永沢りょうこ
(更新)
忙しい社会人の方の中には、TOEIC を受験すると決めたものの、結局何も対策出来ず、あっという間に本番1週間前になってしまった!なんていう方もいることでしょう。
どんな試験でも本来はしっかり対策してから挑んだ方がいいのですが、そうは言っても多忙でそれどころじゃなかった人のために、今回は1週間という限られた時間で少しでも点数をUPさせるための方法を紹介します。
TOEIC 未受験もしくはご無沙汰な方の場合、まずは TOEIC 問題の全体像を知りましょう。基本的なことですが、前半はリスニング 100問、後半はリーディング問題100問です。
公式問題集や TOEIC の総合解説本(以下、参照)などを読んで、Part 1から7までどんな問題が出るのか、構成と分量感を把握してください。
そして1ヶ月〜等、ある程度の期間をかけた対策では語彙対策をしますが、1週間となると、単語本などをやってもあまり語彙量の増加は望めませんので、語彙力に特化した対策は思い切ってやめるのがよいでしょう。
TOEIC は問題数がとても多いですが、易しい問題も難問も配点は同じ。ですので、こうした非常に短い期間においては「解きやすい問題」のみに集中し、点数UPにつなげていきます。「解きやすい問題」については、次章以降でご説明します。
TOEIC において点数が上がりやすいと言われているのは、ずばりリスニングです。理由は、リーディング Part に比べて、語彙レベルが簡単なものが多いため。
特に Part2は1文あたりが短く、3択問題なので消去法がしやすいので、パターンに慣れておけばそれだけでも点数UPが望めます。ただし、引っかけ問題的なものもいくつかあるので、そこに気を付けましょう。
引っかけ問題の一つのパターンとしては、「問題文と同じ単語がある選択肢は不正解」という傾向が挙げられます。
A) No, it isn’t.
B) It’s Wednesday.
C) She will attend the meeting.
上記の問題と選択肢の場合、問題を聞いた時に meeting が頭に残りがちなのですが、だからと言って同じ単語 meeting が入っている選択肢Cを安直に選ばないようにしましょう。
こうした誤答を防ぐには、パーツではなく文全体を聞いて、何を聞かれているか把握して選択肢を焦らずに選ぶ必要があります。
そのためには、まず文頭の疑問詞、When, What, Where, How 等を正確に聞き取ることが必須。そして疑問詞に続く「主語」と「動詞」を聞き逃さないことです。
疑問詞・主語・動詞が分かれば、質問の主旨は分かるはず。さらに、こうした疑問詞で始まる文の回答は Yes/No では答えられないので、Yes/No で回答している選択肢も消去法で除外することができます。
同様に、「問題文と似た音を持つ単語が入った選択肢も不正解」である傾向があります。
A)I deserve you.
B)Okay, I will .
C)No, he couldn’t .
A の dessert と deserve は少し音が似ていますよね。こうしたものも引っかけ問題にありがちです。ちなみに C は "Could you~" で聞かれているのに主語が he になっているのでかみ合っていません。
こうしたぱっと見で引っかかりそうな落とし穴があちこちにあるのがパート2なのですが、Question も選択肢も文が短いので、注意すれば十分ミスを防げます。対策本の Part2 の問題形式を確認し、上記の点に注意しつつ、公式問題集や対策本を付属音声と共に繰り返しやってみてください。
Part2 に慣れたら、今度は Part1 の写真描写問題です。写真の内容を適切に描写している選択肢を選ぶわけですが、やり方としてはまず音声が流れる前にしっかりと写真を見ておきます。
人が出ていれば「その人が何をやっているか」、物が出ていれば「物がどういう状態や位置なのか」を聞かれることが多いです。これだ!とドンピシャに思える選択肢がなければ消去法で選びましょう。
Part2 と同様、引っかけ問題もやはりあります。写真に写っている物に似た音などに紛らわされないように、冷静に「写真の人物の動作、物の状態」に合った選択肢を選んでいきましょう。
