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伝記映画『ターナー、光に愛を求めて』の芸術家 J .M .W.ターナー特別展がゲッティミュージアムで開催

伝記映画『ターナー、光に愛を求めて』の芸術家 J .M .W.ターナー特別展がゲッティミュージアムで開催

先日、久しぶりに足を運んだロサンゼルスの映画館で、ある一つの伝記映画を観ました。作品の名前は「ターナー、光に愛を求めて」。

18世紀後半から19世紀に渡り活躍した一人の芸術家、J .M .W.ターナーのライフストーリーが描いた作品となっており、2014年カンヌ国際映画祭で受賞、アカデミー賞にもノミネートされております。
一緒に映画を観に来た友人は、かつてアート専攻で大学院に通っていた仲間だったので、「最高だった!」と感銘を受け興奮していました。

そこで今回はゴッホやモネなどの名画が並ぶ美術館、ゲッティミュージアムにて開催されている「ターナー展」へ行ってきました。美術館の魅力と合わせて、ご紹介いたします!

 

Who is J.N.W. Turner ?

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1775年、ロンドンにて理髪師の子として生まれた、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー。イギリスのロマン主義/表現主義を代表する風景画家です。

初期のターナーは写実的な風景を描いておりましたが、44歳の時の転機が訪れます。当時、西洋美術の中心であったイタリアは北欧の芸術家にとって憧れの地。ターナーも他の芸術家と同じくイタリアへと旅行にでて、イタリアの明るい陽光と色彩に魅せられます。そして大気と光の効果を追求する画風へと変化していきました。

 

ターナー氏の作品を鑑賞するため「ゲッティミュージアム」の特別展へ

J .M .W.ターナーの作品はダイナミックで実に美しい絵画ばかり。今回、映画の公開を兼ねてか、ロサンゼルスの美術館「ゲッティミュージアム」で彼の特別展が開催されるという話を耳にしました。

スクリーンや本の中で観ていた彼の作品を実際に生で鑑賞できるチャンス。ゲッティミュージアムは、ゴッホやレンブラントなどの歴史的絵画の他、美しい景色、建築、庭園も堪能することができる、観光地としても人気の高い美術館でもあります。

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ゲッティミュージアムでは、石油王であるJ・ポール・ゲッティ氏の莫大な美術品のコレクションを展示しています。

私はアート専攻の仲間と一緒に来ていたのですが、彼らと美術館に来ると必ず会話のネタになるのが「もし自分がゲッティ並の大富豪で、独自の美術館をオープンさせることができたらどのようなコレクションの内容にするか」ということ。
もし美術に興味がある方と一緒であれば、そういった会話も美術館の楽しみ方の一つかもしれませんね。

 

「Yellow Tint」黄色の濃淡で作品全体を覆うターナーの特徴的な表現

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Modern Rome – Campo Vaccino, 1839, J. M. W. Turner, oil on canvas

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Burning of the Houses of Lords and Commons, October 16, 1835, J. M. W. Turner, oil on canvas

今回の特別展では、ターナーが他界する前の15年間で制作された絵画の数々が展示されていました。60歳以降の作品ということで、この辺も映画の設定と同じ。光に影響を受けたターナーの作品には、太陽が反射する風景の明度を表すために、淡い色彩が多用されています。特徴となるのが、作品全体を覆う黄色の濃淡。英語では「Yellow Tint」と表現することがあります。

現在、ロサンゼルスのアートシーンは大変な盛り上がりを見せており、スプレー缶を使用するストリートアートやカリフォルニア州発端のアングラ/サブカルを起源としたユーモラスなアート運動「ローブロウ」が人気を高めています。

しかし、そういったストリートアートやローブロウにも精通している油絵専門の友人はターナーの運筆(Brush Strokes)具合や上塗り塗料(Varnish)についてじっくりと研究しており、クラシックな技法とは無縁と思える現代的なアートでさえも、やはり過去の芸術家に学ぶべき真髄はあるのだな、と改めて感じました。

 

美術館めぐりをしながら英語を学ぼう

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映画鑑賞とは違い、言葉がなくてもビジュアルから感動や共感を得ることのできるアート。
ロサンゼルスには、ここゲッティミュージアムの他にも、ノートン・サイモン・ミュージアム (Norton Simon Museum)ロサンゼルス郡立美術館(Los Angeles County Museum of Art)ロサンゼルス現代美術館(Museum of Contemporary Art)など、名作の数々を堪能できる美術館がたくさん点在しており、今回のJ .M .W.ターナーの自伝映画公開時のような、文化の流れとタイムリーである展示会も多数存在しています。

また、美術品を楽しみながら英語を学び、ボキャブラリーを増やしていくという方法も、面白みのある英語学習ではないでしょうか。例えば、抽象画が好きな人は「Abstract Art」というキーワードで展示会を探すことができますし、写実画であれば「Figurative Art」、また建築に興味があれば「Architecture」など、たくさんの用語を勉強することができます。

英語への入り口は自分の興味のある分野からが一番だと思いますので、芸術に興味のある人は、好きな美術用語を頭に入れながら美術館内を歩いてみましょう。

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J .M .W.ターナーの特別展はゲッティミュージアムにて2015年5月24日まで開催。映画館のスクリーンではなく、絵画で観る「平面の迫力」は圧倒的ですよ!