Erik
(更新)
グローバル化が進む社会で、誰しも英文を書く機会があるかと思います。
国際学会でプレゼンに挑む学生。海外の顧客との商談に備えるビジネスパーソン。訪日観光客を歓迎したい国内施設の担当者。そんなとき、自分が書いた文章に対して様々な不安があるかもしれません。
例えば:
・文法が間違っていないか
・自然な言い回しになっているか
・読みやすく、伝わりやすい文章か
・プロフェッショナルに仕上がっているか
実は、そんな不安を解消するのに役立つ無料のツールがネット上にたくさんあります。今回は、文章を書くことを仕事にする英語ネイティブも愛用している無料ツールをご紹介します。
スラングや口語的な表現の発展からもわかるように、英文は常に完璧である必要はないと思いますが、自然な文章が書きたい、プロフェッショナルな仕上がりにしたい、という方には価値のある記事内容になっていると思います。どのツールもサイトにアクセスしてそのまま使えますのでおすすめです!
簡単なスペルミスから、文法的な間違い、句読点、ワードチョイス、読みづらい文の指摘、より自然な言い回しの提案まで、様々な校正を提案してくれます。
使い方は直感的で、間違っている可能性がある部分には赤線が引かれ、そこにマウスを持っていくと校正案を示してくれます。さらに、書き手が目指している文章のスタイルを設定することで、それらを考慮した添削をしてくれるようになります。
例えば、Style(スタイル) という項目では Formal(フォーマル)と Informal(インフォーマル)から選択できます。
オンラインのサイト上で使える以外にも、ダウンロードしてデスクトップで使用したり、ブラウザ拡張機能を使って Chrome や Firefox で使用したり、さらには iOS にも対応しているため、iPhone で使うこともでき非常に便利です。
基本的には無料で使えますが、より多くの項目を校正してくれる有料版もあります。無料版を使ってみて気に入ったなら、有料版へのアップグレードも考えてもいいかもしれません。
▼ Grammarly
オンライン版:Grammarly Editor
ブラウザ拡張機能:Chrome、Safari、Firefox
Microsoft Office:Windows
デスクトップ:Windows、Mac
Grammarly Keyboard:iOS、Android
出典:http://www.hemingwayapp.com/
ブラウザで使用できる英文チェックツールで、Grammarly と違うのは、主に「文章の読みやすさ」を確認できる点。
Hemingway Editor は入力した文章をどうすればより読みやすくできるかを提案してくれます。特定の読者層だけでなく、万人にとって自然で伝わりやすい文章を書く必要がある人には大変おすすめのサービスです。
「読みづらい文章(黄色)」「非常に読みづらい文章(赤)」のようにチェック項目ごとに色分けされています。修正してみて良くなったと判断されれば色のハイライトもなくなるので、直感的でわかりやすいです。
長い英文は特に「読みづらい」と判断されやすいので、黄色や赤がたくさんある場合はより短い文章に分けられないか検討してみましょう。
右上に Readability(読みやすさ)を表した数値が表示されます。 Grade ◯ は「◯年生」という意味で、数値が低ければ低いほど多くの人にとって読みやすい文章、ということになります。Grade ◯ の下に Good(良い)、OK(まあまあ)、Poor(悪い)なども出るので参考にしてください。
▼Hemingway Editor
URL: http://www.hemingwayapp.com/
Thesaurus とは類義語や反意語を集めた辞書のこと。Thesaurus.com はそれのオンライン版です!
文章を書いていて、同じ単語ばかり使ってしまうこと、ありますよね。例えば "happy" と言う単語を、同じ段落で何度も使ってしまったとしましょう。
そんなとき、Thesaurus.com で "happy" を検索すれば、下記のように似た意味の表現をこれでもかと提案してくれます。また、類義語の下には反意語も並んでいます。
この中から自分の求めているニュアンスの表現を選ぶことで、読んでいてくどくない、バラエティのある魅力的な文章に仕上がります。
同じ単語を使いすぎないことを心がけることで自然と語彙力も増えていくのではないでしょうか。
▼Thesaurus.com
URL: https://www.thesaurus.com/
英語の「見出し」には、大文字のルールが存在することをご存知ですか?
