞をそれぞれご紹介します。

※Smell の名詞形は可算名詞なので、注意しましょう。

良いにおいに関する形容詞

aromatic:良い香りの、芳香の

These herbs are so aromatic. I'll take two bunches.
「このハーブ、すごく良い香り。2束買います」

fragrant:良い香りの、香り高い

fresh:フレッシュな、新鮮な

sweet:甘い

tangy:ピリッとした、ツンとする

Mmm, this salad dressing smells tangy. Did you put lemon in it?
「このサラダドレッシング、ちょっとツンとしたにおいがするね。レモンを入れたの?」

悪いにおいに関する形容詞

stinky:悪臭のする、臭い

musty:カビ臭い

I haven't opened the cupboard for a while and now it smells musty. I should let some air in.
「しばらく食器棚を開けていなかったら、カビ臭くなった。空気の入れ替えをしなきゃ」

nasty:不快な

pungent:刺激的な

foul:鼻につく

※ここで、1点注意です。Smell は形容詞にすると smelly という単語になります。Smell だけだと香り全般を指しますが、smelly の場合は「悪いにおい」という意味なので、覚えておきましょう。

その他の形容詞

faint:かすかな

whiff:かすかな、ほのかな

I just caught a whiff of curry. Someone must be preparing it for dinner.
「カレーのにおいがかすかにした。誰か夕飯にカレーを用意しているんだろうね」

delicate:繊細な

intoxicating:うっとりするような、中毒性のある

heady:うっとりするような

Your perfume is so heady and intense.
「あなたの香水、うっとりするくらい濃厚だね」

heavy:強い、きつい

powerful:強い、きつい

odorous:悪臭のする

Food waste becomes especially odorous in the summer.
「生ゴミは特に夏には悪臭がする」

良いにおいに使える英語表現

キャンドル

においに関しては smell が汎用的に使えることをお伝えしてきましたが、そのほかにもにおいを表す英語表現は存在します。

ここではまず、良いにおいに関する英語表現を見てみましょう。

scent

Scent は主に良い香りを表現するときに使う単語です。また、人や動物が残す「残り香」や香水などを表すこともあります。

名詞:良い香り・嗅覚・香水(主にイギリス英語)

動詞:においを嗅ぐ・感づく

もともと、「狩猟のときににおいを使って見つける」を意味する古典フランス語の sentir や、ラテン語で「五感を使って感じとる」を意味する sentire などの言葉に由来するそう。「残り香」のほうが最初は意味が強かったことがわかりますね。ではそれぞれの意味で例文を見てみましょう。

良い香り・におい

The bouquet has such a nice scent! It smells like spring! 
「このブーケ、素晴らしいにおいがするね! 春のにおいがする!」

「におい」は香りだけでなく、その雰囲気を表すこともあります。

There is a scent of victory in the stadium! Go Samurai Blue!
「勝利のにおいがスタジオに立ち込めています! がんばれ、サムライブルー!」

残り香

I can still smell my boyfriend's scent in the room. I can’t wait for him to come back from his business trip! 
「部屋に彼氏のにおいが残ってるの。出張から帰ってくるのが待ちきれないわ!」

香水

イギリス英語の場合、scent で香水を意味することがあります。

When you put on some scent, you should put some on the back of your ears. It's an oily area that helps diffuse and maintain the scent.
「香水をつけるときは、耳の後ろにつけるといいよ。オイリーな部分だからこそ、香りを拡散し、維持することができるの」

においを嗅ぐ

My dog scented his treat and ran right up to me.
「愛犬はおやつの匂いを嗅ぎ、私のすぐそばまで駆け寄ってきた」

aroma

Aroma は日本語でもカタカナで「アロマ」と表記して使うので、聞き慣れている単語でしょう。Aroma も scent と同様、「芳香」の意味で良い香りに使われます。食べ物や飲み物に関して使われる場合が多い表現です。

This wine has an interesting aroma. It has the distinctive scent of cherry, but I also smell cinnamon. 
「このワインの香りは面白い。チェリーの香りが特徴的ですが、シナモンもあるような気がします」

