【図解】コンプレックス解消!!「発音」に取り組むべき3つの理由

英語キュレーターのセレンさんに、英語に関する悩みを解決してもらう企画、第5回目です!

それでは早速今回の質問をご紹介します。

Q:英語の発音にコンプレックスがあります。英語の発音をよくするために何をすればいいでしょうか?また独学でこれまでやられてきたセレンならではの気づきなどもあれば教えていただきたいです。

英語を話せるようになりたい。その上で避けては通れないもの、それが英語の発音だと思います。また非常にコンプレックスの種になりやすいものでもあるとも思います。今回は具体的な練習方法と併せてマインドセットや知っておくとプラスになることを書きたいと思います。

まず、はっきりさせておきたいのが僕自身の発音はどうなのか、ということ。ざっくり言うと、殆ど通じないという経験はしたことがない、優しいネイティブならナイスな発音だね、と言ってくれる、といったレベル。ただ、発音矯正を受けたり、ネイティブにお世辞抜きの率直な意見を求めると、まだまだ自然な英語とは言えない、とも言われる、そんなレベルです。自然な英語を話すというのは本当に長い道のりです。どうやればいいのか、またどこまでやればいいのか?僕もまだまだ発展途上ですし、沢山の経験や模索をしてきたのが今回のテーマでもある「発音」です。

まずは具体的な練習法から紹介していきましょう。

真似て、真似て、徹底的に真似る!

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僕自身これまで多くの英語の発音が良い日本人に会ってきました。通訳レベルの人でも発音はバラバラです。ネイティブのような発音の人から、ちょっと日本人ぽいなと思う人まで人それぞれなんですね。後は仕事で英語をバリバリ使う人や、海外経験の長い人など、そういう人たちの中にも発音の綺麗な人が多くいます。そしてまた、逆にそうでない人もいます。

そしてそんな中から発音の綺麗な人にフォーカスし、詳しく話を聞いてみた結果、全ての人に共通している意識とやってきたこと、それこそが「徹底的に真似る」という事なんですね。この「徹底的に」というところがポイントで、自分なんかもこれまでやってきた経験上、この徹底的にという部分が欠けていたなあ、と思います。なんとなくやっちゃうんですね、大体こうだろう、とかこんな感じかな?みたいな風に。

そこの誤差が徹底的にやった人とやらない人の差になって発音が綺麗で自然な人と、そうでない人を生む、ということなんだと思います。

まず、第一歩目は発音そのものを知る事からです。母音や子音の構造が決定的に日本語と違うのでまずはそこを知らないと発音ができないんですね。泳ぎ方で言うとフォーム、です。きれいなフォームが無駄のない泳ぎを生み、強い推進力を生むように、英語の発音も先ずは口や舌の使い方を知る事が大事です。

ここに関しては、英語学習の最初の頃にやっておく事を強く強くオススメします。発音を知らないまま走り出すのは、かなり後悔することになると思います。ある程度のレベル以上になりたい、と思う時必ずクリアしないといけない部分なので、いずれまた戻ってきてやりなおすことになるからです。

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「とことん真似る、という経験を一度してみましょう!」

単語の発音だけでなく、文章の全体にも注目する

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英語の発音、などを本で学ぼうとすると大体の本が単語単位の発音で終わってしまうんですね。

cat はキェァッ
have はヘェァヴ

単語単位で学ぶ事も当然大事なんですが、より実践で英語を使うとなると単語だけで会話をするわけではないので、それだけでは不十分になってきます。

単語単位での練習の時点で大事な事は、母音、と子音、特に日本語にないものにフォーカスしてやるということです。appleの[a] や、importantの[i] などそもそも日本語にない音が沢山あります。それこそ firstと fast は両方カタカナで書くとファーストになりますが、実際の音は両方似ても似つかない音です。

work ワーク とwalk ウォーク、などはカタカナの振り方が逆、の典型的な例です。どっちかというと work がウォーク、 walk がワークに近いんですね。このようにカタカナがもたらす弊害もなかなかに甚大なものがあります。again はアゲインではなくアゲンに近いし、go もゴーではなくゴウに近いわけです。

この辺も沢山聞いていればわかるようにはなりますが、カタカナはあくまで補佐的な扱いにして聞こえてくる音こそが正解、という意識でいくといいと思います。ウェブ上にも発音の基礎を学べるところは沢山あります。

「英語発音入門」は老舗で基礎を知るには持ってこいです。

そしてやはり大事なのが単語単位の練習から早い段階でフレーズでの練習に、そしてそこから文章での練習という風に徐々に長くしていく事が大事です。長くなって大変と思われる方もいるかもしれませんが、アルファベット単位、単語単位で練習をした人はここから一気に成長するのでとても楽しくなってきますよ。

