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Lは「ラ行」とは違う?! 意外にできていないLの発音法

Lは「ラ行」とは違う?! 意外にできていないLの発音法

L と R の発音の区別は、特に日本人が苦手意識を持ちやすいと言われています。でも、このうち L の発音は実は日本人にとってそれほど難しくないんです!

L の発音に関して気をつけるべきキーポイントは、「舌の動き」「発声位置」「口の構え」と「Dark L」のわずか4つ。

これら4つのポイントを押さえておけば、正しい L の発音ができるだけでなく、みなさんの英語発音が全体的にネイティブっぽく改善します。

この記事では、特に日本人が混同しやすい「ラ行」と R の発音とを比べたうえで、どうしたら L を正しく発音をできるか、方法を解説します。

ウォーミングアップ:Lを含んだセンテンスのリスニング

本題に入る前に、まずはウォーミングアップをしましょう。音声を聞いて、4つのセンテンスの聞き取りにチャレンジしてください。

いかがでしたか?

文脈が限定的なので、聞き取りづらかったかもしれませんね。

でも心配ありません! これからお伝えする L の発音の原理を押さえれば、確実に聞き取れるようになります。

答えは記事の後半にあるので、あとでぜひ確認してみてくださいね。

英語の発音に大事な舌の動き・口の構え・発声

ネイティブの発音は「深く響いて」聞こえる

L の発音方法の前に、英語の発音全般について考えてみましょう。

海外ドラマや映画などを見てみるとわかると思いますが、ネイティブの発音は「深く音が響いている」ように聞こえます。

「ネイティブのように」と英語発音の練習を重ねるものの、なかなかうまくできず、自分が喋った英語が「英語っぽく聞こえない」と思った人は少なくないのでは?

この原因の1つは「リズム」にあります。日本語のリズムは平坦なので「棒読み」になりがちですが、それに対して英語は「リズム言語」とも呼ばれ、「抑揚」をつけてリズミカルに話します。

普段平坦に話している日本人の私たちが、リズムのことを気にせずに英語を話しても、「英語っぽさ」が出ないのは仕方がないことですよね。

そしてもう1つの原因は、「舌の動き」「口の構え」「発声位置」が日本語と英語で根本的に異なることです。この3つのポイントについて理解するには、 L 以上に日本人が苦手とする R の発音を考えてみるとわかりやすいです。次のセクションで、この R の発音を使って解説します。

「舌の動き」「口の構え」「発声位置」

[r]の発音

R の発音をするときは「巻き舌」をするべきと思われがちですが、実は舌を「根っこから引く」のです。このとき口の形(構え)は「唇を突き出した状態」にして、「喉の奥」で発声します。

こうすることで、音が「こもって響く」ように聞こえます。
試しに R の発音を聞いてみましょう。

もう1つ、R の発音をするときに覚えておきたいポイントがあります。正しく発音できるよう唇を突き出した状態にすることです。この構えで発音すると、最初に「ゥ」と言っているように聞こえます。R を発音するときは日本語の「ウ」以上に 唇を突き出す必要があるのです。

【R音の基本フォーム】
R音の基本

このように「舌の動き」「口の構え」「発声位置」を意識すると、より「英語らしい」発音に近づきます。

L音の発音方法

[l]の発音

さて、英語の発音に必要なポイントを押さえたところで、本題の L の発音方法について確認していきましょう。

L を発音するための3ステップ

L をネイティブのように発音するには、3つのステップを踏む必要があります。

    1. 舌先を上前歯の裏にくっつける

L音は「舌先で発音」します。具体的には「舌先を上前歯の裏につける」のです。

試しに一度舌先を上前歯の裏にくっつけてみましょう。少し喉が閉じる感覚がありませんか?

舌の位置によって喉の開きも変わるため、L で始まる単語を発音するときは、最初に小さく「ン」の音が入っているように聞こえることがあります。

このように L の発音は喉が少し閉じた形になるので、舌を口の奥に引くことでこもった音になる R とは異なり、「クリア」に聞こえるのです。このような L の音は、しばしば「Clear L」とか「Light L」と呼ばれます。

    1. 口の構えは自然体で

R 音では思い切り唇を突き出した口の構えをしましたね。一方、L の発音をするときは唇を含めて口全体をリラックスさせます。

    1. 喉で発声する

舌先を上前歯の裏にしっかりつけた状態で、「ル」と発声して喉を震わせましょう。R のときは音が喉の奥で響いていましたが、L は喉を起点に音が出ます。それと同時に舌先を上前歯から離せば、L 音の完成です。

【試しに聞いてみよう】

日本語の「ラ行」との大きな違いは発声位置

日本人が L を発音するとき、何かがネイティブの L と違って聞こえますよね。この原因は、日本語の「ラ行」と同じように発音してしまうことにあります。

「ラ行」と L の発音は基本フォームが異なるので、注意しないと英語っぽく聞こえません。2つの違いに気をつけるためにも、「ラ行」の特徴を確認してみましょう。

【ラ行の特徴】

    1. 舌先の位置は L より少し手前

試しに「ラリルレロ」と言ってみましょう。舌先が上前歯の裏ではなく、上顎が丸くなりはじめるところに当たっているはずです。

    1. はじいて発音する

「ラ行」を発音するときは、上記の位置で舌をはじきます。

また、英語は音を喉で響かせるのが特徴ですが、日本語の場合は響かせずに口先で発声します。舌をはじくと英語のような響きは出ないのです。

個人的な意見ですが、よりネイティブに近い L の発音を目指すには「舌の位置」はもちろんのこと「発声位置」にも注意する必要があります。

日本人の私たちがカタカナ英語を脱するには、欠かすことのできないポイントです!

