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TOEICスコアUPに欠かせない受動態をマスターしよう!【TOEIC頻出の文法を徹底解説①】

TOEICスコアUPに欠かせない受動態をマスターしよう!【TOEIC頻出の文法を徹底解説①】

今回、TOEIC頻出の文法解説記事を担当させて頂く、TOEIC/TOEFL満点講師の常田です。

この連載企画では、1つの記事で1つの文法に集中し、その文法がどのようにTOEICのスコアUPにつながるのかを解説していきます。

文法というと、どうしてもPart5とPart6にしか関係ないと思われがちですが、しっかり理解することで、TOEIC全体のスコアを底上げすることができます。

気になる初回のターゲットは「受動態」

Part1、Part3、Part4、Part5、Part7など、TOEICの幅広いパートに対応しているので、この機会にぜひ完璧にマスターしましょう!

 

受動態の基礎をおさらい

【受動態の作り方】
主語+Be動詞+過去分詞(~ed)

英語には、能動態受動態という2つの主語と動詞の関係を表す態があり、受動態のことを「受け身」という場合もあります。

①能動態(Active voice)
主語が目的語を「~する」という「する側」を主語にした文。

例)A lot of students take the English lesson.
「沢山の生徒がその英語のレッスンを受講しています。」

②受動態(Passive voice)
目的語が主語に「~される」という「される側」を主語にした文。

例)The English lesson is taken by a lot of students.
「その英語のレッスンは沢山の生徒に受講されています」

 

受動態の種類

受動態は、以下の時制で使うことができます。

・現在形の受動態

→ Be動詞+過去分詞(~ed)
例)Some cars are parked in front of the house.
「何台かの車が家の前に駐車されています。」

・現在進行形の受動態

→ Be動詞+being+過去分詞(~ed)
例)The computer is being used.
「そのコンピューターは使われています。」

・現在完了形の受動態

→ have(has) been+過去分詞(~ed)
例)Some tables have been set in front of the restaurant.
「いくつかのテーブルがレストランの前に置かれています。」

・過去形の受動態

→ Be動詞(過去)+過去分詞(~ed)
例)The English book was released last month.
「その英語の本は先月発売されていました。」

・過去進行形の受動態

→ Be動詞(過去)+being+過去分詞(~ed)
例)The conversation was being recorded.
「その会話は、録音されていました。」

・過去完了形の受動態

→ had been+過去分詞(~ed)
例)When I arrived at the theater, the movie had already been started.
「私がその映画館についた時には、もう映画が始まっていました。」

・未来形の受動態

→ will be+過去分詞(~ed)
例)The music will be released next month.
「その音楽は来月販売されるでしょう。」

・未来進行形の受動態

→ will be+being +過去分詞(~ed)
例)The party will be being held at 8 p.m. tomorrow.
「そのパーティは、明日の午後8時に開催されているでしょう。」

・未来完了形の受動態

→ will have been+過去分詞(~ed)
例)The food will have been served by the time I get to the party.
「私がパーティーに着く頃には、その食べ物は提供されているでしょう。」

TOEICでは、上記の中の「現在形の受動態」「現在進行形の受動態」「現在完了形の受動態」「過去形の受動態」「未来形の受動態」の6つだけ抑えておけば問題ありません。

 

【Part1】出題される3つの受動態

Part1は写真描写問題なので、過去形、それから未来形のものは出題されません。

理由は単純で、写真からでは過去と未来は判断できないからです。そのため、Part1で使われる受動態は以下の3つになります。

【Part1で出題される受動態】
現在形の受動態:Be動詞+過去分詞(~ed)
現在進行形の受動態:Be動詞+being+過去分詞(~ed)
現在完了形の受動態:have(has) been+過去分詞(~ed)

受動態の文が答えになるということは、人が主体になっているのではなく、物がどうなっているのか、を考えることがキーとなります。

 

①のパターン

①と③が物に注意していれば解ける問題で、例えば①の文だと、写真の中に1つのテーブルがあり、そのテーブルの中心にお皿が何枚か載せられているようなものが出題されやすいです。

【答えのサンプル】
Some dishes are stacked on the table.
「数枚の皿がテーブルに積み重ねられています」

 

③のパターン

③のパターンだと、レストランが写っていて、そのレストランの外にテーブルが何台か配置されている写真などが過去に出題されています。

【答えのサンプル】
Some tables have been set outside.
「いくつかのテーブルが外に設置(用意)されている」

 

②のパターン

ただ、②のような受動態だけは注意が必要。

受動態の進行形は「物が何かされている状態」なので、人が写っている写真でも答えになる可能性があります。

例えば、1人の男性が車を修理している写真です。英文も男性が主語で使われなくても表現できるので、リスニングでは特に気を付けないといけません。

【答えのサンプル】
The car is being repaired.
「その自動車は修理されています」

 

【Part3&4&7】能動態⇔受動態の言い換えに注目!