時に、「全部違う」と思えたら、一番近いと思うものを選んで次の問題にいきます。次の問題の放送が始まっているのに、まだ前の問題で迷っている、というのだけは辞めましょう。すでに流れている英文を聞き逃して、目の前の問題も共倒れになってしまいます。潔く前に進むことが TOEIC では大切です。
さらに、家で対策CDで問題を解くだけでなく、こうした対策本などのリスニング Part の音声データをスマホ等に入れて、通勤中などを使い、一週間毎日聞いて少しでも慣れておきましょう。試験当日も会場に行くまで聞きながら行くといいですね。雰囲気に慣れておくと、本番で過度に緊張することもありません。
①疑問詞を必ず聞き取る。主語・動詞から文意を正確に把握。
②パターンに慣れるまで何度も解く。
③次の問題が始まったら前の問題は振り返らない。
④音声データを通勤中毎日聞く。
→ 公式問題集。本番同様の形式。
→ 直前に対策すべきポイント、テクニックが実用的。
リーディングにおいて、短期間で点数UPが望めるのは Part5 です。Part7 は一番難しいので短期間で伸ばすのは現実的ではありません。
Part5 は短文の穴埋め問題。語彙と英文法の知識が必要ですが、語彙は特別な対策をする時間がないので、まずは文法問題の方を素早く解けるようにしたいところ。
やり方としては、「じっくり読んで解いていく」のではなく、「情報をさばいていく」イメージです。例えば、動詞を修飾するのは副詞、名詞を修飾するのは形容詞、など知っていれば、形を見ただけで解ける問題もあります。
A)strong
B)strongly
C)strongest
D)stronger
この問題は、単語を選んでいるように見えて実は「品詞」を選んでいます。
空欄の後ろは opposed という「動詞」。動詞を修飾できるのは「副詞」になりますので、選択肢のうち唯一の副詞である B)strongly が正解となります。
このように、見た目が似たような単語の選択肢の時は「品詞」の問題であることが多いので、名詞を修飾するのは形容詞、動詞を修飾するのは副詞、というルールを使って選んでいきましょう。
文全体の意味がわからなくても、解けてしまうのがこのタイプの問題です。何度も解いて、品詞のつながり方を身に付けましょう。Part5 の中でもこの品詞を選ぶ問題は、慣れさえすれば最も簡単ですので、公式問題集やパート別問題集で繰り返し解いて出題パターンに慣れましょう。
文法問題に絞ってパターンに慣れる。
とは言え、TOEIC の後半、Part7 長文問題のボリュームは無視できませんよね。いつもあの長文が終わらず、マークシートをとりあえず適当に塗って終わってしまっている方もいるかと思います。
少しでもきちんと「読解」して問題を解くために、ひとつアドバイスがあります。
Part7 は、傾向として各長文の最初(前半)の問題は易しい傾向にあります。逆に、最後(後半)の問題は長文全体について問われることも多いので、正解の選択肢を選ぶのに時間がかかります。
したがって、解けそうな問題から解いていき、「解くのに時間がかかりそうだな」と思ったら、すぐ適当な選択肢を塗って次の問題に行きましょう。とにかく最後まであきらめず、考えて解けるものを少しでも多く解くことがスコアアップにつながります。
1週間精一杯頑張ったら、前日は無理せず早めの就寝を。
TOEIC は2時間のテスト。寝不足だと集中力のスタミナが持ちません。1週間やってきたことの見直しが一通りできたら休みましょう。
①全体像把握。
②リスニング対策 (Part1,2 パターン慣れ)
③リーディング対策(Part5 パターン慣れ)
【スケジュール例】
以上、1週間で点数UPできる TOEIC 対策をまとめてみました。
本来ならば、根本的な英語力をこつこつと積み上げてから挑みたいところですが、やはりそれには時間もかかります。時間がない方はこうしたポイントを押さえた対策で、まずは「点数を取れるところで取っていく」ということに絞って集中してやってみてください。
また、お時間があるときは、英語力そのものを確実に上げながら対策していく方法も別記事にまとめましたので、そちらもぜひご参考にしていただければと思います。
『TOEIC 対策はスケジューリングが9割!試験日までの期間別スケジュール管理術を紹介します。』
https://eikaiwa.dmm.com/blog/45268/