さて、ここで改めて L 音の基本フォームを振り返ってみましょう。

Lの発音方法

Dark L: travelの発音が「トラベル」じゃないのはappleと同じ原理

apple の発音は「アッポー」だと聞いたことがありませんか? ピコ太郎さんの曲「PPAP」でもおなじみですよね。people を「ピーポー」と発音するのも、意外と体に染み込んでいる人が多いのではないでしょうか。

「アップル」ではなく「アッポー」と発音する原理は、「Dark L」という発音ルールに基づいています。

「Dark L」は、「単語の最後のLが『オ』のような音に変化する」ルールです。

このルールを適用すると、travel は「トラベル」ではなく「トラヴォ」のように発音します。novel は「ノヴォ(またはナヴォ)」になります。

でも不思議ですね、apple も people も L スペルはで終わっていません。これはなぜなのでしょうか?Dark Lのルールについて、詳しく見てみましょう。

陽キャのLight L vs 陰キャのDark L

先ほど触れたように、通常 L の発音は「Light L」や「Clear L」と呼ばれ、明るくクリアに聞こえます。これは舌先と発声位置によるものだと確認しましたね。

特にルールはありませんが1点だけ、「L +母音」のときには Light L になるということが法則化されています。

  • large
  • light
  • like
  • black
  • block

試しに音源を聞いて確認してみましょう。

その一方で、暗くこもったように聞こえる L もあり、これは「Dark L」と呼ばれています。

今っぽく例えるなら、Light L が「陽キャ」、Dark L が「陰キャ」と捉えておくといいでしょう。

Dark Lのルール

Dark L はその名の通り、「暗い」音になります。ざっくりと「単語の最後の L は Dark L になる」と覚えておくといいでしょう。

Dark L はまるで R 音のように、舌の位置をその根本から引いて、喉で発声します。そのため、R のようなこもった暗い音になるのです。

特にアメリカ英語では舌先をどこにもつけずに発音するので、より R に近い音に聞こえます。このせいで、日本人にとって L と R の音がますます聞き分けにくくなっているわけです。

イギリス英語の場合は舌先を軽く上前歯に触れさせるので、Clear L のような音が少し残ります。日本人にとっては、イギリス英語の方が聞き取りやすいかもしれませんね。

Dark L と R 音との最大の違いは「口の構え」です。R 音では唇を突き出しますが、Dark L の場合は Clear L と同じように口や唇を自然体に、リラックスさせます。

その構えのまま舌を引くので、「オ」や「ウ」のような曖昧な音に聞こえるのです。

語尾が L で Dark L の音になる単語は、以下のようなものがあります。

【語尾が L の単語】

  • cool
  • girl
  • normal
  • novel
  • real
  • travel
  • will

Dark L には、基本ルール以外に2つの法則があります。

「L+子音」「語尾がL+サイレントE」の場合です。

【L +子音】

  • old
  • milk

【語尾が L +サイレントE】
サイレントE は発音しない E のことを指します。単語が E で終わるときは、この E は読まないルールなのです。

こうして E がないものとしてみなされるので、その前にある L が実質発音する最後の音となります。

そのため、Dark L の「語尾がLのとき」という基本ルールが適用されるのです。

  • apple
  • people

さきほどの apple と people の発音の謎は、これで解けましたね!

ここで改めて、Dark L の基本フォームを確認してみましょう。

Dark L の基本フォーム

ウォーミングアップの答え

今回のウォーミングアップが聞き取りづらかった理由は、L 音だけではなくリンキング(音と音がくっついて1つの音に聞こえる)やイントネーションなど英語特有のリズムも影響しているかもしれません。

しかし L の音に限っていえば、下線部分が Dark L になっているため、より聞き取りにくくなっていました。

  1. I like to travel.
  2. He will release a new novel.
  3. People around the world have to adjust to new normal.
  4. I met a girl at that bar, and she was really cool.

L音の聞き取りと発音強化の具体的な練習方法

L 音の強化には、ディクテーション、音読、シャドーイングと Tongue twister(早口言葉)などの方法が効果的です。

ディクテーション

ディクテーションでは、音声を聞きながら書き取りをします。こうして書き取ってみることで、「イメージしている音」と「リアルな音」のギャップを埋めることができるようになります。

例えば、travel の音を「トラベル」とイメージしていると、「トラヴォ」という音を聞いても反応できませんよね。書き出す作業で、自分の弱点となっている音が何かを「見える化」できるのです。

音読・シャドーイング

英語は音声が重要な役割を果たす言語です。そのため、「何度も声に出す」ことが音を習得するためにも欠かせない練習になります。

実際に声に出すことで、苦手な音やリズムが悪い部分を把握できるようになるのです。

また、上達のためには定期的に録音して、「音」と向き合うようにしましょう。

1回目を録音しておいて、10回目、20回目、30回目と練習回数を積むごとに中間地点を設けて録音してみてください。

1回目と10回目にそれほど差がないという方でも、1回目と20回目、30回目ではまるで別人のように聞こえるでしょう。こうすることで成長の過程もしっかり認識できますよ。

変化を体験することでモチベーションの持続にもなりますから、オススメです。

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Tongue twister(早口言葉)

Tongue Twister は早口言葉のこと。素早く発音することが求められるので、大きな負荷がかかり、発音矯正に有効だと証明されています。

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最後に

発音に苦手意識のある方にも「Lの発音って意外と簡単!」と思えていただけたのではないでしょうか。

特に“Dark L”の攻略は英語っぽさを増強してくれるツールですので、声に出してたくさん練習してみてください。