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【保存版】英語エッセイの書き方5つのポイント|オレオクッキーをイメージして組み立てよう!

【保存版】英語エッセイの書き方5つのポイント|オレオクッキーをイメージして組み立てよう!

本記事のテーマは、「英語エッセイの書き方」です。

英語のエッセイは簡単に言うと「自由英作文」のことで、特定のトピックに対して自分の意見を述べるもの。

英検では3級から登場し、トピックは以下のように、個人的な意見を答えさせるものから社会性のあるものまでさまざまです。

  • 「スイミングとスキーどっちが好き?」(3級)
  • 「日本の学校の教室で夏にエアコンを使うべき?」(準2級)
  • 「もっと多くのマンションで犬や猫といったペットの飼育を許可すべきだという意見に賛成?」(2級)
  • 「もっと多くの人が将来菜食主義者になるべきか?」(準1級)

しかしエッセイ課題を前にして、ネタが浮かばない、書き方が分からない、途中でシャーペンの動きが止まり先に進めない… エッセイあるあるですね。

今回は日英の文化的・言語的背景の違いにまで踏み込んで、英語エッセイの書き方を解説していきます。

【クイズ】英語にした場合に最も自然なエッセイはどれ?

【クイズ】英語にした場合に最も自然な作文はどれ?

本題に入る前にクイズです。

次の作文のうち、英語にした場合に最も自然なものはどれでしょう?

①スマホを使えばいつでもどこでも外国人とつながることができる。例えば、インスタを使えばネイティブスピーカーと英語でのやりとりができる。だから、スマホは英語学習に最適なツールだ。


②スマホは英語学習に最適なツールだ。なぜなら私にとっていつでもどこでも外国人とつながることができるものだからだ。例えば、私はインスタでネイティブスピーカーと毎日やりとりをしている。


③スマホは英語学習に最適なツールだ。それは、いつでもどこでも外国人とつながることができるからだ。インスタを使えばネイティブスピーカーと英語でのやりとりが容易にできる。

答えは後ほど。

それでは、英語エッセイの書き方のポイントを見ていきましょう。

英語エッセイのポイント①|文化的・言語的背景から押さえよう

意見の述べ方において、日本語と英語では決定的な違いがあります。

エッセイの構成

日本語では、意見を述べる前に理由や具体例などの説明から始めます。その後に自分の主張となる意見でしめるのが定番。主張は全面に出さない日本文化そのものですね。

一方で英語は、まずは主張をします。結論が先です。だらだらと前置きをする前に、まず「Yes」なのか「No」なのかをはっきりさせる文化なんですね。

謙遜文化のある日本では、自己主張が強すぎると。否定的な印象を持たれることもありますが、英語ではむしろ前置きが長い方が自分の意見を正しく述べられていない、と考えるんです。

ではここで、先程のクイズを見てみましょう。

①〜③それぞれの文章の中で「意見・主張」は何でしょうか?

「スマホは英語学習に最適なツールだ」です。その「理由」は、「スマホを使えばいつでもどこでも外国人とつながることができる」からです「例」として「インスタ」が挙げられていますね。

したがって、①→日本語のロジック②③→英語のロジック、ということになります。

さらに、実は②より③の方が英語っぽい。何が違うと思いますか?

②の方が「なぜなら」や「例えば」といったロジックを明確にするつなぎ語(=Discourse Marker)を使っています。

それでも③が最適解です。理由は徐々に明らかにしていきます。

さて、ここで「OREO(オレオ)」の登場です。

英語エッセイのポイント②|オレオクッキーのロジック

オレオ

英語のロジックは、「意見→理由・例」です。

ここにさらに「締め」として、意見を再び述べる(=再主張)ことが多いです。

ですから、「意見→理由・例→意見」という展開がエッセイの基本。英語圏では「OREO COOKIE WRITING」「OREO WRITING」と呼ばれます。

「OREO COOKIE WRITING」とは

お菓子のオレオは、上下が濃い色のクッキー、真ん中にぎっしりとクリームが挟まっていますね。

これが英語エッセイの基本構造とそっくりなんです。

OREO COOKIE WRITING

Opinion「意見」→Reason「理由」・Example「例」→Opinion「意見」です。

最後のOpinionは必須ではないので、実際には「OREO」ではなく、「ORE」の構造の英文が非常に多いです。

なお、OREOは「PREP」と呼ばれることもあります。PはPoint「論点、主張」。また「Hamburger Writing」という呼び方をされることもあります。

「Topic Sentence」と「Supporting Sentences」

また、Academic Writing(論文やレポートなど「学術的文章」)の場合は次のように呼ばれます。

Academic Writing

「トピックセンテンス」は与えられたお題(Topic)に対して自分の意見を述べる「Opinion」です。

「サポーティングセンテンス」のSupportは「支持する、根拠を与える」の意味で「支持文」と呼ばれます。ReasonやExampleに相当します。

最後は「コンクルーティングセンテンス=結論文」です。

日本語と英語の決定的な違いは「Reason」と「Example」(主観 vs. 客観)

