英語音読の総仕上げ!「感情」を意識した3つの総合的な訓練方法【英語音読トレーニング vol.3】

感情を意識した3つの総合的な訓練方法

英語力を高めるために「音読は大切だ」とよく言われます。

でも具体的にどうやって音読すればいいのかよくわからないという人のために、過去2回に渡って音読実践法をご紹介してきました。

最終回となる今回は、これまでの総仕上げとしての練習法をご紹介します。

様々な音読を段階的に行って、その効果を実感してみてください。

【以前の記事はこちら】
確実に英語の「発音力」を鍛える2種類の音読方法【英語音読トレーニング vol.1】
英語感覚を養う音読練習法「サイトトランスレーション」とは【英語音読トレーニング vol.2】

 

感情にこだわりながら音読の総仕上げを

感情にこだわりながら音読の総仕上げを

音読で特に意識したいポイントは大きく3つです。

【音読で意識したいポイント】
①発音
②文法と意味の理解
③感情

でもこれら全てをいきなり取り入れるのは難易度が高いので、一つずつポイントを押さえた練習をすることがまずは大切です。

初回の記事では「発音」、前回の記事では「文法と意味の理解」を意識した音読練習法をご紹介しました。

最終回の今回は、「感情」を意識した総合的な音読訓練方法をご紹介します。
 

イメージング読み

ここでは、リッスン&リピートとオーバーラッピング(第1回の記事参照)で培った発音、リズム、スピード感とサイトトランスレーション(第2回の記事参照)で確認したばかりの文法と意味の流れに加えて、背景や心情もイメージしながら総合的に読む練習をします。

素材の英文は、どんな状況で何をどんな気持ちで伝えようとしているものなのか、その人になりきったつもりで音読していきます。

この音読もスクリプトを見ながら行いましょう。やり方のコツは、これまでに練習した発音やリズムを意識しながらも、自分が意味や背景や心情をしっかりとイメージできるスピードで読むことです。

素早く読むことはできても、英文の理解が頭の中で追いつかず、発話の状況も話者の気持ちもイメージできなければ意味がありません。

いちいち頭の中でサイトトランスレーションのように、日本語に置き換えていく必要はありません。あくまで、こういう状況でこんな気持ちで伝えようとしている、という英語としての理解とイメージが、頭と心で追いつくスピードを大切にしてください。

何度も繰り返し、遅くともノーマルスピードと同じくらいのペースで理解しながら読むことができるようになることを目指しましょう。

ノーマルスピードでこれができるようになると、当該の英文に対する感性はかなり磨かれたことになります。発音ができ、意味も理解し、状況も気持ちも込めながら読むことができるわけですから、その感覚を手にできたときの喜びは相当なものになるはずです。

そしていよいよ音読の効力も感じてくるはずです。
 

「学ぶ」は「真似る」

学ぶは真似る

音読練習に用いる英文は、基本的に誰かが作った既存のものであって、学習者自らが作り出したものではありません。

そのため、音読練習はどうしても他人の英語を使わざるを得ないことになるのですが、目指すべきはそれを自分の英語と呼べるようになるくらいまで徹底して読み込むことです。

「学ぶ」の語源は「真似る」だと言われています。

完全に真似てしまうことで、最終的には自分の力にする。英語の学びもまた同じです。

私自身、この考え方を持って他人の英語を自分のものにできるよう、全力で真似をしてきました。

そもそもリッスン&リピートやオーバーラッピングから「真似」は始まっていたわけですが、ここで究極の「真似る訓練」をご紹介します。
 

シャドウイング

シャドウイングは最近の英語教育現場でもとてもよく取り入れられていますし、シャドウイング訓練を専門とした教材や書籍なども販売されているのでご存知の方も多いと思います。

シャドウイングは、聞こえてくる音声に付きしたがって読んでいく方法です。ただこれまでの方法と大きく違うのは、スクリプトを一切見ないで行う活動だということ。

音声を流し、聞こえてきた英語をそっくりそのまま真似をしながら、後から付いて読み上げていきます。影(シャドウ)のように付いていくことからシャドウイングと呼ばれています。

だいたい2、3単語くらい遅れて付いていくのが理想的です。

シャドウイングにはリスニング力が要求されますが、これまでに初回の記事からご紹介してきた訓練を経て何度も音読をしているはずですから、ある程度英文を覚えてしまっています。

