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Though, although, even though, despite, in spite of の違い

Though, although, even though, despite, in spite of の違い

話の流れが予想と異なる方向に行くときに使う「~にも関わらず」という表現があります。

英語だと though, although, even though, despite, in spite of などを使って表すことになりますが、どれも似ていて紛らわしいですね。

これらのいずれかが使われていれば「にも関わらず」というニュアンスは伝わりますが、正しくはそれぞれの使い方や響きは少し異なります。

今回は、「にも関わらず」の英語表現 though, although, even though, despite, in spite of について見ていきましょう!

主な違いと用法

Though, although, even though, despite, in spite of は、どれも文頭・文中どちらでも置くことができます。加えて、though だけは文尾にも置くことができます。

though と although の使い方

まずは though と although から。どちらも同じ「〜にも関わらず」の意味ですが、日常会話でよく出てくるのは短い though の方。スペルが長い although の方が少し硬めの響きがあります。

また、though と although は同じ意味で使えます。

The bus had already gone though I was there on time.
「時間通りにそこにいたのに、バスはすでに出てしまっていました」
The bus had already gone although I was there on time.
「同上」

先に述べた通り、文頭に置いても文中に置いても構いません。文頭に置くとこんな感じになります。

Though I was lazy, I passed all the exams.
「ぐうたらしていたけど、試験は全部合格した」
Although I was lazy, I passed all the exams.
「同上」

文中に置くときは、単に文の順番を前後させるだけです。

I passed all the exams though I was lazy.
「ぐうたらしていたけど、試験は全部合格した」
I passed all the exams although I was lazy.
「同上」

Though の方だけは文末に置くこともできます。この場合、「〜にも関わらず」というよりも「~だけどね」と軽く付け加えるような印象になります。 

I saw the movie. I didn’t like it very much, though.
「その映画観たよ。あまり好きじゃなかったけどね」
The food was wonderful. It wasn’t enough, though.
「食べ物は美味しかったよ。十分な量ではなかったけどね」

このような軽く付け加える感覚を作る though を使ったこんなフレーズもあります。

Thanks, though. 

せっかくもらったオファーを断るとき、「お断りするけど、オファーしてくれてありがとう/気持ちをありがとう」といった感じで使います。

even though の使い方

Even は「なおいっそう」のように強調する意味を持つ言葉です。Though と組み合わさることで、「〜にも関わらず」が更に一段強いニュアンスになります。

これも、文頭でも文中でも使えます。

Even though I tried calling you many times, I was unable to reach you.
「何度もあなたに電話してみましたが、繋がりませんでした」
Even though we received a lot of applications, there are still positions available.
「たくさんの応募をいただきましたが、まだ空きがあります」

同じ例文を使って文中に even though を置いてみましょう。文章の順番を逆にするだけです。

I was unable to reach you even though I tried calling you many times.
「同上」
There are still positions available even though we received a lot of applications.
「同上」

despite と in spite of の使い方

勉強をしながら上を向いて考え事をする少年

Despite と in spite of の特徴は、名詞または動名詞(~ing形)と組み合わせて使う点です。

まずは名詞と組み合わせたパターンを見てみましょう。Despite または in spite of の直後に名詞を続けます。

Despite the rough weather, our flight was not canceled.
「荒天にも関わらず、私たちのフライトはキャンセルにならなかった」
In spite of the rough weather, our flight was not canceled.
「同上」

動詞を続けたい場合は ~ing の形(動名詞)にして、上記と同じように despite または in spite of の直後に続けます。

Despite not eating anything, I was not hungry at all.
「何も食べていないにも関わらず、私はまったく空腹ではなかった」
In spite of not eating anything, I was not hungry at all.
「同上」

Despite と in spite of もまた文中に置くことができます。

We are planning a big party this weekend despite our busy schedules.
「忙しいスケジュールにも関わらず、私たちは今週末に盛大なパーティーを企画している」
We are planning a big party this weekend in spite of our busy schedules.
「同上」

名詞や動名詞ではなく文章を続けるには、the fact that(という事実)を使って組み立てます。

Despite the fact that she is in her nineties, she is very active.
「彼女は90代であるにも関わらず、とても活発です」
In spite of the fact that she is in her nineties, she is very active.
「同上」

このケースでも文の並びを逆にして文中に置くことができます。

She is very active despite the fact that she is in her nineties.
「同上」
She is very active in spite of the fact that she is in her nineties.
「同上」

ちなみに、上記の例文を -ing形の動詞を使って言い換えると、以下のようになります。

Despite being in her nineties, she is very active.
「同上」

but, however との違い

話が予想に反する流れになるときに使うという点、 「でも、しかし」と「にも関わらず」は似ています。

しかし、何かが微妙に違うことを私たちも感覚的に認識し、使い分けていますよね。「でも、しかし」に比べ、「にも関わらず」の方が予想に反する度合いが高く聞こえます。

She is in her nineties, but she is very active.
「彼女は90代ですが、とても活発です」
She is in her nineties. However, she is very active.
「彼女は90代です。しかし、彼女はとても活発です」
Although she is in her nineties, she is very active.
「彼女は90代であるにも関わらず、とても活発です」
She is very active although she is in her nineties.
「彼女は90代であるにも関わらず、とても活発です」

上記の例文には微妙なニュアンスの違いがあることに気づくでしょう。But と however が使われている例文は、彼女が90代なのに対して活発であることに対する「驚き」や「ギャップ」をそこまで強調していません。

一方で、although が使われている例文は、「90代なのに」というアイデアが強調されています。

Albeit の意味は?

ちなみに、今回解説した英単語と少し関連した単語があります。それは albeit という言葉です。

この単語は、「にも関わらず」や「とはいえ」という意味を持つ言葉です。少し硬苦しい言葉なので普段は目にする機会が少ないですが、新聞などでたまに見かけることがありますよ。

He was studying, albeit reluctantly.
「彼は、嫌々ながら勉強していた」

※reluctant は「気が進まない」「いやいや」という意味で、reluctantly は「嫌々ながら」「しぶしぶ」という意味です。

上記の例文に出てくる albeit は、though/although と置き換えて言うこともできます。意味は同じで、後者の方が口語・日常会話で使われることが多いです。

He was studying, though/although reluctantly.
「同上」

まとめ

いかがでしたか?

英語には似たような言葉がたくさんあるため、それらの違いや使い方に悩むことが多いでしょう。しかし、一度ルールを覚えて身につけると、意外とわかりやすいはずです。

今回の内容を簡単にまとめると:

  1. Though は日常会話でよく使われ、although は少しかしこまっている。
  2. Even though は「〜にも関わらず」「それにしても〜」を少し強調した表現。
  3. Despite と in spite of は名詞または動名詞(~ing形)と組み合わせて使う。

最初は紛らわしいかもしれませんが、though, although, even though, despite, in spite of の違いと正しい用法を覚えていただけたら幸いです!