英文をうまく要約するコツ|書き出しや書き方をお手本付きで解説

英文をうまく要約するコツ

「要約」と聞いて、なんとなく文章を短くまとめること、くらいの印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、いざ要約するとなると、何をどうすればいいのか分からなくて困ってしまった…なんて経験はありませんか?

今回は、英語の文章を要約するときのポイント実例付きでご紹介します。

要約は、コツがわかればそれほど難しくありません。

そればかりか、要約は自身の英語表現力を高めることにも繋がります。ですので、ぜひこの記事を通して学び実践していただければ嬉しいです。

要約とは

要約とは

まず、そもそも要約とは何か、そして注意すべき点は何か、ということについてご説明します。

要約は要点をまとめること

要約とは、一言で言えば「要点を自分の言葉でまとめること」

筆者が言いたいことをつかみ取り、余計な情報を排除して、自分の言葉で改めて簡潔に言い換えることが要約です。

そして大切なことは、本文を読まずに要約文だけを読んでも、本文の内容がある程度把握できることです。

でなければ要約の意味がありません。

これは、英語と日本語のどちらの文章を要約する場合も同じです。

ただし、英語と日本語の文章ではそもそも書き方に違いがあり、英語には英語特有の論説方法がありますから、要約を完成させるプロセスには違いがあります。

英語の論説方法と要約のやり方については、後ほど詳しくご紹介します。

要約は感想文ではない

要約は、感想文と違ってあなた自身の意見や考えを述べるものではありません

書かれてある内容に対して、「私はこのように思う」とか、「筆者はこう述べているが自分はこう考える」といった主観的な意見や考えは書かないことが基本です。

このことが分かっていないと、「要点をまとめる」という本来の意図から大きくはずれたただの感想文になってしまいかねません。

簡単そうに思われるかもしれませんが、いつのまにか筆者の述べていないことまで深読みして、気が付いたら自分の意見を書いてしまっていた、なんてことはよくあることです。

たとえば「人間の活動により環境が破壊されている。私たちはこれを防ぐために環境保全活動に取り組むべきだ」という内容の英文があったとして、これを「環境を破壊している人間は悪である」のように言ってしまうと感想文になります。

たとえ人間の活動による環境破壊が事実であり、また環境保全活動の必要について言及されていても、人間の資質そのものについて筆者が述べていないのであれば、「人間が悪」かどうかは読み手の感じ方だからです。

これは、要約が「自分の言葉でまとめるもの」だからこそ陥ってしまいやすいミスです。

あくまでも筆者が述べていることのみに注目して、そこから逸脱しないよう意識することが大切です。

要約は抜き出しではない

要約するときにやってしまいがちなことは、もとの文章(の一部)をそのまま抜き出してしまうことです。

これは大切な文だ、と思った箇所をそのまま抜き出して、これを繰り返すことで「まとめた」ことにしてしまうこともやりがちな誤りです。

それは単なる引用であって、要約とは呼びません。ひどい場合には、引用どころか盗作とみなされてしまう危険すらあります。

そうならないためにも、該当の文が言いたいことを、自分の言葉で言い換える意識が必要です。

試しに次の文を言い換えてみてください。

「最新の研究で、コーヒーは心臓疾患のリスクを減らす効果がある可能性が見えてきた」

たとえば次のように言い換えてみます。

「最近、コーヒーは健康に良いかもしれないことが分かってきた」

いかがでしょうか。このようにすると、意味内容を大きく変えずに、しかしそのまま抜き出すことなくまとめることができます。

コツとしては、「つまりどういうことか」を考えることです。

「心臓疾患のリスクを減らす効果の可能性」とはつまりどういうことか。

それは「健康に良い影響を与えうる」ということです。

少し抽象的に言い直していますが、このようにシンプルにすることで、言語的にも簡潔にまとめやすくなります。

英文要約のコツ|英語の論説文パターンを意識しよう

英文要約のコツ

要約をするにあたり、もとになる英語の論説文のパターンを知っておくことが大切です。

なぜならそのパターンを知ることで「筆者の言いたいことは何か」そしてそれが「どこに書かれているか」が分かりやすくなるからです。

典型的な英語論説文には、大きく3つの構成要素2種類の文が存在します。

英語論説文の3大構成要素

まず構成要素についてです。

■ Topic

一つ目は「Topic」です。これは論説文冒頭に書かれるもので、全体のテーマと主張(ときに結論まで)を述べます。

この時点で、筆者はこれから何の話をしようとしているのかが分かります。また、どのような意図で議論を展開しようとしているのか、ということまで分かることも少なくありません。
■ Body

