林 智代乃
(更新)
こんにちは。
英語が苦手ママも「英語絵本と歌で」できるバイリンガルの育て方を伝えております、林智代乃です。
先日、都内で行われたイベントにて『自宅でできるバイリンガル子育て法』についてのセミナーを開催させていただきました。
お子さん連れのママから、「子どもなしでゆっくり話を聞きたいので、一人で来ちゃいました!」と言う方まで、バイリンガル子育てに熱心なたくさんのママにお集まりいただき、私自身も多くの学びと気づきがありました。
今回は当日のセミナー内容の中から、特に多かったママたちの疑問や相談をピックアップし、それに対する私の回答を「インプット」と「アウトプット」という2つのテーマに分けてご紹介させて頂きたいと思います。
バイリンガル子育てにおいてのマストアイテムと言えば「英語絵本」。
「英語絵本を揃えてみたけれど、どうやって使ったらいいか」
「そもそも絵本を通して、どう英語力を育んでいったらいいのか分からない」
そんなご質問を頂きました。
これに対してまず私がお伝えしたいのが、英語絵本を使う上では「子どもの内容理解の有無は気にせずどんどん進めること」がポイントだということ。
しかし多くのママたちは「絵本の内容を理解していないようだから、分かるようになるまで読む」 ということをしがち。でもですね、内容の理解って、たくさんのものに触れていった後に出来上がっていくものなんですよ。
例えば、英語の"have"。
haveには「もっている」のほかに「ある、いる」「食べる」「飼っている」「抱く」「示す」などたくさんの意味がありますよね。
これに気づくために大切なのは、「その単語が違った文脈で使われている英文にたくさん出会うこと」なのです。
したがって「たくさんの英文情報のインプットをする→その経験を通してその語の持つイメージを育てる」という流れがすごく重要で、この流れを経験するからこそ生きた英語が使えるようになってくるんですね。
ですので、効果的な絵本の進め方は「理解の有無にこだわらず、ある程度ドンドンと次に進めていき折に触れてたまに振り返る」、これがベストなんですよ。
英語の発音ってどうしたらよくなるの?
小さな時から英語に触れさせるメリットの1つに「発音が良くなる」というものがありますよね。
この効果も期待しているのに、「うちの子は結構カタカナ英語…」というお悩みを持たれているママも少なくなく、セミナーにご参加下さったママさんからも「英語の発音」についてのご質問を頂きましので、以下に私の回答をまとめておきます。
まず、幼児期にかけ流し等を通して正しい英語の音に触れることで「英語を聞きとる耳」が育ちます。
そして正しい英語の音が拾える耳が育てば、正しい音を聞こえたままに真似をし発することができるので自然と発音の良い状態になります。
これは裏を返すと、「仮にママの発音が間違っていたとしても、かけ流し等を通して正しい英語を聞く時間を日々確保し英語耳を育てていけば、自分の力で正しい音に修正する事が出来るので心配はいらない」という事なのです。
「でも、それでもうちの子の発音はどこかカタカナ英語なんです…」
そんな声もイベントでは頂きました。
どうしてそれでもカタカナ英語っぽくなるのか。それはですね、「音の繋がりがまだキャッチできていないから」だったりします。
英語は日本語と違って「言葉と言葉が繋がった言語」です。
例えば、"want you" を「ウォンチュー」と繋げて発音するのは多くの方がご存知だと思いますが、こういった「音の繋がりばっかり」なのが英語。
なので、この音の繋がりのルールが感覚的に身に付いていないと、本人が意識して直さない限り発音がカタカナ英語になりやすいんですよね。特に英語学習者用に作られた教材や子ども向け教材は、学びやすいよう単語同士の繋がりが弱いので、その部分が育ちにくいんです。
英語の音の繋がりを身につけるためには「歌詞ボリュームがあり、テンポが良い英語歌に触れる」ことが非常に効果的です。
例えば、海外の子どもたちにもお馴染みの 『Wee Sing』 というCDシリーズはオススメです。
また、無料で聴くことが出来るポッドキャストや YouTube にあるセサミストリートの曲なんかもいいですね!
子ども向けの英語歌ばかり聞いているとママたちは飽きてしまうかもしれませんが(笑)、セサミストリートの曲なら、あのワンダイレクションやブルノマーズなどの有名歌手が自身の曲の替え歌として歌ってくれているものもあります!
ぜひ親子で楽しめるものを選んでみて下さいね!
「THE お勉強」という感じではなく気軽に始められる英語歌。
バイリンガル子育てには必須アイテムですので、是非たくさん聞かせてあげて下さい!
アウトプットに繋げるにはどうしたら良いの?
