ランサム はな
(更新)
読者の中には、TOEICや英検を受験したことがある、あるいはこれから受験しようと考えている方も多いのではないでしょうか?
特に英検は歴史もあり、誰もが知っている試験。子供の頃から5級→4級→3級→2級…と順番に受けてきて、準1級や1級でつまずく方も多いと思います。
また「一次試験は筆記試験なので準備できるけれど、二次試験は面接なので苦手…」と感じている方もいるかもしれませんね。
そこで今回は、元英検面接官である筆者が、準1級・1級の二次面接合格のポイントについてお話したいと思います。
準1級の二次面接は、簡単な挨拶の後、4コマのイラストに基づいて2分間のナレーションをし、面接官の質問(4問)に答えるというもの。
内容は「起→承→転→結」の流れに沿ったもので、「結」の部分は主人公にとって想定外の展開になっているものが多いです。
ナレーションを考えるときは、起承転結のストーリー展開を意識しながら、1つ1つの文章を簡潔・手短に述べていくとまとまりやすいと思います。1コマあたりの文章は2~3分文で十分です。
ナレーションは、すべて第三者(受験者)が既に起きたことを説明する形になるため、過去形を使うことを忘れないようにしましょう。
セリフがある場合は、「XX said」と前置きしてからイラストのセリフをそのまま引用します。
余裕のある方は「XX asked」など、いくつかバリエーションを頭に入れておいても良いと思います。
質疑応答は、4問中2問で自分の意見を求められ、2問で内容についての質問に答えます。コミュニケーションが取れ、質問に答えられているかがポイントなので、一次試験のために暗記した難解な単語や表現を使うことは求められていません。
中学生レベルの英語で十分なので、落ち着いてゆっくり話せば大丈夫。
なお、態度も評価の対象になるので、感じの良い対応を心がけましょう。
意思の疎通を図りたいという熱意が伝わるように、沈黙を作らない、はきはきと笑顔で答えるなど、前向きな姿勢をアピールすると高得点につながります。
1級の二次面接は、5つのトピックの中から1つを選び、そのトピックに関して2分間のスピーチをした後、質疑応答に答えるというもの。
スピーチは自由回答なので唯一の正解はありませんが、聞き手に「なるほど」と納得してもらえるような論理が必要です。
論理の展開方法にはいろいろなパターンがありますが、私としては最初に「自分の意見(見解)はこうです」と結論を述べ、引き続き理由や事例を挙げるというパターンを使うと、その後の融通が利きやすいのでオススメ。
制限時間2分というのは意外にあっという間で、もたもたしているとすぐに時間切れになってしまいます。
序論や本論に時間を費やしすぎて、結論を言いそびれたということがないように先に結論を言い、残り時間に合わせて、後に続く持論や例の量を調整すると、上手に時間内に収めることができると思います。
質疑応答では、自分の意見を自由に述べることが求められます。
自然にやり取りができているかどうかがポイントなので、準1級のときと同様、高度な言い回しを使おうと気負う必要はありません。
背伸びせず、できる範囲で話せば十分です。
伝えたいという意思があり、自分の言葉で説明できることが重視されるので、答えるときには自分の体験を引き合いに出したり、例を挙げて内容を膨らませたりするなどして工夫しましょう。また、話すときは面接官の目を見て話しましょう。
二次試験の面接では正しい文章が言えればそれに超したことはありませんが、対話性が重視されるので、文法や言い回しに多少間違いがあっても会話の流れを止めないように注意しましょう。
考えて見ると、日本語で話しているときも、話し言葉は完璧ではありません。
言い間違いや言い直しをすることもあります。それは英語を話すときも同じ。
面接官の質問が聞き取れずに聞き返すことがあったとしても、自然な流れであれば問題にはなりません。
聞き返すときには、「Excuse me?」などよりも、「Did you say XXX?」などの表現を使うと丁寧な印象を与えることができます。
また、自分が言いよどんだときも自然に会話を立て直せるように、「I mean〜」(というか/つまり私が言いたいのは)や「You know〜」(ですよね)などのような「つなぎ」の言い回しを頭に入れておくと便利!
会話が自然に聞こえますし、何かあったら立て直せばいいと思いながら話す方が、気持ち的にもゆとりができるはずです。
二次面接はコミュニケーション能力を見るものですが、英語で会話することに慣れていない日本人にとって、即興で英作文をするというのはなかなか負担が大きい作業です。
その負担を減らすため、タイマーで時間を計りながらシミュレーションをしたり、過去問を見て大まかな回答パターンを頭に入れ、「このような傾向の問題が出たら、このように結論に持って行こう」「このように聞かれたら、こういう言い回しで答えよう」など、対応パターンをいくつか考えておくのも一つの手です。
レゴのブロックのように組み合わせを変えることで、いろいろな会話が作れる表現を集めておくのも効果的。特にあがり症の方には、このような対策が有効だと思います。
また本番までに、なるべく話す機会を作って慣れておくとよいでしょう。DMM英会話では、『英検(R)二次試験・面接 完全予想問題/旺文社』シリーズなどの提携教材を使って、本番に近い二次試験対策レッスンをうけることができるのでオススメです。
ここまで英検の二次面接試験についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
英検二次面接は一次試験と比べると合格率が非常に高く、英検準1級の二次面接は8割以上が合格すると言われており、1級でも半数以上の人が合格します。
意地悪な引っかけ問題もありませんし、数ある試験の中でも合格しやすい部類に入ります。それに受験者の方は二次試験よりもよっぽど難しい一次試験に合格しているのですから、底力は十分にあるはずなのです。
話し言葉と書き言葉は違うので、戸惑いはあるかもしれませんが、もともと話し言葉に完璧な文章は少ないもの。
大事なことは、非の打ち所のない英語を披露することではなく、自分の考えや気持ちをしっかり伝えることです。
そのことを忘れずに、肩の力を抜いて本番に臨んでいただきたいと思います。
それでは、ご健闘をお祈りしています。Good luck!!