奈都香
(更新)
みなさんは、企業名・会社名の由来が気になったことはありませんか?
日本語の社名は含まれる漢字などで、だいたいの業種や取り扱う商品の予想がつきますが、英語の社名はぱっと見では、どういう関連性があってつけられた社名なのかわからないものも多いですよね。
日本企業も世界的な活躍を視野に入れて、英語っぽい社名を付けているところが多いので、よくよく考えてみると日本企業だった!なんてことも最近はよくあります。
普段なかなか企業名の由来について考えることもなく、なんとなくそのサービスや商品を利用しがち。今回は世界的に有名な企業の社名の由来を紹介したいと思います。
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スポーツアパレルの大手アディダスの名前は創業者 Adolf Adi Dassler の名前から生まれた造語です。
Adi + Das = adidas で、キムタクみたいな感覚ですね。
魔法のように商品が届くので「アブラカダブラ」から "Cadabra" という社名にしようとしていたところ、弁護士が "cadaver(死体)" と聞き間違えたのをきっかけに別の名前にすることに。
代わりに「世界で一番大きな本屋」という意味で世界で一番大きな川のアマゾン川から名前をとりました。
また、商品がアルファベット順に表示されることから "a" と "z" が含まれている Amazon がぴったりだと感じたようです。実際今のロゴでも "a" から "z" に矢印が伸びていますよね!
創業者ジョン・ワーノックの自宅の裏に流れている Adobe Creek という川に由来します。
一見英語に見える社名ですが、創業者石橋正二郎の「石」「橋」を英語に訳し作られました。
ブリヂストンが日本の会社であることを知っている人が少ないくらい違和感のない社名ですね!
キヤノンの前身は精機光学研究所です。
当時開発された精密小型カメラを「KWANON」(カンノン)、そのレンズを「KASYAPA」と名付けました。
その後、世界で通用するカメラブランドにふさわしいとして、観音と響きが似ており、「正典」「規範」「標準」という意味をもつ "canon" が会社名に採用されたそうです。
SONY は1946年に東京通信工業株式会社として設立されました。
世界に向けトランジスタラジオを発売するうえで、ラテン語で音の意味の "sonus" とかわいい坊やを意味する "sonny" の造語である SONY を社名としました。
SONY Teletech, SONY Electronic Industries など、どういった会社なのかを示す名前にすることを銀行から提案されても「ソニーが将来、エレクトロニクスの会社であるとは限らない」とSONY単体での社名を押し切ったそうです。
事実、今ではSONYはテレビやゲームなど多岐にわたって事業を展開しています。素晴らしい先見の明ですね。
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なんと、この社名は完全なる造語で意味がありません!
創始者ルーベン・マッタスがアイスクリームは酪農が盛んなデンマークのイメージがあるから、コペンハーゲンのハーゲンと、なんとなくゴロのいいダッツをくっつけて作り出した造語です。
アメリカの消費者にヨーロッパのものであろうという先入観をもたせ、ヨーロッパの職人技や伝統を思い起こさせるためにこのようなネーミングにしたそうです。
そのため、デンマーク語では使用されないウムラウト(*1)が使用されています。ドイツ語のウムラウトの発音は日本語の「エ」に近いにもかかわらず「ハーゲン」のように全く違う発音となっています。
*1…ウムラウト:ゲルマン語派に見られる母音交換の現象、またそれを表す記号(¨)。
GPS の大手 GARMIN は創業者の Garry Burrell と Dr. Min Kao の名前を合わせて作った造語です。
ハーゲンダッツの親会社、ネスレはスイス人のアンリ・ネスレによってベビーフード会社として創業され、創業者ネスレの名字をそのまま社名として使用しています。
しかし、イギリスでは一時期 Nestle's Nessels として宣伝していたため「ネッスル」と発音されることがあります。日本でも1984年にネッスル日本からネスレ日本へ社名変更されました。
またドイツ語では "nestle" は「鳥の巣」を意味するのでトレードマークは鳥の巣になっています。
IBM の創業者 Tom Watson Sr. は自分が勤めていた National Cash Register(ナショナル、つまり「国民の」キャッシュレジスター)をクビになり Computing-Tabulating-Recording Company(CTR) に再就職しました。
その後社長に就任した際に、CTR があまりに長ったらしい名前だったので社名を International Business Machines(「国際」ビジネスマシン)に変えました。
クビになった会社が「国民」をターゲットにしていたのに対し、「こっちはインターナショナルだぞ!」というライバル心が込められた社名だそうです。
創業者 Ingvar Kamprad のイニシャルと彼の育った Elmtaryd Agunnaryd のイニシャルを合わせて作った造語。
なんと Ingvar は若干17歳で家具屋を始めたそうです。今では76年の歴史を誇る、世界有数の家具会社に成長するとはだれも予想していなかったことでしょう。
NABISCO(ナビスコ)は National Biscuit Company という社名だったのを、省略して作った造語です。
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メルヴィルの小説「白鯨」に登場するコーヒー好きの航海士「スターバック(Starbuck)」から名付けられました。
ロゴのセイレーンも、船乗りとの縁が深い海の怪物が使われています。
タコス(taco)を取り扱うメキシカン料理のファーストフード店、TACO BELL。
創業者 Glen Bell の名字を付けて Taco Bell と名付けられたそう。
"Voice, Data, Telefone(声、データ、電話)" を合わせて Vodafone という名前になりました。
Yet Another Hierarchical Officious Oracle の頭文字をとったと同時に、ガリバー旅行記にでてくるならず者の野獣の Yahoo からとったと言われています。
「10の100乗」という意味の "googol" のように膨大な情報量の組織化を使命とし、"googol" をドメイン登録しようとしたところ、つづりを間違えて "google" にしてしまったそう。
間違えをそのまま社名にしてしまったんですって!
今回は意外と知らなかった企業名の由来をご紹介しました。
創業者の未来への熱い思いがこもっている社名や、会社の歴史を感じさせるもの、日本企業だということをすっかり忘れるくらい、世界でなじみのある社名なども含まれていたと思います。
完全なる造語で、意味がないものまであるなんでびっくりですね。
日本の企業・ブランド名の由来を英語で説明できると会話が弾むかもしれませんよ?