ママたちからのご質問やご相談の中には「なかなか英語の発話がない」というものも多くありました。
確かに一生懸命英語に触れられる環境を与えても、反応がイマイチだと不安になるでしょうし「これ、意味あるのかな…」と心配にもなりますよね。
でも大丈夫!実は幼児期って脳の働きがアウトプットに向いていないので、アウトプットがなかなか見られなくて当たり前!
要はインプットのみを得意とする脳が働いている時期なのです。
ちなみに「アウトプット」って、口で言うだけがアウトプットではないんですよ。
「英語の指示に従って行動する」も立派なアウトプット。
これがおうちで簡単に叶うのが「海外ワークブック」ですね。セミナー当日は、実際に海外ワークの一部をお持ちし、皆さんに選び方のポイントや進め方のコツをお伝えさせて頂きました。「英語が苦手なママでも取り入れて良いのね!」と、みなさんとっても興味津々な様子でしたよ。
とはいえ、「英語を話す」という形でアウトプットを望まれる場合は、使っている「絵本」を見直してみるといいかもしれません。
効果的にアウトプットに繋げやすい絵本選びのポイントとしては、
・8ページからなる絵本
・1ページに1行からなる絵本
・繰り返しの表現が多い絵本
などがあります。ぜひ、参考にしてみて下さいね!
英語の文字読みを進めさせたいけれど、どう導入したら良いの?
ある程度、子どもの年齢が上がると気になるのが「読み」という取り組み。
「読み」と聞くと「インプットじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ここでの「読み」は「音読」に似ていて「目で入れた情報を(黙読も含め)読む」という意味でアウトプットと考えます。
読みをスタートし始めの頃は、「目で入れた情報を読み解く」という「読力」を養う時期。つまり「目で入れた情報(=インプット)を読み解く(=アウトプット)」段階なんです。
ここで読力をしっかり養えれば、少しずつ「読みながら情報を入れる」ことが出来るようになります。これがインプットの役割をする「読解力」ですね!
「読力」を付けるというアウトプットの取り組みが、その後の読解力を付けていく上で大切なステップとなるのでママたちも気になるところかと思います。
今、巷では「文字読み=フォニックス」と言われるくらい、文字読みのスタートとしてフォニックスを取り入れるのが一般的になってきています。
フォニックスとは「英単語の綴りと発音の関係性をルール化し表したもの」で、英語圏の子どもたちが英単語を読むときに使う方法のこと。
中にはルールから外れるものもありますが、これを知っていると、初めて出会った単語でも単語の読みを推測し、正しく発音することが出来るようになります。
そのようにフォニックスのルールを知っているメリットは大きいので、多くの方が文字読みのスタートと同時にフォニックスのルールを教えようとします。
が、実はこれ、特に幼児期の子どもにとっては非効果的な方法なんです!
これを聞いたママたちはびっくり仰天な顔をされていました(笑)
では、「文字読みのスタートは何をすべき」なのでしょうか。
それは「ライミング」です。ライミングというのは、ラップの様に「韻を踏む」言葉の集まり。
子どもの脳は「パターンを見つける」ことがとても得意なので、ライミングにしっかり触れてから文字読みをスタートさせると、すんなり入りやすく負担なく習得することができるのです。
ちなみにこの方法だと、発音がよくなったり、フォニックスのルールも自然と理解していくことができるなど、他にもうれしいメリットがたくさんあります。
そのライミングを身につけさせるために、セミナーでは「マザーグース(英語圏の子どもたちの童謡)をたくさん聞くこと」 そして、「Dr.Seussの 『HOP on POP』 などの言葉遊びがたくさんある絵本に触れること」をオススメさせていただきました。
文字読みを進めるにあたっても「聴く」という取り組みは大事なこと。
バイリンガル子育てではしっかり「聴く」時間に重きをおいてみて下さいね!
さて、ママたちから頂きましたご質問やお悩みの中に「私もそれ気になってた?!」というものはありましたか?
当日は2部に分けてお話をさせていただいたのですが、セミナー終了後に必ず円陣ができるという現象が起きていました(笑)。
お一人の方がご質問に来られると、「それ私も聞きたい!!」とママたちがわぁ?と集まってこられるんですね。ママたちのバイリンガル子育てに対する熱意、頑張りに気付かされた瞬間でした。
そしてママたちからは「今すべき事が見えてきた」「取り組み方を見直せた」「なぜバイリンガル子育てを始めたのか原点に戻れた」などなど、たくさんの嬉しいご感想をいただくことができました!
みなさんもぜひ「おうちで出来るバイリンガル子育て」を実践してみてくださいね!
私も一ママとして楽しみなから進めていきたいと思います^^
英語絵本って、どのように進めていったらいいの?