日本語と英語の決定的な違い

日本語と英語とでは、「R:Reason(理由」と「E:Example(例)」に決定的な違いがあり、ここを押さえることで、皆さんのエッセイは本物の「英語」へと生まれ変わります。

  • 日本のRE:主観的【私だけ】
  • 英語のRE:客観的【誰にでも当てはまりそう】

日本語では「理由・例」を述べる際は「個人の体験に基づく理由や例」を利用するケースが非常に多く主観的です。身近な個人的話題を中心にしてしまうんです。

一方英語では、「自分の意見を述べたら、できるだけ客観的な理由や例を提示することで読者や聞き手を納得させる」という考え方がベースにあります。社会全般に当てはまるような広い視点(客観的)で展開するんですね。

個人的な理由を述べてしまうと、「それはあなただけでしょ?」という印象を与えてしまいます。「犬派? 猫派?」のような個人的なトピックでなければ、英語の鉄則は「客観的に」です。

さて、ここで再びクイズの文章を見てみます。②③の違いを確認してみましょう。

②スマホは英語学習に最適なツールだ。なぜなら私にとっていつでもどこでも外国人とつながることができるものだからだ。例えば、私はインスタでネイティブスピーカーと毎日やりとりをしている。


③スマホは英語学習に最適なツールだ。それは、いつでもどこでも外国人とつながることができるからだ。インスタを使えばネイティブスピーカーと英語でのやりとりが容易にできる。

アンダーラインに注目すると、②個人的な理由と例③客観的な理由と例、だとわかりますね。

したがって、クイズの答えは③で次のような構造になります。

クイズの答え

その他、知っておきたい日本語の英語の違い

他にも、日本語と異なる英語の特徴をいくつかご紹介します。

意見を述べた後に説明責任を果たす文化がある

「R:Reason(理由」と「E:Example(例)」が1センテンスで終わるのは説得力に欠けるとみなされます。

オレオはクッキーの間にぎっしりクリームが挟まっていますね。理由・例といった説明は、ぎっしり敷き詰めるのが英語エッセイです。

パラフレーズをしっかり行う

英語では、全く同じ語句・センテンスが反復するのは嫌われる傾向にあります。日本語でも同じ言葉を連呼していたら少し稚拙な印象になりますよね。

1つ目のセンテンスに「smartphones」があったとしたら、途中で「phones」や「digital devices」、代名詞の「they」などに変化させます。これがパラフレーズ(言い換え)です。

英語エッセイのポイント③|事前準備をしっかりとする

ネタが浮かばない、書いている途中で思考停止してしまう、といったお悩みには、次の2つのステップを踏むのがオススメ。

STEP1|ブレインストーミング

トピックに対して浮かんだことを書き出していくのが「ブレインストーミング」です。「マインドマップ」と「二項対立」のサンプルをご紹介します。

マインドマップ

マインドマップ

「スマホが〇〇だ」のようなお題が与えられた場合は「スマホ」を中心にして枝をどんどん広げていきます。

そして、その中で使えそうだと思ったものはどんどん掘り下げていきます。ある程度広げたら、全体を概観して、理由や例になりそうなものを選択していきましょう。

二項対立

Pros(賛成)、Cons(反対)の視点で対比させつつ洗い出します。

Pros(賛成)Cons(反対)
便利
→カメラ、ネット、メール、英語学習アプリ
依存性あり
→ゲーム、アルコール、学習の妨げ

最初から核心にいこうとせず、まずは「思うままに書き出す」のがポイント。その結果、全体の構成を決めるヒントが洗い出され、「この枝とあの枝の〇〇が理由としてうまくつながりそう!」といった発見ができます。

STEP2|構成メモ

実際に書き始める前の「設計図」構成メモ。下準備なしで家の建築をするのは無謀なように、優れたエッセーには「構成メモ」が必須です。

エッセイの指定語数を80語程度とした場合、1センテンスが平均14語くらいの方だと、およそ6つのセンテンスを書けば規定語数を満たせます。したがって、事前に6つのセンテンスで構成メモを作成しておきます。

  • 意見:スマホは英語学習に最適
  • 理由1:簡単に外国人とやりとりができる
  • 肉付け:インスタで英語を使う機会が増やせる
  • 理由2:スピーキング力を効果的に高められる
  • 肉付け:オンラインレッスンを使っていつでも英語を話せる
  • 結論:スマホを使えば英語力が高まる

理由を1つ述べたらそれを掘り下げるのが英語エッセイのルールですから、基本的に「理由」の説明にあたる「肉付け」を追加するようにしましょう。ここに「例」を含めると、「R:Reason(理由」と「E:Example(例)」が出来上がります。