さて、「アロマ」というと、「アロマオイル」や「アロマディフューザー」などを思い浮かべる方も多いでしょう。「アロマオイル」は英語では実は essential oil といいます。日本語でも「エッセンシャルオイル」と呼ぶことがありますよね。

Essential oil(エッセンシャルオイル) は「精油」のこと。植物から抽出し、100%天然成分でできているオイルのことを指します。「アロマオイル」は人工的に作った香料などを混ぜたもので、香りがついたオイルの通称として日本で使われている言葉だそう。

そのため、「アロマディフューザー」も和製英語。実際には essential oil diffuser と呼びます。ただ、「アロマセラピー」については essential oil therapy とも aromatherapy とも表現することが可能です。

fragrance

Fragrance は、香水に関連して耳にしたことがある人が多いでしょう。実際は、「芳香」や「香り」、「香料」などの意味で使われます。Fragrance は「良い香りの〜」の意味で fragrant という形容詞にもなります。

日本では香水のことを「フレグランス」と呼ぶことがありますが、英語では perfume なので、間違えないように注意しましょう。

The fragrance of this perfume suits you! You should get this one. 
「この香水の香り、あなたにピッタリ! これにするべきだよ」

perfume

さきほど、「香水」は perfume だとお伝えしました。しかし perfume は香水以外にも、「香り」の意味で使うこともあります。

Fragrance と perfume は香りの度合いによって使い分けることがあり、前者はほのかな、かぐわしい香り、後者は比較的強い香りに使うことが多いので、覚えておくといいでしょう。

The perfume of these flowers is so calming. I want a candle that smells like this. 
「この花の香り、とても落ち着く。こんなにおいのキャンドルがほしいな」

悪いにおいに使える英語表現

いやなにおいは、できれば嗅ぎたくないですよね。しかしそれにも、さまざまなタイプや表現方法があるのもまた事実。英語でもいくつか悪いにおいに関する表現方法があります。

odor

Odor は「臭気」など不快なにおいのこと。

ちなみに、「体臭」のことは body odor と表現し、頭文字をとって B.O.(ビーオー)と呼ぶことが多いです。体臭について言及するときは、あまり「いいにおい」とは関連させないですよね。

そして「口臭」は bad breath と表現するので、あわせて覚えておくといいでしょう。

You’ve been traveling for the past three days and you've got strong body odor. You should go take shower. 
「3日間旅をしているせいか、君の体臭はとても強いよ。シャワーを浴びるべきだね」

stink

「いやなにおい」や「強烈なにおい」を指すのが、stink です。思わず鼻をつまみたくなるようなにおいとイメージするといいでしょう。Stink は名詞で「いやなにおい」、自動詞で「悪臭がする」、他動詞で「〜を悪臭で満たす」などの使い方があります。また、形容詞は -y をつけて、stinky となりますよ。

Oh, your feet stink! 
「あぁ! あなたの足、くさい!」

また、stink は、「いやなにおい」にかけて「うさんくさい」や「お粗末だ」などの意味で使われることもあります。日本語でも英語でも、「におい」に関連した表現になっているのは面白いですね!

This (football) game stinks. The players seem tired and are not playing well at all. 
「この試合、お粗末だな。選手たちは疲れているようだし、いいプレーができていない」

stench

Stench は、悪臭のこと。強烈で耐え難いようなにおいを指すときに使います。

The stench of that rotten fish is unbearable. Could you please take out the garbage? 
「腐った魚のにおい、耐え難いよ。ゴミを出してきてくれる?」

reek

こちらの単語も、「強い、いやなにおい」を意味します。もともと「煙が出る」という意味のゲルマン語と、「におい」や「煙」を意味するオランダ語に由来しているので、グングンとにおいを増す感じをイメージするといいかもしれません。

How much did you drink!? Your breath reeks of alcohol! 
「どれだけお酒飲んできたの!? 口がアルコール臭いよ」