リスニングのPart3やPart4、リーディングのPart7など、TOEICにおける長文パートでは、話し手が言っていたことや記載されている情報が、そのまま答えになることは、あまりありません。

通常は、パラフレーズ(言い換え表現)されていることが多く、そこで今回のテーマである受動態が役に立つのです。

パラフレーズにはいくつか種類があり、1つは単語を単純に別の単語や表現に言い換えたもの。そしてもう1つは、文法を変えて言い換えたもの。そしてその際、1番使われるのが受動態なのです。

 

Part3&4

【Part3の例】
(答えとなる女性の発言)
“We have a package to be picked up…..”
「受け取って頂きたい荷物があります。」

Q: What does the woman want the man to do?
「女性は男性に何をしてほしいですか?」
A: send someone to collect a package.
「誰か荷物を受け取りに行かせます」

 

解説

このように、選択肢の答えとなる文章には、目的語(someone)がありますが、上の女性の発言では to be picked up とだけ言われているので、誰かに受け取ってほしいということがわかります。

基本的にTOEICの長文では、確かに答えはありますが、同じ表現と単語をそのまま記載されていることは少なく、もし受動態を知らなければ上記のような問題で、本文に記載のない someone を含む send someone を答えとして選択することはできません。

今回は、Part3の例として解説していますが、これはPart4とPart7も同じ。

逆に言えば、本文中に能動態で記載されていれば、選択肢の答えが受動態になりやすくなると考えることできるので、そうした視点を持つと問題が解きやすくなると思います。

それでは、もうひとつ、今度はPart7の問題で試してみましょう。

 

Part7

【Part7の例】
(答とのキーとなる英文)
“I would like to send a survey to all participants prior to workshop to find out their interests.”
「参加者皆さんの興味を見つけるために、講習会の前にアンケートを送りたいです。」

Q: What is the purpose of conducting a survey?
「アンケートをする目的は何ですか?」

A) People need the date for their research.
B) The researcher need it to save their life.
C) Participants’ interests will be collected.
D) Everyone would like to know the result of survey.

 

解説

答えは、C)

文章にははっきりと書かれていませんが、”I would like to send a survey” とその目的の ”to find out their interests” より、C の”Participants’ interests will be collected.「参加者の興味を収集する。」” が同じ意味になると判断できます。

Part7では、今回のように答えとなる文章だけが記載されているわけではありませんが、能動態⇔受動態の使い分けを意識すると、答えを見つける手助けにもなると思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

【Part5】他の文法も絡めながら解こう

Part5では受動態の問題パターンがはっきりしていて、時制、主語と動詞の一致を絡めた問題として出題されます。

【Part5の例①】
Due to the bad weather, our meeting (  ) tomorrow.

A) will cancel
B) cancels
C) is cancelled
D) will be cancelled

 

解説

まずは、選択肢から、未来形と現在形があるというのがわかるので、時制の選定をします。

( )の後に tomorrow があることから、現在形のBとCが消えます。

そして、次に( )の前の主語に注目。今回の主語は meeting なので、あとは、meeting がキャンセルしている(能動態)のか?meeting がキャンセルされている(受動態)のか?を考えます。

meeting はキャンセルされる側(受動態)なので、答えはDとなるわけです。

また、TOEICの受動態の問題はこのように、文法で簡単に解ける問題が多いのですが、800点以上などの高得点を目指す方は、こちらの受動態の解き方よりも、受動態と相性がよい前置詞を覚えるほうが高得点につながりやすくなります。

 

【by以外で使われる前置詞の代表例】

・be exposed to
「~にさらされる、露出する」

・be delighted with
「~に喜ぶ」

・be engaged in
「~に従事する」

・be associated with
「~と関係がある」

・be devoted to
「~に専念する」

・be known to
「~に知られる」

・be convinced of
「~に確信する」

・be filled with
「~でいっぱいになる」

・be acquainted with
「~を良く知っている」

 

では上記を参考に次の問題にチャレンジしてみましょう!

【Part5の例②】
Paintings should not be exposed (  ) direct sunlight.

A) in
B) to
C) at
D) on

 

解説

答えは Bで、正しい英文は Paintings should not be exposed to direct sunlight.「絵画は直射日光にさらせてはいけません」となります。

このような問題は、知らなければ解けない知識問題なので、上級者向けの問題にはなりますが、知っていれば一瞬で解くことができるので、点を取りやすく、且つ時間の節約にもつながるので、覚えておくことをオススメします。

 

まとめ

今回は、TOEICスコアUPのための文法項目として「受動態」をピックアップさせて頂きました。

よくネイティブ講師の方から、文法よりも実践が必要だ!という話を聞きます。

確かに実践は大切だと思いますが、文法を理解することで、スピーキングにもライティングにも面白味が出るのではないかと私は考えています。

今回の記事を通して文法を理解していただき、まずはTOEICのスコアUPをしてもらった上で、加えてスピーキングなどの他のジャンルにも生かしていただければ幸いです。