羽織 愛
(更新)
これからはグローバル社会!
日本でも、公立の小学校から英語が必修になり、英語レッスンを導入する幼稚園も多くなってきました。雑誌を開けば幼児英語の特集が組まれ、英会話教室や、ひと昔前はなかったようなオンラインレッスンなどの新たな英語サービスもどんどんと増えてきています。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、「うちも何か始めようかな・・・」と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、何も知らずに始めてしまうと、思うような結果が得られないかもしれません。
幼児期という「英語学習の黄金期」を無駄にしないためにも、ぜひこれからご紹介する4つのポイントを押さえておいてくださいね!
まず一番大切なのは、幼児期の英語学習の「得意分野」を知ること。英語には、大きく分けて次の二つがあります。
1. 幼児のうちに練習しておいた方が効率が良いこと
2. 大人になってから練習した方が効率が良いこと
この点を抑えることで、幼児期の英語教育を無駄なく、効率よくすることが出来ます。
幼児期、つまり年齢の低い子どもたちが英語を学ぶことを、「早期英語学習」と言いますが、この早期英語学習において得意とされるのは「聴く」と「話す」の能力だと言われています。
「Reading 読む」
「Writing 書く」
「Listening 聴く」
「Speaking 話す」
の4つで考えた時の、「Listening 聴く」と「Speaking 話す」の能力ですね。ここを小さな頃にしっかりとトレーニングしておくことをお勧めします。
幼児の頃から練習することで、大人になってからではなかなか聴き取れるようにならないナチュラルスピード(つまり早い!)の英語を聴き取ることが出来るようになったり、同じく大人になってからではなかなか難しい、綺麗な発音を身につけることも、幼児期から正しく練習すれば夢ではありません。
ちなみに、この逆の話で、「読む」のと「書く」ことに関しては、年齢が高い方が得意と言われています。
このため、幼児に「多読」や「ライティング」にこだわった教育を行うことは、避けた方が良いと言えるでしょう。
無理強いするような方法で多読やワークを押し付けるようなことは、効果が薄い上に、英語嫌いを作ってしまう可能性もあるので注意が必要です。
つまり、幼児期は「英会話が出来るようになる」ような取り組みをすることがベスト。
逆に、「読む」「書く」などの能力は後回しでも問題ないので、幼児期に焦ってやる必要はないということが言えます。
幼児の英語教育をしていると、「良い教材を教えてください」という質問を毎日のように受けます。
そして大抵、その後に「〜のセット教材についてはどう思いますか?」と続きます。
「英語のセット教材」などの魅力的なチラシや広告を見ると、ついつい興味を持ってしまいますよね。
セット教材も使い方次第ではありますが、まず「教材だけでは英語は話せるようにならない」という事実を知ることが大切です。
これまでに15年間、 様々なパターンのお子様の言語習得を目にしてきましたが、教材だけで英語が話せるようになったお子さんにはお会いしたことがありません。ただの一人も、いないのです。
もちろん、全てが無駄ということではないと思います。
英語教室への通学との併用で、上手にバイリンガルに育てた方もいらっしゃいます。
良い教材はたくさんありますが、大切なことは「教材”だけ”で英語が話せるようになることはない」という点です。
言語は「コミュニケーションのツール」ですので、人とのコミュニケーションは、言語を学ぶ上で必須の要素。
英語と言うと、日本人にとっては「テスト」であり「教科」として捉える方が多いようです。
そういう方は、CDを流すだけ、本を読むだけ、DVDを観るだけ、、、等々で、英語が出来るようになるんじゃないか、と勘違いしてしまいます。
しかし、既にコミュニケーション能力がある大人なら可能かも知れませんが、幼児期ではまず無理です。
確かに、教材だけでも英単語力や暗記フレーズを増やすことは可能ですが、それだけが英語教育の全てというのは、非常に不自然な学習法だと言えるでしょう。
幼児期は、非常に多感で、まさに「英語学習の黄金期」。
教材だけではない、血の通った人間との「コミュニケーション活動」を取り入れ、総合的な言語力を伸ばす教育をしてあげることが大切なのです。
良い先生を選んで、定期的に学ぶ習慣を付けることは、何にも勝る成功の秘訣!