二つ目は「Body」です。「Topic」で挙げたテーマや主張に対して、読者を説得するための根拠や具体例などを述べていきます。

科学的論証などを扱う論説文では、実験のやり方やそこで用いたデータ、得られた結果などが詳しく述べられます。
■ Conclusion

最後は「Conclusion」です。文字通り「結論」のパートで、「Topic」で述べた主張を再確認したり、ここまでの内容をまとめたりします

一般的に、「Topic」と「Conclusion」の内容は一致します。
これらの構成要素は、いわば「論説文の設計図」です。

設計図が見えれば、全体を支える柱が見えるようになり、要約するために必要な重要情報が取り出しやすくなります。方向を見失って見当違いの要約をしてしまわないためにも、ぜひこの設計図は頭に入れておきましょう。

英語論説文の2種類の文

次に2種類の文についてです。

上記の構成要素を具体的に文章として書いていくとき、以下の2種類の文が用いられます。

■ Topic Sentence

まず「Topic Sentence」と呼ばれる文で、これは通常1文目に書かれる、いわばリード文です。

この「Topic Sentence」の中に大きなテーマや主張が書かれます。
■ Support Sentence

二つ目が「Support Sentence」と呼ばれる文で、テーマや主張を裏付ける根拠を示したり、具体例を挙げたりするための文です。

まさにTopic(テーマ・主張)をSupportする(支える)ための文です。
先の構成要素に加えて、これら2種類の文によって英文ができあがっていることが分かれば、話のポイントをより素早く的確につかむことができます。

メリハリをつけた読み方をするためにもぜひ意識してください。

ディスコースマーカーに着目

上述の構成要素や文以外にも、論説文の論理展開を読み解くためのキーワードが存在します。

これを「ディスコースマーカー」と呼びます。

ディスコースマーカーには、たとえば次のようなものがあります。

  • but/however「しかし」
    →ここから先に重要なことや主張が書かれていることを示すキーワード
  • for example/for instance「たとえば」
    →ここから先に具体例が書かれていることを示すキーワード
  • also/in addition「また・加えて」
    →同種の内容や補足が追加されることを示すキーワード
  • while/on the other hand「一方で」
    →前後で何かと何かが対比されていることを示すキーワード

こうしたディスコースマーカーにしっかりと目を向けることで、論説文のより詳細な設計図が見えてきます。

3大構成要素、2種類の文、そしてディスコースマーカーへの着目は、要約に向けた情報整理をする上で欠かすことができない、読解のための技術と言えます。

英文要約の実例

英文要約の実例

ここまでの内容を踏まえて、以下の文章を要約してみましょう。
※①~⑦は便宜的に各段落に番号をふったものです。


Study: People Work Longer Hours at Home

①Research has found that people in many parts of Europe and North America are now working more hours than they did before the coronavirus pandemic began.

②Virtual private network company NordVPN Teams looked at how long people were logged into its private business networks. It compared data from before the pandemic to the period around March and April when many countries were locking down and more people started working from home, and also looked at data from January this year.

③The company found that, in January, people in Canada and the UK were working an average of two more hours than they did before the pandemic began, while Americans were working three more hours. Across all three countries, workers were spending an average of 11 hours a day logged into their business networks.

④People in Austria, France, Italy and the Netherlands were also spending an extra hour logged in, working between nine and 10 hours a day.

⑤"It's much easier to end up working for longer at home," said Dawn Morton-Young of human resources advice company Employee Angels, speaking to The Telegraph. She said that people answer emails before they get out of bed in the morning, don't take breaks, and may work later when they can't get everything done because of responsibilities with children at home.

⑥But not everyone is working longer. While people in Denmark were working an extra hour a day around March and April, by January they were working nine hours a day, just as they did before the pandemic.

⑦And people in Belgium, after increasing their work days by an hour in March and April, were working an hour less than they did before the pandemic by January, putting in just eight hours a day.

出典:DMM英会話「DAILY NEWS」(2/19/2021)


まず一読した上で、それぞれの段落の内容や主旨をまとめてみます

①は冒頭ですから、本文全体のテーマに関わります。

主旨:欧米諸国の多くの地域では、コロナパンデミック以前と比べて労働時間が増加していることが研究で分かった

②では、誰がどのような研究をしたかが書かれています。
研究内容:Virtual private network company NordVPN Teamsというある会社の研究チームが、在宅でビジネス用ネットワークにログインした時間を調査。コロナ以前と、コロナによるロックダウンのため在宅労働が始まった3~4月頃、そして今年の1月以降のデータを比較した。

③では主要国における調査結果が書かれています。
研究結果1:1月、カナダとイギリスでは平均2時間、アメリカでは平均3時間の労働時間の増加。3ヶ国の1日の平均ログイン時間は11時間。

