片岡香奈江
(更新)
「留学・海外滞在経験なし、3児の主婦が独学で36歳の時に始めた英語。5年後には教える立場に」
上記のように私の経歴をお話しすると、「学習法は?」とご質問をいただくことが多くあります。
今日はその「学習法」の中で、とりわけ『アウトプット』、またその中でも『書くことでのアウトプット』に焦点を絞り、お話していきます。
ライティングでアウトプットをする方法は「自分で自分が好きな時に学習できる」という利点があり、「文法の正確性と英語の感覚」を育てます。
「仕事・家事の合間、休憩時間に少しの時間を見つけ効率よく学習したい!」
「何かのテキストを暗記したものではなく、自分の気持ちを英語にして伝えてみたい!」
そんな方におすすめの記事になっています。
アウトプットには主に2種類あります。
2種類のうち、スピーキングがアウトプットの手段としてポピュラーかと思いますが、実はライティングもかなり有効なアウトプット手段なのです。
なぜだと思いますか?
それは、ライティングが「書くことにより、今の自分の英語力を試していく行為」だからです。
学習の進歩は「悩み」「弱点」を解消していく過程に顕著に表れていきます。まずはどんな悩み、弱点があるのか、例を見ながら考えてみましょう。
いかがですか。
上記には共通点があるのですが、お気づきでしょうか。
大きく二点です。
スピーキングによるアウトプットだと、すでに話したことの内容は二度と鮮明には戻ってこないので、照らし合わせて訂正したくてもその回答が手元にないので確認できません。
また、「使う」機会がないと忘れていくのは当然です。
一方、ライティングだとどうでしょうか。
正解例を手元に置き、日本語から英語にかえていく練習をする。CDなどを一時停止しながら聞き取った英語を書いてみる。最初は穴埋め問題のような、単語だけを書くことから始めてもいいでしょう。
その場で即自分でチェックでき、間違いが明確になるので、明らかな『手ごたえ』が感じられると思います。
書こうとした時に出てこない(書けない)箇所がある場合、そこがあなたの課題、取り組むべきポイントなのです。
実践する際、『実際に使う』意識を持って取り掛かって下さい。
私たちは普段日本語で生活しています。普段使用している母語が英語ではどういう並びに変わっていくのか、そこに集中し「自分が英語を使う」という意識で取り組むと、あなたの文法力と英語感覚は育ち、必ず定着します。
書くことはそれの強力な助けになります。
日本語を見て英文を作成する方法です。この時、正解は手元に置いておくと良いでしょう。
これを続けていくと、自分の間違いのくせがわかったり、できないところがよくわかるようになります。
実際に例文を使いながら、例えばどのような気づきがあるのか見ていきましょう。
上記の日本語文を見て、例えば以下のように訳したとします。
"movies" と "weekend" の間に入る単語が思いつかなかったとします。
それでは手元にある正解例を見てみましょう。
自分の回答と正解例を見比べて、例えば以下のような点に気づくことができます。
①「週末に」 "on the weekend" という表現
②習慣の行為の「大抵」は "usually" で表現できる
③主語の後には適切な動詞が必要
今回の例では、以下のようにある程度自信のある回答ができたとします。
今回は文法的には正解です。
では手元にある正解例を見てみましょう。
例えば、以下の点に気づくかもしれません。
①英訳する際に「ある」を "There is" と書き始めることが多い、という自分のくせ
②英語表現の正解は一つだけではない
③文の冒頭に来る英語(主語)を意識すると良い
前置詞がさっと書けない、動詞の形や時制に迷う、表現が単調など、書けない箇所=今の時点での弱点・克服すべき課題です。
日本語から英語へ変換する練習はとても有益です。
英文→日本語に訳す際は「なんとなく」理解ができてしまいます。でも日本語→英語にする作業は真っさらな状態、土台からものを構築するようなものです。
例えば、品詞を置く順番、その特徴などを考えながら英訳をします。「なんとなく」ではできないのです。
おすすめの教材は、
『どんどん話すための 瞬間英作文トレーニング』
(ベレ出版 森沢洋介著)
こちらは日本語から英語に変換するアプローチで、CD付、文法項目ごとに10ほど例文があります。長く続く会話文ではないので項目ごとに要点を絞って学習することができるでしょう。
ちなみにこちらの教材は、DMM英会話の提携教材にもなっています。
「書く」+「話す」のアウトプット学習法として非常にオススメなので、ぜひ使ってみてくださいね!
もう一つ効果的なのは、CD等を一時停止しながら聞き取ったものを書いていくという方法。スペルが乱れても気にせず、聞き取れたものはどんどん書きましょう!
★ポイント
単語の種類(品詞)ごとに色分けをしておくと良いでしょう。すると、その単語の特質、置かれている位置が塊ではっきりしてきます。
※全ての品詞(動詞、形容詞、副詞、名詞、前置詞、助動詞など)を一度に色分けしてしまうと見難くなります。また、焦点が絞りづらくなる可能性もあります。
今回は「動詞」「be動詞」を青、「副詞」はピンク、「前置詞」を赤、「形容詞」をオレンジで色分けしてみました。
いかがでしょう。
動詞は主語の後、副詞は単独でも使えて動詞の近くにある。前置詞の後は名詞が来る。形容詞の場所はbe 動詞、副詞の後、またgetとともに、
など、いわゆる詞の基本ルールがはっきり見えてくるのではないでしょうか?
また、TOEIC等のような時間配分やとっさの判断力が問われる試験や穴埋め問題にも強くなります。
アウトプットが足りないと言われると「話さなきゃ!」と思いがちですが、実は「書く」もかなり有効な学習法です。
書くことは一人でもでき、その場で問題点がはっきりします。
話したものは正確には残りませんが、書いたものは残ります。
ちゃんと書けるということはルールの定着を意味しますので、書ける英語は実際に使える英語なのです。