例えて伝えるにおい

シトラス

citrusy:柑橘系の

floral:花の

I prefer citrusy scents to floral ones, so I think I will take this fragrance. 
「花の香りより柑橘系の香りが好きなので、この香水にします」

earthy:土っぽい

fishy:魚のような

fruity:フルーツのような

garlicky:ガーリック(ニンニク)のような

The rice smells very garlicky. I should brush my teeth before going back to the office. 
「このライス、すごくガーリックのにおいがする。オフィスに戻る前に、歯を磨いた方がよさそうだな」

minty:ミントの

musky:ムスクな

smoky:スモーキーな

This whisky smells smoky, with a hint of seaweed. It must taste good!
「このウイスキー、スモーキーななかに、かすかに海藻の香りがする。おいしそう!」

woody:ウッディな、木のような

においに関するイディオム

日本語でもにおいに関する慣用句がいくつかありますが、それは英語でも同じ。五感に関わることなので、さまざまな言語で慣用句になりやすいのかもしれないですね!

ここでは、においに関するイディオムをご紹介します。

on the scent 

上記で見てきた単語 scent には、イディオムもあります。そのうちの1つが、on the scent。「手がかりを見つけるところ/嗅ぎつける」という意味です。

We were on the scent of a solution to the puzzle, but we ran out of time!
「ゲームの手がかりを見つけられるところだったのに、時間切れになっちゃった!」
Police are on the scent of the suspects.
「警察は事件解決の手がかりをかぎつけたようだ」

put / throw 人 off the scent

Put または throw 人 off the scent で、「人を欺く」「興味を逸らす」や、「人の目をくらます」などの意味を持ちます。

The main character in the movie threw his enemies off the scent by leaving misleading "clues" for them to find. 
「映画の主人公は、誤解を招くような『手がかり』を残すことで、敵を翻弄したのです」

smell fishy

Smell fishy は直訳すると「魚のようなにおいがする」ですが、実際は「あやしい」という意味で使われます。

会話のなかでよく使われるので、映画や海外ドラマなどでも耳にしたことがある人が多いかもしれないですね。

Stay alert — something smells fishy…
「油断するな、何か怪しいぞ...」
The boy in the story smelled something fishy when he encountered a woman who looked like a witch. 
「物語の男の子は、魔女のような女性に出会って、なにかあやしいものを感じた」

smell trouble

先述のイディオムと似た表現ですが、「trouble (問題)のにおいがする」で、「問題が起きそうだ」という意味で使われます。

The fans of the two rival teams are all drunk and heading to the same bar. I smell trouble…
「ライバルチームのファンたちが、酔っ払って同じバーに向かっている。トラブルの匂いがする...」

stop and smell the roses

バラ

忙しくしていると、花の香りを嗅ぐような心の余裕がなくなってしまう人も多いのではないでしょうか?

「止まってバラの香りを嗅ぐ」という直訳のこちらのイディオムは、「一回立ち止まって、身近な幸せや美に目を向けよう」といった意味で使われます。

Cara
You’ve been working too much lately and seem really stressed out. I think you need to stop and smell the roses. 
「最近働きすぎで短気になっているね。一度立ち止まって、身近な幸せに目を向けたら?」
John
You're right. I'm going to take some time off and relax. 
「君の言う通りだね。今週は休みをとって、ゆっくりするよ」

smell a rat

直訳すると「ねずみを嗅ぐ」という、なんともイメージのしづらいシチュエーションですが、このイディオムは、「誰かが悪いことをしていると疑う」ことを意味します。

There are several mysterious purchases on my credit card statement. I smell a rat. 
「クレジットカードに見覚えのないものが請求されている。なにか怪しいな」

stink to high heaven

遠くまで届くようにという意味で、「天まで届け」と日本語で表現することがありますよね。

Stink to high heaven は「高い天まで届きそうなほど悪いにおいがする」、つまりは「ひどく悪いにおいがする」という意味で使います。

Ugh, that skunk spray stinks to high heaven! 
「スカンクが放ったガス、これはひどく悪いにおいだ!」

「におい」だからこそ伝わることもある

いかがでしたか?

「におい」は五感の1つ。そのためか、意外とあらゆる場面で使われることがわかりましたね。

言葉でなにかを説明するときも、「におい」を加えるだけで、一気に情景が思い浮かびやすくなることもあるでしょう。

ぜひ今回ご紹介したものを参考に、表現豊かなコミュニケーションに役立ててくださいね!