ご家庭内だけでバイリンガル育児をすることも可能ではありますが、あまりおすすめはしません。
やはり英語のプロから教わることが大切です。そうした英語のプロとのコミュニケーションの重要性を意識すると、幼児英語教育は上手くいくことでしょう。
最近では、通学して学ぶ英語教室の他に、ネットで英会話を学ぶことが出来るサービスなども増えてきたので、そうしたサービスを利用してリアルな会話に触れさせてみるのもおすすめです。
良い先生の基準に関して、英会話教室を検討されているのであれば、まず最低でも5つは体験レッスンを受けてみるのがいいでしょう。
テストの点数や読み書きも英語力を見る一つの要素ですが、それよりも会話力を見るべきなのが幼児期の会話。次のような基準を満たしているかどうかに着目すると、良い先生、良い教室に出会える可能性が高まりますよ!
・ 英語で話せるようになるまでの経緯が説明出来る
・ 英語だけで会話出来るようになった日本人(日本在住)の子どもの成功例がある
また、DMM英会話であれば、ユーザーからの評価が高い先生や講師歴が長い先生、「キッズ向け」のレッスンを得意とする先生を検索から選ぶことも可能です。
一度しかない幼児期の英語教育を託すのですから、信頼のおける先生を見つけることはとても大切です。ここはしっかりと時間をかけて選びましょう!
次に、子どものコミュニケーション能力や、人間力も育ててくれる先生なら、なお良いと思います。生徒さんが生き生きと笑顔で通っているかどうか、も大切ですね。
ちなみによく、英語圏の講師から英語を教わることにこだわる方がいらっしゃいますが、そこも気をつけなければいけません。
英語圏の講師を好む方が挙げる理由の大半は、「発音が良いから」ではないでしょうか。しかし、次の章でも触れますが、世界中の英語話者の多くは非英語圏の時代です。また私たちのような日本語ネイティブでも、地方によって訛りや方言があるように、英語にもそれがあり、全ての話者が完璧な発音なわけではありません。
したがって、英語圏の方の発音が唯一正解のものではなく、「伝わる英語」こそがグローバルスタンダード。もちろんネイティブ講師から学ぶことが好ましいですが、それ以外の国の英語のプロの先生からも、正しい英語の発音は学ぶことができます。
ちなみに、癖のある英語圏の先生の英語の発音を、日本人の発音矯正の講師が直す事もよくあります。つまり、発音が綺麗になるかどうかは、「発音指導が上手いかどうか」にかかってるということですね。
またこれまでは、幼児英語と言うと、ネイティブの先生のところで遊んで、「英語に親しむ」ことが主体でしたが、最近では違います。
「英語に親しむ」だけでは、英語は上達しません。
ネイティブの先生でも、非ネイティブの先生でも、どちらでも良いので、お子さんが英語を「話せる」ように導いてくれる教室、先生を選びましょう。
これまでは、幼児から英語教育を始めたとしても、英語を話せるバイリンガルにはならないと言われていましたが、今は世界中の人口のうち3分の2以上がバイリンガルの時代。
日本では、バイリンガルというととても敷居が高く、困難なイメージがあるのですが、海外ではバイリンガルであることは「常識」に近い感覚。つまり「英語は話せて当たり前」の世の中なのです。
そして近年では、幼児期から始めることで、下のような英語力を身につけることが出来る英語サービスも増えてきました。
・ 子ども同士が英語でおしゃべり出来る
・ ゲストに対して、堂々と英語で自己紹介出来る
・ 自分でスピーチ原稿から書き、人前で英語スピーチをすることが出来る。
・ 相手と争うのではなく、より良い結論を出すための英語ディベートが出来る。
・ 海外に行った時、現地の子どもと自然に溶け込んで仲良く英会話が出来る。
つまり、英語の力だけでなく、自己表現をする力や多様性を受け入れる能力も習得することができるのです。
こうした能力は、グローバル化する現代において、今後ますます必要となってくることでしょう。ち
なみに私の教室では、小学校の英語アフタースクールで時事問題を扱い、英語圏のニュースを題材にしたり、英字の子どもニュースを読むような取り組みをしています。
いかがでしたか。
幼児から始める英語教育は、今日本で急激に変化しています。こ
れまでの「親しむだけ」の幼児英語から、「本当に話せるバイリンガルを育てる」英語教育へと変わって来ているのです。
大切なキーワードは、英語でのコミュニケーション能力と、人間力の育成です。
この記事を読んでくださった方も、ぜひお子様をバイリンガルに育ててみませんか?