英語の記事、見出しまで読めてる?英文記事のタイトルを訳す3つのポイント

『Back to the Future(バック・トュ・ザ・フューチャー)』

1985年にアメリカで公開されて以降、世界中で多くのファンを魅了し続けている映画のひとつです。2015年の10月21日にタイムトラベルするという設定もあり、10月末には日本でもちょっとしたニュースになりました。

さて、この映画のおもしろさについて触れたいところですが、今回注目したいのは、“タイトルの付け方” です。

『Back to the Future』——。ちょっとした違和感を覚えませんか?

そう、「future(未来)」と「back(戻る)」という、普段ならいっしょに使う機会はほぼない2つの単語。これらが組み合わされている意外性が、人々の興味を誘うんですね。

このように、英語圏ではタイトルを付ける際、ユーモアを混ぜこむちょっとした文化のようなものがあります。

ネイティブでない日本人からすると少し難しいかもしれませんが、タイトルの裏に隠れたニュアンスを読み取れるようになると、英語のユーモアセンスを肌で感じられるようになりますよ。

今回は、実際にいくつかの英語見出しを例にあげつつ、英語タイトルの読解ポイントをご紹介します。

 

1. 直訳せず、セットで考える

英語の見出しを見るとき、まず押さえたいポイントは「直訳しないこと」です。正しい文法に基づいているものも中にはありますが、エンタメやゴシップ系記事などのタイトルはひと捻りされたものが多いため、直訳すると全く異なった解釈になることがあります。

例えば、

Fashion Entrepreneurs Stitch Together India and Pakistan

これを直訳すると、「ファッションの起業家がインディアとパキスタンを縫う」。なんだかよく分かりませんね。

この見出しを解説する前に、記事内容を簡単に説明します。

1947年にイギリス領インド帝国が解体し、敵対する二者がインド連邦とパキスタンとしてそれぞれ独立しました。これはインド独立運動における最大の悲劇とも言われ、両者の対立は今日に至るまで続いています。
しかし、ファッション業界においては対立どころか、むしろ互いを認めあっている部分が多々あります。両国間で輸出入も進めたい考えがあるため、ファッションの起業家たちがインディアとパキスタンをなんとか繋げようとしているのです。

そういった歴史的事情が背景になっていると理解した上で、もう一度見出しを見てみましょう。

すると、「ファッションの起業家がインディアとパキスタンを縫う」ではなく、「ファッションの起業家がインディアとパキスタンを繋げる」という解釈になりそうですね。

「繋げる」とそのまま表現するのではなく、あえてファッションにかけて「縫う」と表現することで、ウィットに富んだ見出しにしているのです。

単語を個々で訳すのではなく、セットにして考えることで、その後ろに隠された深い意味に気づくことができるかもしれません。

 

2. 別の単語に置き換えて考える

1. で紹介した例文のように、英語タイトルには、ストレートに解釈できる単語ではなく、少しひねった単語を用いることでオシャレに仕上げるような傾向があります。

解釈が難しいようでしたら、単語を似た意味を持つ別単語に置き換えて考えてみましょう。

When Classic Marries Modern in Architecture

直訳すると「クラシックとモダンが建物内で結婚するとき」となりますが、この記事の内容は結婚に関するものではなく、クラシックとモダンが融合すると建築デザインはどうなるのか、というもの。

間違った解釈に繋がってしまう要因として、ストレートに「組み合わせる」という表現ではなく「marries(結婚)」という単語を用いていることが挙げられます。

では「marries(結婚)」に似た意味を持つ「merge(融合)」という単語に置き換えて考えてみましょう。

このように、全く同じ意味合いではなくても、類似した単語に置き換えて考えることで分かりやすい文章に作りかえることができます。理解を深めるひとつの方法として是非活用してみてください。

 

3. 略語を用いている場合も

英語タイトルを解釈する上で、「直訳はしない」と最初にお伝えしましたが、政治・経済系の記事タイトルには私たちが知る正しい文法で構成されているケースが多くあります。

例えば、

Kering Q3 Sales Growth Beats Estimates

このタイトルは正しい文法に基づいて構成されています。

ただし、「Q3」という記号のような単語があるために少し分かりにくい文章になっていますね。この「Q3」は何かの略なのですが、わかりますか?

Q3 とは “third quarter(サードクオーター)”、つまり第3四半期を略したもので、Thirdの「3」とQuarterの頭文字「Q」を合わせて Q3 となります。

それを踏まえて考えると、「ケリング(企業名)の第3四半期の売り上げは予測をはるかに上回るものであった」と訳すことができます。

このように、正しい文法であっても、記号のような単語が含まれている場合は何かの略であるケースが多々あります。

 

まとめ

新聞・雑誌・インターネット・SNS——。現代では、さまざまなプラットフォームで数えきれないほどの英語の記事を目にする機会があります。よく英字新聞を英語学習に活用する人もいますが、ただ目を通すだけでなく、タイトルに込められた思いを読み解くように意識すれば、学習もより楽しいものになるのではないでしょうか。

英語というだけで急に難しく考えてしまいますが、知れば知るほど日本語にはない英語圏独自のユーモアセンスに触れることができます。海外の友人との会話も盛り上がるかもしれませんね。