Erik
(更新)
DMM英会話の大人気教材「デイリーニュース」の中から、前月に特に人気だったニュースをピックアップし、英語のポイント、文化や歴史、イマの社会情勢などを解説する人気企画「デイリーニュースで振り返る」。
今回は、「超高齢化社会と就業率」についてです。日本は「超高齢化社会」であるとよく言われますが、その影響もあってか、以前は定年とされていた60歳を超えても働き続ける人が増えています。
では、世界各国ではどのような状況になっているでしょうか?
本記事ではOECD(経済協力開発機構)のデータをもとに、日本と海外の「高齢化」や「労働力人口」についても触れていきたいと思います。
また、記事後半の「USER'S VOICE」では、デイリーニュース教材の醍醐味である「Discussion-議論」パートで実際のレッスンでどのような意見が出たのか、どのような議論が交わされたのかもご紹介します。
ほかの英語学習者がどのようなディスカッションをしているのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回選んだ記事はこちら。
More Japanese People Are Working After Age 60
60歳を過ぎても働く日本人が増加
冒頭で触れたように、日本では60歳を超えても働き続ける人が増加しています。デイリーニュース記事では、そんなデータをまとめた報告書について説明があります。
早速ですが詳しく見ていきましょう!
下記は、今回のニュースを要約したものです。内容把握や復習も兼ねて読んでみましょう。
「日本の内閣府は、60歳を過ぎても仕事を続ける日本人が増えていることを示す新しい報告書を公表した」
「報告書によると、2020年には60歳から64歳の71%が仕事を続けていることが分かった」
「最新のOECDのデータによると、他の先進国と比較して、日本人の55歳から64歳の就業率は77.1%だ。OECDの平均は60.7%とかなり低い」
▶︎デイリーニュース全文はこちら。
「雇用」や「仕事」のように訳すことができる英語表現です。
in employment と言うと「雇用中」「就業中」になります。ほかには employment rate「雇用率」「就業率」もよく使われる英語表現です。
「労働力」や「労働人口」という意味を持つ英語表現です。
total workforce のように使うことも多く、「総労働力」や「従業員総数」のように訳されます。
下記はOECD(経済協力開発機構)が公開しているデータをもとに作成した表で、「55歳〜64歳の就業率」と「全人口の高齢者の割合」を国別に比較したものです。
ここでの「高齢者」は65歳以上を意味し、「就業率」のデータは55歳〜64歳を対象としているため直接的な関係があるとは言えませんが、参考程度に一度各国の状況を見てみましょう。
国名 | 55歳〜64歳の就業率(*1) | 全人口の高齢者の割合(*2) |
日本 | 77.0% | 28.1% |
ドイツ | 71.6% | 21.5% |
韓国 | 66.2% | 14.3% |
オーストラリア | 65.6% | 15.7% |
カナダ | 62.3% | 17.2% |
アメリカ | 61.5% | 16.0% |
フランス | 55.6% | 19.8% |
イタリア | 52.8% | 22.7% |
OECD | 60.6% | 17.2% |
*1…OECD|Employment rate by age group 参照。2021年Q2または取得可能な最新のデータ。
*2…OECD|Elderly population 参照。「高齢者」は65歳以上。2018年または取得可能な最新のデータ。
WHO(世界保健機構)は、総人口における65歳以上の割合が7%以上だと「高齢化社会」、14%以上だと「高齢社会」、21%を超えると「超高齢化社会」と定義しています。
超高齢化社会になることで問題視されてきたのが労働力人口の減少。経済活動が鈍化し、GDP(国内総生産)も低下することが予想されます。また、国際競争力や税収が下がり、社会保障費の不足などさまざまな問題が発生する可能性があります。
上の表を見ると、日本は「全人口における高齢者の割合」と「55歳〜64歳の就業率」のどちらも諸外国に比べても非常に高いことがわかります。
先にも述べましたが、ここでの「高齢者」は65歳以上を指すのでこれらのデータに直接的な関係があるとは一概に言えませんが、それでも傾向として日本は「超高齢化社会かつ高齢者の就業率が高い」と言えるのではないでしょうか。
実際、今回のデイリーニュース記事に登場した報告書によれば、日本では60歳〜64歳の71%が、65歳〜69歳の半数近く、そして70歳〜74歳では約3人に1人が働き続けていることがわかっています。これは2010年のデータに比べて、各世代で10%以上の増加とのこと。
さらに、同報告書では日本の60歳以上の40.2%が、「収入のために働きたい」と回答していることもわかりました。これはアメリカの29.9%、ドイツの28.1%などに比べても明らかに高い水準となっています。
さて、ここまでのデータをまとめると、日本が超高齢化社会であることと、高齢者になっても働き続ける・働き続けたい人が多くいることがわかりました。
では、この日本の現状を、DMM英会話ユーザーのみなさんはどう捉え、どのように考えているのでしょうか?
最後は、実際のディスカッションで登場したみなさんのご意見を見ていきましょう。
「仕事は人間関係の大部分を占めるので、退職後の生活は寂しくなりそう」【40代男性】
「60歳を過ぎてからも働きたいというアメリカ人が多いのには驚きました」【30代男性】
「会社員としての仕事を定年した後に自営業を始める人もいるよ」【20代男性】
「彼らの働き続ける動機は何だろう? 経済的な理由? それとも健康のため?」【30代男性】
「私の父も75歳になりますが、まだ会社員として仕事を続けています。給料は前の7割だけど仕事が好きだから続けているようです」【30代女性】
「私の友達の中には退職後の最初の6ヶ月は楽しんだけど、その後は退屈になって仕事に戻りたいと思うようになったと言っていたよ」【50代男性】
「自営業だったり、手に職を持っている人は年齢に関係なく働けます。将来、より選択肢を持てるように手に職をつけたい」【30代男性】
いかがでしたか?
日本は高齢化が進んでいるという事実はご存知の方も多いと思います。
しかし実際に世界各国の状況と比べてみると、やはりその傾向が特に顕著であることがわかりますね。
実際のDMM英会話ユーザーさんの意見も、さまざまな声がありとても面白かったです。
ニュースを読むだけでなくその文化的な背景を知ること、より深く理解することで、英語学習もより楽しくなるのではないでしょうか。今後もデイリーニュースで楽しく英語を勉強していきましょう!
This blog features a Daily News article written by Ryan Coogan.