覚えてしまっていたら意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、そうではありません。

「自分はこれまでに発音を練習し、意味もよく分かっている。背景や心情もイメージできている。だからこそ、正しく言えるものは正しく聞き取ることができる」

という当たり前の、言語能力の確認ができることもシャドウイングを行う目的の一つです。
 

実践方法

さて、では実践してみましょう。

音に集中し、聞こえてきた英文を理解しながら、あたかも自分がその英語を生み出し、相手に伝えるために、気持ちを持って喋っているかのようなイメージで行ってください。

発音、意味の伝達順序(文法の思考)、感情の全てを真似します。

最初のうちは音を追いかけることだけに必死になるかもしれませんが、それでも構いません。何度も何度も繰り返して、徐々に完成できるようになることを目指してください。
 

シャドウイングを行う際の注意点

ところで、シャドウイングという言葉の流行により、いきなりこれを実践する学習者の方は少なくありません。もしも心当たりがあるのであれば注意してください。

シャドウイングは身に付けた英語力の確認をベースに、さらなる定着と向上につなげるために行うものであって、最初からいきなり取り組むべき活動では基本的にはありません。

中級から上級レベル程度の英語力が付いてくると、実力の確認やより実践的な訓練として、いきなりシャドウイングを行うことも良いでしょう。

しかし、初級者や高校生くらいの、ほとんど音読訓練を行ってこなかった学習者にとっては、いきなりのシャドウイングは難易度が高い練習であることを知っておいてください。
 

リードアンドルックアップ

シャドウイングで一通り音読訓練を完了しても構わないのですが、それでもまだまだ足りないと思ったときは、リードアンドルックアップ(Read and Look Up)なども取り入れてみましょう。

この音読は、さらに英文を頭と身体に沁み込ませるために行うものです。
 

実践方法

やり方は、まずスクリプトを手に持って、英文を黙読します。意味の句切れのまとまり、または一文全体を黙読します。声には出しません。

一通り黙読で英文に目を通したら、今度はスクリプトから目を離し、顔を上げて今黙読したばかりの英語を声に出して読み上げます。つまり、黙読の間にそのフレーズや英文を暗記するわけです。

そして暗記したばかりの短い発話を、シャドウイングのときと同様に、あたかも自分の英語として相手に伝えているイメージで音読してください。

サイトトランスレーションで使用したプリントを用いて一行ずつ行ってもいいですし、文頭からピリオドまでの一文まるごとを一まとまりとして行っても構いません。使用している英文の難易度や長さなどに応じて適宜判断してください。

最初のタスクが完了したら、再びスクリプトに目を落とし、次のフレーズや文を黙読し、また顔を上げてこれを発話し、同じことを最後まで繰り返していきます。

リードアンドルックアップを行う時点で、最初のリッスン&リピートから数えて、すでに少なくとも数十回から百回ほどは音読していることが望ましいです。それだけやっていれば、一文まるごとを一単位として行ってもそれほど苦にならなくなるでしょう。

繰り返しますが、英文を自分のものとして頭と身体に沁み込ませ、自分のものとして発言することが最大のポイントです。

身振り手振りを用いたり、感情を声に乗せたりすることを意識すると、ますます英語らしさ溢れる音読ができるようになります。
 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は「感情」も取り入れた総合的な音読法としてイメージング読みとシャドウイング、リードアンドルックアップをご紹介しました。実は、これでもまだほんの一部の方法をご紹介したにすぎません。

音読は、それぞれのやり方に目的を持ち、それを実現させるために工夫することによって、無限のバリエーションを生み出すことができます。

例えば:

・リッスン&リピートで発音練習量を増やしたいとき、一度リスニングしたものを三度連続してリピートしてみる。
・リードアンドルックアップで英文をより頭に残したいとき、スクリプトから目を離して5秒待ってから読み上げることで脳に負荷をかける。
・発話力を高めるためにサイトトランスレーションを日本語→英語の順でやってみる。

などなど…

思い思いにやり方に変化を付けてみることもときには大切です。

また音読は、効果が得られるようになるまでには相当の練習量と時間が必要です。言語学習というのは本来そういうものであって、宣伝のキャッチコピーのようにたった2週間でペラペラになるとか、1か月でネイティブのようにスラスラ英語が出てくるようになる、というものではありません。

楽しんで英語を話す練習をしたい反面、苦労と努力、試行錯誤を重ね、工夫しながら自分に合ったやり方を探さなければならないこともあります。

音読は、他人の英語を自分の英語にするための通過点です。そのことをどうか心得て、たった数回声に出しただけで終わることなく、何度も何度も、自分の英語になるまで繰り返し練習に励んでください。