Kurumi
(更新)
「スラングが使えたらかっこいいな」
「スラングがわかったら洋画や海外ドラマをもっと楽しめるのに」
このように、英語学習者であれば誰でも、スラングへの一種の憧れのようなものを持っているのではないでしょうか。
ただ、スラングは意味を理解するのが難しいですし、意味を知っていたとしても、イマイチ使い方がわからなかったりします。
また、むやみやたらに使おうとすると、間違った使い方をしてしまったり、不適切な場で使ってしまう…なんてことも考えられます。
今回の記事では、英語学習の最難関の一つ「スラング」について、どのように学習して、どのように付き合っていけばいいのかをお伝えします。
例えば次の2つの文を読んで、みなさんはどのように理解しますか?
died(死んだ)、killed(殺された) というようなちょっと不吉な言葉が登場しましたが、怯える必要はありません。
それぞれの文意は以下の通り。
「生まれたばかりのの姪っ子に会ったら可愛すぎてヤバかった!」
「最終試験の化学のテストがすっごくよくできた! 100点とったんだよ!」
誰も死んでいないし誰も殺されていません。これらはネガティブな表現を、ポジティブに使うスラング特有の表現です。
「スラングってなんだか品がない!」と感じる人もいるかもしれませんが、スラングはれっきとした現代英語であり、日常生活で一般的に使われ、生活に欠かせない存在です。
また、フォーマルな場で使われるほど、一般的に浸透しているスラングもあります。
例えば、この動画では、オバマ米前大統領がインタビューにて Screwed up.「失敗する、ヘマをする」という意味のスラングを使っています。
このスラングは、日常会話の中でも頻繁に使われますので、知っていないと問題が起きてしまうかもしれません。
さらに、What’s up? というスラングはどうでしょう。
これは「元気? 調子はどう?」という意味ですが、知らないと「何か上にあるの?」と勘違いしてしまうことでしょう。
スラングは自分が使うか使わないかは別として、日常的によく使われるものに関しては、意味を正しく理解し使い方を知っておきたい英語表現なのです。
日本でも流行語という形で新しい言葉が紹介されるように、言葉というのは時代とともに少しずつ変化し、新しい言葉も生まれていきます。
そして当然、英語圏でも新しい英語表現が日々誕生しています。
そうした新しい英語というのは、主にテレビ番組から知ることができ、中でも特にオススメなのが「situation comedies」です!
situation comediesとは登場人物や場面設定が固定されていて、職場や家庭など特定のシチュエーションを設定して繰り広げられるコメディー作品のこと。
映画のように長くはなく、1話完結なので気軽に学習に活用することができます。
situation comediesはよく「sitcoms」と略されるので、インターネットで番組を探すときには「sitcoms 2021」、「popular sitcoms」、「classic sitcoms」のようにワード検索するといいでしょう。
こちらの記事では、オススメのsitcomsをはじめとした、英語学習に最適なNetflix作品と、その学習法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
テレビ番組だけではなく、トーク番組、スポーツ実況番組、またはニュース番組のようなマスメディアからもスラングは生まれていますので、そのような番組でも同様に学習することができます。
また、Netflix等の動画配信サービスを契約していない方は、YouTubeを活用するのがオススメ。
ネイティブスピーカーが話している「Vlog(ビデオブログ)」系の動画を見つけてみてみましょう。
さらに、英語学習系の動画で学習するのも非常に効果的です。
「English slangs」、「English slangs used in daily life」、「American English conversation」などと検索すれば、ネイティブが使うスラングについて丁寧に解説されている動画がヒットします。
こちらの記事ではオススメの英語学習系YouTubeチャンネルを紹介しています。
最近では、インターネットも新しいスラング表現「誕生の場」となっています。
「BuzzFeed」のようなオンラインメディアや「Twitter」は、旬のスラング表現を知るのにうってつけ。
また、英語スラングの宝庫ともいえる「Urban Dictionary」というスラングのまとめサイトもオススメですが、活用には注意が必要です。
なぜかというと、「Urban Dictionary」は、「Wikipedia」のように誰もが執筆できる特性から、説明が適切でなかったり、ふざけすぎていたり、単なるジョークになってしまっていることもしばしばあります。
例えば、「orange」という言葉をみてみましょう。すると、TOP DEFINITION(1番人気の定義)は「Donald Trump」と出てきます。
「ドナルドトランプは生きたオレンジだ」
これは、トランプ元大統領に批判的な人が、トランプ元大統領のオレンジ色に日焼けした肌の色を面白おかしくスラングとして定義しているからです。
したがって、「Urban Dictionary」をチェックするときは慎重に。
また、学習サイトやブログ、SNS等でスラングリストが紹介されていることがありますが、そちらの利用にも同様に注意が必要で、情報の正確さや信用度合いは不確実です。
したがって、信頼できるサイトの記事やページをベースに、スラングを学ぶようにしましょう。
スラングは日本語でいう「流行語」つまり「時の言葉」でもあるので、世の中で流行っていることなどに付随して生まれていきます。
例えば最近では、コロナウイルスのパンテミックのニュースで溢れかえっていますので、コロナウイルス関連の新しいスラングがたくさん登場しています。
こうしたスラングは、パンテミックにより作られた言葉の一例です。
一方で、もともとあったスラングの言葉が、再び注目され使われ始めたということもありました。
例えば、「blursday」というスラングは、「霞んだ・不明瞭な」という意味の「blur」と「day」を掛け合わせた単語です。
「曜日感覚がなくなって今日が何曜日だかわからないような日」という意味ですが、最近はTwitterにおいて、ロックダウンなどで「代わり映えしない日々」を表すのに使われています。
このような旬な言葉の意味と、裏にあるユーモアを理解するには、現代社会で何が起こっているのかを知っておく必要がありますので、時事ニュースも合わせてチェックするようにしましょう。
言語は人々のコミュニケーションツールなので、使っている人がその言葉をどういう意図と真意で使っているのか、質問をして確認することが大切です。
そして、スラングである場合は特に、そのことが重要になります。
理由は以下の3つです。
つまり、自分がそのスラングを使っても不自然でないのか、相手に不愉快な思いをさせてしまわないかは、ネイティブスピーカーに聞いてみないと判断が難しいということです。
また、1人ではなく、なるべく複数人のネイティブスピーカーに聞いて確認するのが理想的。
現代では、たとえネイティブのお友達や知り合いが周りにいなくても、オンラインレッスンを使えばネイティブスピーカーと気軽に話すことができますし、YouTube等でスラングの正しい使い方を解説している動画も多くあります。
ぜひ、「使ってみたい!」スラングがあったときは、そうしたサービスを利用して、スラングの見極めをしてみてください。
最後に、ネイティブ英語を意識しすぎて、スラングの学習ばかり優先的にやってしまう、スラングばかり使ってしまう、ということがないようにしましょう。
スラングは英語学習における最後のステップの一つであり、学習の中心に置くべきものではありません。
スラングを使う頻度は人によって異なり、場合によってはほとんど使わない人もいます。
したがって、まずは、英語スピーカーが一般的に使う表現にフォーカスしましょう。
スラングしか使えないが故に、ノンネイティブの人たちとコミュニケーションが取れない、記事や動画の内容を理解できない、となってしまっては本末転倒です。
スラングと正しく付き合いながら、英語学習の旅を続けていきましょう!