Hiroe H
(更新)
みなさんは高校のときに習った「過去完了形(had+過去分詞)」を覚えていますか?
そして中学校で習った「現在完了形(have/has+過去分詞)」との違いもちゃんと理解していますか?
過去完了形を理解するにはまず現在完了形を理解する必要があります。そういうわけで、中学校で先に現在完了形を習うというわけです。
本記事では、特に「過去完了形(had+過去分詞)」に焦点を置き、用法や使い方を解説していきたいと思います。
「現在完了形(have/has+過去分詞)」との違いにも触れていきますので、ぜひここで復習がてら現在完了形もおさらいしてみてください!
そもそも、過去完了形とは何でしょう? どのようなときに、どのように使えば良いのでしょう?
名前からして、過去についてのことを言うのは想像ができますが、現在完了形と何が違うのでしょうか?
それではまず、過去完了形について見ていきましょう。
過去完了形の基本の形は【had+動詞の過去分詞】と習ったのを覚えている人も多いかと思います。
過去完了形には次の3つの用法があります。
上の3つを見てわかるように、過去完了形が表せるのは過去のある時点まで。つまり、現在とのつながりはありません。
1つ例文を見てみましょう。
「私がコーヒーショップに着く前に、彼はすでにそこを出ていた」
ここでは【had+left(動詞 leave の過去分詞)】が使われていることから、過去完了形だとわかりますね。
そして「私」がコーヒーショップに着いたときには「彼」はもうそこにいなかったので、過去完了形の完了・結果を表す①の用法だと言えます。
また「彼がコーヒーショップを去った」のは「私がコーヒーショップに行った」のよりさらに前のことで、この過去の2つの出来事の間には時差がありますね。
過去完了形は現在とのつながりはなく、過去のある時点に立ち、それ以前に起こった出来事を述べます。
ではおさらいを兼ねて、現在完了形を見てみましょう。
現在完了形の基本の形は【have(has)+動詞の過去分詞】でしたね。現在完了形にも大きく分けて3つの用法がありました。
過去完了形と違い、現在完了形は基点が現在に置かれ、ある動作や状態が過去の時点から現在まで何らかの形でつながっているのをイメージすると理解しやすいです。
「私は母との電話をちょうど切ったところです」
完了・結果の用法は【have(has)+just+動詞の過去分詞】の形をよく見かけ「ちょうど〜したところです」のように訳せます。
ここでは「電話をちょうど切ったところ」という完了を表し、また現在から電話を切った少し前の過去を振り返っています。
「私はフランスに3度行ったことがある」
経験の用法は【have(has)+been to 場所】で「〜に行ったことがある」という表現や、回数を表す表現をよく使い「何回〜したことがある」のような言い回しが多いです。
現在までに3度「フランスに行ったことがある」という経験を振り返っています。
「私は先週の日曜からずっと調子が悪い」
継続の用法は【have(has)+動詞の過去分詞+since/for 期間】のように、期間を表すフレーズを一緒に使って表現することが多く、「(ずっと)〜している」と訳せます。
ここでは、過去のある時点(先週の日曜)から現在まで、ある動作や状態(調子が悪い状態)がずっと続いていること表します。
過去完了形は、過去のある時点からさらに過去を見て述べますが、現在完了形は現在に立って、過去に起こった出来事や状態を現在と結びつけて述べていますね。
これが、現在完了形と過去完了形の違いです。
では過去完了形の3つの用法を例文とともに詳しく見ていきましょう。
「ジェーンが2時間遅れて到着したときには、マイクはすでに家に帰っていた」
→ジェーンが到着した過去の時点から見て、その2時間前のどこかの時点でマイクは帰ってしまったという結果を表しています。
「その画家は1923年に亡くなる前に、彼の最後の絵をちょうど描き終えたところだった」
→画家が亡くなった1923年から見て、そのちょっと前のどこかの時点でこの画家は絵を描き終えていたという完了を表しています。
「先週、彼女がその寿司屋に連れて行ってくれる以前に、(人生で)すでに2回寿司を食べたことがあった」
→寿司屋に連れて行ってもらった過去の時点から見て、それ以前に2回寿司を食べたことがあるという経験を表しています。
「父は私たちが子供の頃、訪れたすべての国についてよく話をしてくれた」
→子供の頃という過去の時点から見て、それ以前にお父さんがいろいろな国に行ったという経験を表しています。
「私たちがやっと結婚したとき、私たちは知り合って20年以上になっていた」
→結婚した過去の時点から見ています。結婚する20年前に出会ってから結婚するまで、ずっと知り合いの関係が継続されていたことを表しています。
「彼は社長になる前、その会社で5年間副社長をしていた」
→彼が社長になったある過去の時点から見ています。社長になった5年前から社長になるまで、ずっと副社長をしていたという継続を表しています。
過去完了形の否定文と疑問文は次のように作ることができます。
例文と一緒に見てみましょう。
「バス停に着いたとき、バスはまだ出発していなかった」
→過去完了形の否定文は had の後ろに not をつけて had not、または省略して hadn’t とします。
ここでは【主語 bus+had not+left(動詞 leave の過去分詞)】です。
「あの夜、酔ってなかったら良かったのに」
→こちらも hadn’t とあるので、過去完了形の否定文だとわかりますね。
【主語 I+hadn’t+been(動詞 be の過去分詞)】です。
「彼女は2年前に今の仕事を始める前にいくつの仕事のオファーをもらいましたか?」
→過去完了形の疑問文は had を主語(ここでは she)の前に持ってきて、【had+she+had(haveの過去分詞)…?】の順番にします。
ちなみにここでは過去完了形の完了・結果用法が使われています。
「軍で沖縄に配属される前、そこへは何度行ったことがありましたか?」
→こちらも【had+主語(you)+been(be動詞の過去分詞)…?】ということから過去完了形の疑問だとわかりますね。
ここでは過去完了形の経験用法が使われています。
今日は過去完了形(had+過去分詞)についてと、現在完了形との違いについて紹介しましたがいかがでしたか?
現在完了形は現在に立って過去を述べているのに対し、過去完了形は過去のある時点に立って、それよりもっと昔のことを述べます。
また、現在完了形は過去の出来事や状態と現在につながりがありましたが、過去完了形は過去の2つの時点につながりはあっても、現在にはつながりがありませんでしたね。
現在完了形と過去完了形は、文の構造的には似ている部分がありますが、どの時点から過去を見ているかが大きな相違点でした。
この違いをしっかり把握し、実際にいろいろなシチュエーションをタイムラインを使って考えみると分かりやすいと思います!