そして参考書や教材などを使わずに練習できる段階に入るのでこれまでの勉強勉強した雰囲気から解放され、より自由に好きな事にフォーカスしてできるようになる段階でもあります。

単語単位の練習から、フレーズ、文章と長くしていく中で次に大事になってくるのがシラブルとイントネーションです。さて、そのあたりの具体的な方法を挙げていきましょう。

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「目標は単語が言えることじゃなくて、文章が言えること、なんです。」

シャドーイングに挑戦してみよう

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これは文字通り、影のように文章を追いかける練習法。とても理にかなった練習方法で、多くの方が昔からやられてきたトレーニング法です。

音読など声を出して英語を読む事の大切さは今更言うまでもないのですが、お手本がなかったり、ガイドになるものがないので、独自の読み方になってしまったり、極端な例だと単語の読み方自体間違えてても気付かないままということもあります。

それに比べてシャドーイングというのは完全に聞こえた音をそのまま真似をする練習なので、勝手な解釈で間違える、という事は防げます。素材はなんでもいいですが、なんて言ってるかわからないもの、文字のスクリプトがないものをやみくもにしてもよくないので、1、難しすぎず、2、文字スクリプトがあるもの、を選んでみましょう。

ここで背伸びしすぎない事が大事です。あまり難しいものを選んでしまうと追いかけるのに必死になったり、意味が取れていなかったりと形だけ追う事になってしまい、大切なことを忘れてしまいがちです。

英語を発する時、シャドーイングの時であっても意味をわかって発するか意味のわかっていないものを発するか、で成長が大きく変わってきます。

やり方は流した音声を追いかけるように後から追いかけて文章を言っていく、それだけです。文章の切れ目やイントネーション、もちろん英語の発音にも注意しながらシンプルに追いかける、という練習法です。一度意味を理解したものを何も見ずにやるのが効果的です。そしてできれば感情などを乗せながら練習するとより効果的です。

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「勉強、ではなく、これはトレーニング。シンプルに量をこなしたい。」

仕上げは「オーバーラッピング」が効果的

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シャドーイングの仕上げ的な立ち位置の練習法ですが、こちらは追いかけるのではなく完全に重ねていきます。スクリプトを見ながらでもいいですし、覚えてしまっているものなら何も見なくてもできると思います。さすがに全部覚えてやるというのはハードルが高いのでスクリプトを見ながらやるのがいいと思います。

面白いのはオーバーラッピングをしながら音が完全一致すると音が打ち消し合って、イヤホンなんかをしてるときは自分の声が聞こえなくなる現象が起こります。徹底的に真似る、これの仕上げとしてオーバーラッピングは非常に効果的なのでぜひやってみてください。

ここで大事になってくるのがイントネーション、なんです。このイントネーションが日本人にとってかなりやっかいな代物なんです。逆に言うとこのイントネーションが自然に再現できる人の英語は非常に自然に聞こえます。

日本語やフランス語は抑揚のない言語と言われるくらい、文章の中で音程が波打つように変わったり、歌うように変化することがあまりありません。

母語なのであまり意識した事がないかもしれませんが、抑揚の強い中国語やそれこそ英語と比べてみるとよくわかると思います。

あまり音程に変化がないんですね。なので、その意識のまま英語を話すと英語も日本語の音程の感覚に引っ張られてどうしても抑揚のない、英語としては不自然なものになってしまいます。

逆の経験はないですか?例えばアメリカ人の話す英語を再現すると

コンニィチワァ〜ワタァシノナマァエゥワァ、マイコウデェエス!

みたいにやりませんか?

あれは英語の抑揚を日本語に反映してしまってるので、日本人では絶対そうはならない抑揚になってるんですね。ちょっと気をつけたいのは、じゃあ逆をやればいいのかと、極端な思い込みでやりすぎると、それまた少しやりすぎな英語になってしまうことがあります。

あくまで、ここでの練習を活かして音声についていくつもりで上がるところは上がる、という、まさに聞こえたままを再現していくとよいと思います。

完全にピッチやリズムが重なるとピタっとはまって、自分の声が聞こえなくなります。逆に言うと自分の声が音声を流しながら聞こえる、というのはズレた部分が聞こえるわけなので、そこは修正する必要がある、ということですね。

先に書いた、発音の綺麗な全ての人がやってきた「徹底的に真似る」というのを集約するとこのオーバーラッピングに行き着くのだと思います。ぜひチャレンジしてみてください。

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「自分の声がぴったりと重なる快感を感じてみてください!」

