上田 哲也
(更新)
「TOEICのスコアだけじゃなく、英語が話せるようになりたい。でも本当にそんなことできるんだろうか?」
僕がこの記事を読んでほしいのは、こんなことを一度でも感じたことのある人たちです。
まず結論をお伝えすると、TOEICのスコアと、
話すための英語力を同時に伸ばすことは可能です。
TOEICでは、使える英語は身につかない、そう思ってる人はたくさんいます。
実際、僕はそう言っている人たちに、たくさん会ってきました。
きっとその原因は、TOEICがリーディングとリスニングしかないからなんだと思います。
でも、本当にそうでしょうか?
少なくとも僕は、そう思いません。
TOEICの点数と、スピーキング力は、一緒に伸ばしていけるもの、僕はそう確信しています。
TOEICは、ただのテスト。
だから、TOEICそのものが、その人の英語力を上げることも下げることもしません。
僕たちのスピーキング力を左右するのは、TOEICそのものではなく、
僕たち英語学習者が、TOEICとどう向き合うかということなんです。
TOEICのスコアと英語を話す力を両立させる、
それをするかしないかを選ぶ権利は、常に僕たちの側にあります。
スピーキング力を伸ばせば、TOEICのスコアもちゃんと上がります。
でも、「なんでそうなるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
その理由を簡単に説明するなら、こうなります。
英語を話せるということは、英語を「読む、聞く、書く」こともできる、ということ。
だから、読む力、聞く力が試されるTOEICでも、
英語を話せる人は、高い点数がとれるのです。
でも、スピーキング力が上がると、
なんで「読む、聞く、書く力」も伸びるのでしょう?
ちょっと例を挙げて見てみましょう。
例えば、現在完了形。
きっとこの文法は、みなさんが中学の頃に習ってるはずです。
でも、みなさんはこの現在完了形、会話の中で正しく使えていますか?
過去形とごっちゃになったりしていませんか?
きっと、これを使える人も使えない人も、いると思います。
じゃあ、現在完了形を使える人と使えない人の違いは何なのか?
それは、現在完了形をどれだけ「深く」学んだか、ということ、ただそれだけです。
英語を「学ぶ」というのには、段階があります。
①説明してもらえればわかる
②読めばわかる
③聞いてもわかる
④書くことができる
⑤話すこともできる
どんな人も、最初は①からのスタートです。
先生に説明してもらったり、テキストを読んだりして、
「ああこれが現在完了形なんだな」ってわかるようになります。
きっとみなさんも、中学生の頃、そんな体験をしたはずです。
そして、それが徐々に自分で読んだり聞いたりしてもわかるようになり、
一定のレベルに届くと、自分で自由自在に使えるようになります。
現在完了形を使って話せる人は、この区分で言うと⑤の段階にいます。
そういう人は、もうすでに①から④のレベルをすでに通過しているので、
それを読む、聞く、書くことができます。
逆に、それらのことができる前に、
現在完了形を使って話せる⑤のレベルにはなりません。
つまり、僕たちはこうやって順々に学びのプロセスを踏んでいくので、
話すために英語を学んでいれば、そのプロセスで、
読む、聞く、書く力も、必然的にカバーすることができるのです。
スピーキングの力をつけることをゴールにすれば、英語の総合力がつく。
だからTOEICのスコアもまた、そのプロセスで伸びる。
このシンプルな感覚を手に入れれば、TOEICの学習もずっとラクになるはずです。
TOEICのスコアの伸ばし方には、2つのパターンがあります。
①英語の話す力を伸ばしつつ、TOEICのスコアを上げる
②英語の話す力を伸ばさないで、TOEICのスコアを上げる
どちらを選ぶかは、英語をやる人の好み。
どちらが正しいということはありません。
でも、今回は僕はあえて、「話す力を伸ばしつつ、TOEICのスコアを伸ばす」ということにフォーカスしてお話ししました。
なぜなら、「英語は、人に気持ちを伝えられてこそ」だと、僕は思っているからです。
英語を話すということは、自分の言葉で相手を笑わせたり、喜ばせたりできることです。
本当に大事なことを伝えて、相手が泣いてくれることだってあります。
相手を怒らせてしまうこともあるけれど、
そこから仲直りできるのもまた、自分の言葉で相手に気持ちを伝えられるから。
僕自身、世界中の人と話がしたくて英語を学び、その結果としてTOEICのスコアも上がりました。
TOEICのスコアが上がるのは、結果としてのこと。
「話せるようになりたい」って頑張っていたら、自然とスコアはついてくる、これが僕が思う理想の形です。
だから、そんな僕自身の経験を、少しでもみなさんとシェアできたらと思って、この記事を書かせていただきました。
僕が英語学習を始めたばかりの頃は、ほぼ毎月、TOEICを受験していました。
なぜなら、TOEICには、僕にとって必要で、でも僕にとって足りなかった要素がたくさんあったからです。
TOEICには、僕たちが日常会話で使えるような表現もたくさん含まれています。
英語の話す力を鍛えながら、TOEICで高いスコアを取る、それは何も特別なことではありません。
TOEICの「ため」に英語を勉強するのではなく、
TOEIC「で」スピーキング力を高める、
そんな意識を大切にしてください。
そうすれば、必ず結果はついてきます。