構成メモの良い点として、一貫性を事前に確認できる、ライティング中に削除したり追加したりしてもよい要素が見える化できる、字数の調整ができる、などが挙げられます。

英語エッセイのポイント④|型にはめる

英語エッセイのポイント④|型にはめる

英語エッセイにはライティングの型があります。その場の思いつきで展開していくのではなく、事前にどう書くかを決めておくとよいでしょう。

型その1|ワンパラグラフ型

こちらはOREOそのものだと考えてください。

ワンパラグラフ型

型その2|複数パラグラフ型

例えば英検準1級では、ライティングの構成をIntroduction「導入」、Main Body「本論、展開」、Conclusion「結論」で書くように指定があります。理由を2つ書くとすると次のような構成になります

複数パラグラフ型

導入部分は意見提示するまでの前置きです。難しいので、初中級の方はひとまず、「スマホは英語学習に最適です。理由は2つあります」でParagraph 1は終えて、導入は省略するのがオススメ。

慣れてきたら「スマホにはさまざまな利点がある」や「スマホ利用にはさまざまな欠点が指摘されているが〜」といった内容を置くとスマートになります。

英語エッセイのポイント⑤|定番表現を覚えておく

型と同様に、英語エッセイにはよく使われる表現があります。

その場で考えるのではなく、事前にテンプレートとして覚えておき、本番で自由自在に使いこなせるようにしておきましょう。

【意見/Introduction】

  • 「〜すべきだ」→ S should V.
  • 「〜に賛成だ」→ I agree that S V.
  • 「〜に反対だ」→ I disagree that S V.
  • 「これには理由が2つ」→ There are two reasons for this.

【理由・例/Body】

  • 「1つ目に」→ First, S V.
  • 「1つ目の理由は」→ One of the reasons is that S V.
  • 「2つ目に」→ Second, S V.
  • 「2つ目の理由は」→ Another reason is that S V.
  • 「さらに」→ In addition, S V.
  • 「なぜなら〜だからだ」→ This is because S V./The reason is that S V.
  • 「例えば」→ For example, SV./For instance, SV./A[名詞]such as B[名詞]

【再主張/Conclusion】

  • 「これらの理由から」→ For these reasons, S V.
  • 「だから」→ That’s why SV.

英語エッセイのサンプル

サンプルエッセイ

それでは実際に、英検などの資格試験も想定した初中級者向けのモデルアンサーをご紹介します。

以下は、ポイント③のSTEP2|構成メモを英語にしたものです。

【構成メモ】

  • 意見:スマホは英語学習に最適
  • 理由1:簡単に外国人とやりとりができる
  • 肉付け:インスタで英語を使う機会が増やせる
  • 理由2:スピーキング力を効果的に高められる
  • 肉付け:オンラインレッスンを使っていつでも英語を話せる
  • 結論:スマホを使えば英語力が高まる

ワンパラグラフ型(英検2級型)のサンプルエッセイ

Smartphone use is one of the best ways to learn English. There are two reasons for this. First, you can easily interact with foreigners online. If you follow people from English-speaking countries on social media such as Instagram, you have more chances to read or write English. Second, you can improve your English-speaking ability more efficiently. Taking online English classes with your mobile phone allows you to speak and listen to English whenever and wherever. That’s why I recommend making good use of smartphones in learning English. (87 words)

複数パラグラフ型(英検準1級型)のサンプルエッセイ

Today almost everyone has a smartphone. Some people say that this device has a bad effect on studying. But smartphone use is one of the best ways to learn English. There are two reasons for this.

First, you can easily interact with foreigners online. If you follow people from English-speaking countries on social media such as Instagram, you have more chances to read or write English.

Second, you can improve your English-speaking ability more efficiently. Taking online English classes with your mobile phone allows you to speak and listen to English whenever and wherever.

For these reasons, more English learners should make good use of smartphones.(106 words)

Introduction(パラグラフ1)には構成メモにない「導入」も盛り込んでいます。

「今日スマホはほとんど誰もが持っている。なかには、この機器は勉強に悪影響をもたらしているという人もいる」という内容です。

エッセイに慣れてきたら、「導入」もつけてみるクセをつけると、真の英語エッセイに近づきますよ。

日常生活の中で「英語エッセイの書き方」を意識してみよう

英語はまず「主張」、そして「理由」や「例」の流れです。

日本語での会話の中でも、この流れを意識してみてください。日本人同士なら「スタバっていいよね」と意見を伝えた場合、同調した後にすぐに話を変えることはよくありますよね。

でもこれからは、「スタバっていいよね。だって〜だから/例えば〜」を1セットで考える習慣をつけてみてください。これだけでグッと英語モードがクセづきます。

また、日常のライティングの練習として、お題に対して「ブレインストーミング→構成メモ作成」はネタ集めとして有効です。5分程度のスキマ時間があればそこで一気にひとネタ作れますので、ぜひやってみてください。