洋楽を歌ってみる

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こう書くと急になんか遊びみたいになった気がするんですが、実は英語の歌を歌うという事には発音の練習の大事な事のほぼ全てが含まれています。その中でももっとも大事な事が「シラブル」なんですね。

音節なんて言い方もしますが、音の最小単位でありリズムを生み出すとても大事なもので、英語の発音ということになると音だけにフォーカスされがちですが、このシラブルというリズムの部分も同じくらい大事なもので、実はここが不自然なことが日本人が英語の発音がなかなかスムーズにならない大きな要因なのだと思います。

そのシラブルの感覚がなかなか掴みにくいのと、一つ一つの言葉を練習するのは膨大な時間がかかります。また文章となって繋がり出すとまた変わってくるので、果てしない道のりです。そんな時に役立つのが実は歌、なんですね。

歌の中では音節は音符の数なんです。なので、シラブルがおかしいと歌えない、逆に言うと歌えれば自然なシラブルが勝手にできてしまってることになります。

日本語の歌の音符の数は文字数と完全に一致しますが英語はそうではないんですね、専門的な言い方をするとシンコペーションと呼ばれる半拍前倒しになってトトンッとなる16分のリズムなどがそうなのですが、一つの音符に


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という風に文字が割り当てられるんですね。そしてこのリズムこそが英語のリズムなんです。また英語の歌詞は日常の中で使われる言葉が多く使われます。日本語のように歌詞特有の言い回し、のようなものが少ないんですね。

話し言葉やそのまま使える表現が沢山含まれているので、ロスが少ないんですね。時間をかけた分だけ使えるようになるわけです。

自分が好きなアーティストがやはりオススメですが、特にいない、という人には少し古い歌手の中から、超王道ですが女性ならカーペンターズ、男性ならビートルズ、最近の歌手なら女性ならサラ・バレリス、男性ならマイケル・ブーブレなんかがオススメです。

song

洋楽を歌詞を見ながら歌うのに最適なサイトといえば「デジタルキャスト」がオススメです。

cellen

「カラオケでも人気者になれて一石二鳥(笑)」

自分の声を録音してみよう

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これは実は精神的なハードルが高いのでなかなかやらない人が多いんですね。でも本当の成長は現実を知るところから。まずは一度録音してみましょう。何かを読んでいるところでもいいですし、誰かと話しているところでも、もちろん1人で話しているところでもかまいません。これは練習法というより、現実を知る、という事が目的なんです。そこから始まる多くのことがあるんですね。

ああ、まだまだだなあ、とか意外といけてるなあ、とか。そして何より自分の成長の記録を残しておく事は後々の喜びに繋がってきます。よく自分の英語の成長がわかないという人がいますが、これをやっておくと一発です。

発音の伸びは英語の伸びとしっかりやっていればけっこう密接に繋がっています。後から聞いてみたりすると、このときはまだまだだったなあ、と逆に今の成長を感じる事ができます。

録音には色んなツールがありますが、スマートフォンでもあとは個人的なオススメはMacを使っている人ならデフォルトでQuickTimePlayerが入っていて実はそれに録音機能があるんです。僕はそれで録ってDropBoxに全て落とし込んで記録しています。

あまり深い事を考えず、気楽にちょっとやってみるか、くらいでやってみましょう。

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「気が進まないのはみんな一緒、だからこそ一歩を踏み出してみよう。」

発音を学習した方がよい3つの理由

さて、最後に発音をよくするメリットを挙げておきます。発音というとどうしてもめんどくさく思ったり、億劫になったりしてしまいがち。またバランスを失って発音だけ、にフォーカスしてしまったりもありがちなパターンです。発音だけにフォーカスしてしまうと、他の必要な事とのバランスが崩れてしまい、色んな事が本末転倒になってしまうケースがよくあります。バランス良く、発音も沢山の必要な事のなかの一つ、という広い視野で捉えて楽しく進めていきましょう。

1. コミュニケーションが取りやすくなる

まずは英語が通じないという所をクリアする為に発音は重要になってきます。後は極端に発音が日本語発音だったりすると相手に聞き取りの負荷をかけてしまう、ということが起こります。相手が頑張ってくれないと伝わらないんですね、要は。これはコミュニケーションにおいて相手に非常にストレスを与えてしまうので、やはり少しでも伝わりやすい発音を習得する事は大きなメリットがあります。

また頑張って話しても"Sorry? Come again?"なんて聞き返される事が続くと、どんどん自信がなくなってしまって、声も小さくなってしまって、さらに伝わりにくくなる、ということも起こってしまいます。