④では上記以外の国の結果が書かれています。
研究結果2:オーストリア、フランス、イタリア、オランダは1時間の増加。1日では9~10時間。

⑤では人事・人材資源の専門家による、在宅での労働時間の増加理由についてのコメントが書かれています。
専門家の意見:在宅での労働時間の増加は、ベッドから起き上がる前からメールに返信し、休憩も取らず、さらに子どもの世話もしなければならないために仕事が進まず、遅くまで仕事をしているためと考えられる。

⑥では、必ずしも労働時間が増加しているばかりではない、例外的なケースについて書かれています。
研究結果3:デンマークでは、3~4月には1時間の増加が見られたが、1月までには以前と同様の9時間労働に戻った。

⑦では、デンマーク以外の同様のケースについて書かれています。
研究結果4:ベルギーでは、3~4月には1時間の増加が見られた後、パンデミック以前よりもさらに1時間短い1日8時間労働にまで減った。

①段落目「Topic」、②~⑦段落「Body」という構成になっていました。

Conclusionの段落こそありませんでしたが、全体的にシンプルで分かりやすい構成になっていることがよく分かります。

but/and/also/while といったディスコースマーカーにも注目できましたでしょうか。

英文要約にチャレンジ

さて、では上の英文を要約していきましょう。

コツは、「つまりどういうこと?」を考え、シンプルに話を落とし込むことです。

固有名詞や具体的な数字などもいくつか出てきますが、この文章の場合は内容的にあまり細かいことまでこだわる必要はないでしょう。

すると、以下の4つの大きなポイントが見えてきます。

  • 欧米でパンデミック以前と以降のデータを用いて労働時間に関する調査が行われたこと
  • その結果、欧米での労働時間が増えたこと
  • 家庭の事情がその原因として考えられること
  • 一部例外もあること

これら4つのポイントを押さえて、読者に伝わるように必要な情報を肉付けしながらまとめていきます。

まずは日本語の要約を。

「ある会社が欧米諸国において、コロナ以前と以降の労働時間を調査したところ、ヨーロッパと北米で平均1時間から最大3時間ほど在宅での労働時間が増加していることが分かった。専門家によると、子どもの世話をしながら仕事をするといった家庭での事情が原因であると考えられる。一方、当初は労働時間が増加したものの、今ではもとに戻った、または以前よりも少なくなった国もある」

おおまかな調査内容、場所、テーマとなっている労働時間の増加を示す数字、原因の一例、例外ケースに関する記述を加えました。

これくらい肉付けできれば、要約だけを読んでも、本文の内容をおおむね伝えることができます。

あとはこれを基にして英文を作ります。

以下は私が書いたサンプルですが、ぜひ参考にしてご自身でも練習してみてください。


【要約】
A company conducted a research on how many hours people in Western countries were logged into their business networks at home. They used data from before and after the coronavirus pandemic began and found that people in Europe and North America are now working one to three hours longer than they did before the pandemic. According to an expert, family reasons such as taking care of children and not being able to have enough time to complete their tasks could be a cause of this increase in working hours. On the other hand, there are some countries where, after increasing their working hours in spring last year, people are now working just as many hours as they did or even less than before the pandemic.

【要約和訳】
「ある会社が、西洋諸国の人々が在宅でビジネス用ネットワークにログインした時間に関する調査を行った。彼らはコロナのパンデミックが始まる前と後のデータを用いることで、ヨーロッパや北アメリカの人々がパンデミック以前と比べて今では1~3時間長く労働していることを発見した。専門家によると、子どもの世話などで仕事を完遂するための十分な時間が取れないといった家庭的な事情が、こうした労働時間増加の一因となっていると考えられるという。一方、昨年春に労働時間がいったん増加したが、今ではパンデミック以前と同じかそれよりも少ない労働時間になった国もある」

英文要約は英語力向上にも効果大

いかがだったでしょうか。

単に本文から大事そうな文を引き出して、なんとなくまとめたつもりになる程度の認識では良い要約はできません。

文章の構成を理解し、筆者の主張をとらえ、論理展開からその設計図を読み取る。

その上で必要な情報とそうでない情報を取捨選択し、盗作にならないよう自分の言葉に置き換え、読者に伝わるよう論理的かつ簡潔にまとめ上げなければならないという高度な作業です。

でもだからといって、要約は難しいものだとは思っていただきたくありません。

英語の論理構成に慣れ、練習を重ねれば必ず上達できるものだからです。

そして練習を繰り返せば、要約力が上がるだけでなく、ご自身の英語力そのものが大きく向上します。

要約を通じて英語の論理と感性が磨かれ、自分の言葉で書き換えることを通じて自ら英語を生み出す力が育まれるからです。

書くことは英語力アップに重要なトレーニングと言われますが、ぜひ要約から始めてみてはいかがでしょうか。