実は、論文のタイトルや、記事の見出しなどは、通常の英文とは異なる大文字ルールが適用されます。タイトルにある名詞や形容詞は頭文字を大文字にする、冠詞、前置詞、等位接続詞は小文字にするなどの決まりがあるのです。
前置詞は5文字以上だと大文字にしても良いとか、タイトルのはじめと終わりは品詞に関わらず大文字とか、たくさんのルールがあるのでネイティブでも正直曖昧な人が多いです。しかも面倒なことに、文章スタイルによってルールが異なることもあります。
そんなルール確認の煩わしさから解放してくれる便利なツールが Title Case です。自分が書いたタイトルを入力して Convert(変換)ボタンを押すだけで、正しい大文字ルールを適用したタイトルに直してくれます。
例えば、今回のこのブログ記事は英語で "five best free online tools for writers(ライターのためのオンライン無料ツール5選)" とすることができます。これを Title Case に入れてみましょう。
タイトルを入力して Convert(変換)を押すと下記のように大文字のルールを適用した状態で出力してくれます。
Five Best Free Online Tools for Writers
"for" を除いて、全ての単語の頭文字が大文字になりました。もっと下にスクロールすると AP-Style(ガイドラインの一つ)版のタイトルも出力されます。多くの場合は変わりませんが、AP-Style を指定されている場合は念のため見ておくと良いでしょう。
▼Title Case
URL: http://titlecase.com/
出典:https://www.quickanddirtytips.com/grammar-girl
文法に関する疑問や、ライティングを上達させるための簡単でわかりやすいアドバイスを紹介している文法解説サイト。
もともとは Grammar Girl's Quick and Dirty Tips for Better Writing という名前のポッドキャストから始まり、今では文法以外の様々な分野をカバーするメディアに成長しています。
英語の文法に関する解説が英語で書かれていますので、中級者〜上級者向けのコンテンツかもしれません。しかし、その内容は的確でわかりやすいアドバイスばかりなので、少しでも疑問に思っていることがあればサイト上部の検索バーから検索してみてください。
よくある疑問に対して、もちろん理論的な話もしますが、多くの場合裏技的な解決方法を教えてくれるのが嬉しいポイントです。例えば「whoとwhomの使い分け」は下記のような導入から始まります。
出典:https://www.quickanddirtytips.com/grammar-girl
whom は代名詞 him と同じように最後の文字が M です。who か whom を使うべきか悩んだら、作ろうとしている質問文は he で答えられるのか、him で答えられるのかを考えてみましょう。him なら whom を使ってください。どちらも M で終わると覚えましょう。
この後にも2ページに渡ってより詳しい解説が書かれていますが、実際のところこの部分だけでほとんどの人は満足するでしょう。一目で知りたい答えがわかるので非常に助かります。
▼Grammar Girl - Quick and Dirty Tips
URL: https://www.quickanddirtytips.com/grammar-girl
ポッドキャスト:Apple Podcasts
英語ネイティブも苦戦する、ライティング。
今回は英語で文章を書くことを仕事にしている方も使っている無料のオンラインツールを5つご紹介しました。日英翻訳家として活動している筆者も、これらには大変助けられています。
最後に、簡単におさらいして終わりましょう。
Grammarly:文法の間違いやスペルミスを指摘してくれる英文校正・添削ツール
Hemingway Editor:文章の読みやすさを評価してくれる英文チェックツール
Thesaurus.com:類義語・反意語を簡単に調べられる辞書ツール
Title Case:英語タイトルの大文字ルールを適用して出力してくれる変換ツール
Grammar Girl:英語の疑問に対して裏技的な解決方法を示してくれる文法解説サイト
これらのツールは全て、サイトに飛ぶだけですぐに使えます。英文を作成する機会がありましたらぜひ活用してみてください!