たまにネット上で「発音なんてどうでもいい、ネイティブならわかってくれる。」というような記事を見るのですが、注意してほしいのはどういう立場の人がその記事を書いているのか、なんです。そういう発言の殆どが海外でビジネス的に成功した人や会社を経営している人、のような「人を使う」立場の人なんですね。つまりその人の英語を聞く相手が頑張って聞いてくれるのはその人が仕事上、上の立場の人だからなんです。

対等な関係や、日常生活に於いての状況とは少し違った環境だと思います。やはり一般的な生活をし、色んな人と接し、理解しあい、人間関係を構築していくなかでは相手に負荷をかけすぎずに会話ができることはとても大事なことです。まずは伝わるレベルを目指し、大きな声でしっかり話す、これが大事です。

2. 心理的障壁がなくなる

英語の発音となると大きな問題がコンプレックス、なんです。殆どの人が自分の発音はもうどこで誰に聞かれようと問題ないレベルだ、とは言えず、寧ろどこかで自分の発音はちょっと…と思っているのではないでしょうか?

このコンプレックスを抱えたまま英語を学んでいく、というのがとてもよくない。そしてまた日本人は日本人同士の発音に非常に厳しい、という事情も相まって人前で話せなくなったり、ということが起こります。

さっきまで英語で外国の人と話してたのに日本人が来たら急に話さなくなる人、っているんですよね。「日本人には英語を聞かれたくない」というんです。

一番大事な事は自分自身の成長にフォーカスする、ということではないでしょうか。

自分の声を録音したり、自分をよく知っている人は他人の事をとやかく言ったりはしないものです。ですので、まずは自分自身で納得できるレベルまで発音を向上させることは非常にそういう観点からも大事なんですね。

余計なコンプレックスや外的なコンプレックスの力なども受けなくなります。そしてしっかり自分の考えを英語で述べたりコミュニケーションが堂々と取れるようになります。まずは、自分が納得できるまで、そこがゴールだと思います。僕は発音はファッションのようなものだと捉えています。

生まれながらにファッションセンスのいい人なんていないんですね。自分の好みのテイストや憧れの人から「盗み」ながら感覚を養っていく、その中でいいもの、悪いものを見極めるセンスをやしない、自分に似合ったものを選んでいくんです。まさに英語の発音そのものなんです。

ファッションでいうと、まず目指すべきは外に出ても堂々とこれが自分だといられるファッションであること、だと思います。この格好はいやだなあ、という服を着せられて大切な人に会うのはかなり精神的にきついと思います。発音も同じ、このくらいなら自分らしくいられる、というところを目標にしてみるのが、まずは最初のゴールなんだと思います。

3. 英語力の成長が加速する

極端な例をあげると

「Wednesday」を「ウェドネズデイ」という覚え方をしていては(中学時代の自分です・笑)その単語を使えないわけですね。その「ウェドネズデイ」を覚える労力は無駄なわけです。発音ができない、ということは学習をしていく中で多くのそういったロスを生みます。逆に言うと音を正しく聞け、発せるというのは様々な事を繋げ、それが加速していくんですね。

読む事が、正しく英語を発することにつながり、それが自身のリスニングにもつながる。音読する事がリスニングすることにつながり、1つの行為が2つの効果を生む。これが、発音ができないとなると読むことはただ読む事で終わります。この2次的な効果を生み、1つの事がいくつもの効果を生む事が、最大の効率化につながってきます。

全ての言語は文字より先に音がありました。文字から音が生まれた言語、というのは存在しないんですね。つまり、音のほうが先にくる。耳を信じる、音を感じる、このフィーリングが素直に受け入れられる人というのが発音がグンと伸びる人、なのだと思います。

音楽好きや映画好きの人には自然な英語を話す人が非常に多いんですね。

自分が納得できるところをゴールに設定する

最後になりますが、発音はあくまで自分自身が納得できるところ、をゴールにすることが大事だと思います。そうしないとネイティブみたいに話せないとそれは間違った英語だ、と捉えてしまい余計なプレッシャーを自分に課してしまったり、あの人みたいに話せないから自分はダメだ、と思ってしまったり。要するに他人と比べてしまうんですね。

語学は他人と競わない

これは僕は鉄則だと思っています。

あくまで、自分が納得し、自分が自分らしくあれる、そんなところをゴールにしてほしいと思います。

心地の良い服を着て、ドアの向こうの新たな一日に飛び出すように、ぜひ自分に胸を張れる発音を目指して、楽しんでみてください。僕も日々、ひーこら言いながら、自分に落ち込みながら、それでも前進しています。一緒に、そしてそれぞれに、頑張っていきましょう。

セレン