西東 たまき
(更新)
書式が決まっており、空白を埋めていけば済む日本語の履歴書に対し、英語の履歴書は、白紙にゼロから自分で書き上げていかなければなりません。
不安になるかもしれませんが、世の中には英文履歴書のテンプレートや書き方についてのアドバイスもたくさん提供されています。
どんな履歴書を作成すれば選考担当者の目に留めてもらいやすいかについては、そういったものを参考にするとよいでしょう。
当記事では、反対に「どんなことを避けるべきか」という視点からのアドバイスをご案内していきます!
履歴書は英語で resume(レジュメ)ですが、ときには résumé とアクセントが付いた表記もあるので、どう書くべきか迷うかもしれません。
Resume は元々フランス語由来の言葉なので、フランス式に書いたものが résumé です。英文中に書くときはどちらの表記でも構いませんが、同一文章内では統一させましょう。
なお、イギリス英語ではCVという言葉が使われます。Curriculum Vitae の頭文字で、同じく履歴書を指します。国によっては必ずしも CV=resume ではない場合もあるので、必要に応じて確認してください。
では以下、履歴書を書くうえで避けるべきポイントを挙げていきます。
日本語で履歴書を書くときは手書きであることが重視される場合があります。しかし、英語の履歴書で手書きはあり得ません。履歴書に限らず、オフィシャルな文章は必ずタイピングして作成してください。
履歴書作成にあたってはフォントのサイズとスタイル、そして文章レイアウトの選択も重要です。必要以上の強調や装飾は避け、プロフェッショナルに見えるようにしなければなりません。
英語の履歴書はカバーレター1ページ、本文は1ページ、多くても2ページで収めるようにします。簡潔な文章で的確に伝える表現力が試されているということです。
たくさんの履歴書に目を通さなければならない人の立場を考えながら、読みやすさに配慮して作成しましょう。箇条書きを取り入れるのはオススメです。
日本語でリストを作成するときは、古い情報の下に新しい内容を続けていくスタイルが多いですが、英語のリストでは古い情報の上に新しい情報を重ねていきます。
つまり、最新情報は一番上に来るということです。順序が逆だと非常に読みにくく、違和感を感じさせてしまいますので注意してください。
普段の英語だと主語のない文章なんて考えられないでしょう。しかし、履歴書では文章を簡潔に表現するため、主語は省きます。自分の履歴書ですから、ことさら I(私)などと入れなくても当然、自分のことを語っているはずですよね。主語を省き、動詞から始めます。
名詞などで文章を終える表現方法「体言止め」は、英語でも存在します。必要に応じて体言止めも使ってみてください。英語の場合、文頭に名詞を置いた文型になります。
Hardworking person(勤勉な性格)や dedicated individual(献身的な性格)であるなどと言われても他人には判断のしようがありません。第三者の目でも判断できるような客観的・具体的な情報を提供できるなら、その方が望ましいです。
応募しようとする仕事に関連ない職歴・経歴を入れる必要はありません。日本語の履歴書では「趣味、特技」や「家族構成」などを書く欄がありますが、応募内容に関係なければ記載不要です。
Marital status(未婚・既婚)の記載も不要、見た目で判断されかねない証明写真の添付も要りません。学歴も特に必要がない限り、最終学歴だけで十分です。
基本的には、広く知られていない可能性のある、過度に具体的な用語を使わないことをオススメします。しかし、専門職などに応募する場合は、業界の専門用語をある程度使っても問題ないでしょう。
大事な書類では誤字・脱字を避けなければならないのは基本中の基本です。スペルや文法が間違ったまま応募しては職務能力まで疑われかねません。
スペルに関してはスペルチェック機能を使えば済むことです。確実に実施しましょう。文法についても、Grammarlyなどの英文校正サイトを利用すれば、基本的な文法は正してくれます。賢く活用しましょう。
「~において業務経験あり」という表現。当たり障りなくスペースを埋めるのによさそうな一文ですが、経験があるというだけでは、これがどんな意味を持つのかが不明です。その経験によって「何を得られたのか」を書きましょう。
「勤勉である」と言われても、何をもってそう言えるのかがわかりません。勤勉であったゆえに成し遂げられたことなどの記述に変えましょう。
Teamplayer という言葉は「協調性がある、人と協力して何かを成し遂げることができる」ことをアピールしますが、これもあくまで自己評価なので説得力がありません。Teamplayer であったがためにどんなことを達成できたのかを伝える方が評価に繋がります。
「やる気があり積極的である」といった意味ですが、これもまた抽象的すぎます。決まり文句が並んだ履歴書に興味をそそられる人はいないでしょう。
お決まりの表現はできるだけ避けるように努めましょう。Self-motivated であることを伝えるなら、なぜこの会社で働きたいのかという方向からアピールすることをオススメします。
「ディテールにまで気を配れる=几帳面」であると伝える表現です。自らを detail-oriented と評価するからには、当然、履歴書は書き間違いなどなく、読みやすいようにとの気配りが感じられるはずです。
いかに detail-oriented かどうかは、わざわざ書かなくても履歴書の出来栄えから自然と伝わるでしょう。
最後に、exceptional や expert、best など、自己顕示欲が強すぎる言葉も避けるようにしましょう。
採用担当者が求めているのは、あなたに「何ができるか」、「何を成し遂げたか」、「どんな成果を出してきたか」などといった具体的な情報です。
つまり、achieved や trained、managed、created など「成果」を示す単語を使うようにしましょう。履歴書は、そういった角度から書くようにするのが成功につなげるコツです。
英語と日本語の履歴書の書き方の違い、結構多いなと思われたのではないでしょうか。
仕事探しで必須の履歴書は、目的は同じでも日本語と英語ではかなりスタイルが違います。英語の履歴書を書くということは、日本語の履歴書を英語にするだけではないことを知っておきましょう。
日本語の履歴書では「常識」と思われるような項目も不要とされるものが多く、英語の履歴書は応募する職務に絞られた内容になります。そのため、仕事に関係ないことで判断されるリスクが少なく、より公平に近い条件で見てもらえると考えることができますね。