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なんと開通111年!知られざるニューヨークの地下鉄事情【New York 101 – Vol003】

なんと開通111年!知られざるニューヨークの地下鉄事情【New York 101 – Vol003】

101(ワン・オー・ワン)とはものごとの基礎、基本、または入門講座のこと。このコラムでは毎回、多彩で雑多でホットでクールでクレイジーで奥の深い魅力に溢れたニューヨークのベーシックを、英語のワンフレーズ紹介と共にお伝えしていきます。

NYの地下鉄は、サブウェイ? メトロ?

Vintage style subway entrance, New York City

都市としてニューヨークの大きな魅力のひとつが、「地下鉄で市内どこでも行けてしまう」ことです。買い忘れた牛乳ひとつのためにも必ず運転しなければならない車社会アメリカにおいて、これはとてもユニークなことなのです。

ニューヨークの地下鉄は"Subway"と呼ばれます。L.A.やワシントンD.C.では"Metro"と呼びますが、ニューヨークではなぜか"サブウェイ"なのです。通行人に「メトロの駅はどこですか?」と尋ねると、「は?」という顔をされてしまいます。

ただし磁気式の地下鉄乗車券は"MetroCard"と言います。なぜそうなのかは分かりませんが、ニューヨークにはこんな小さな不思議が時々あります。

 

Subwayの乗車料金

3d pins and subway map

ニューヨークの地下鉄はどこまで乗っても2.75ドルの圴一料金です。たとえばブルックリンからマンハッタンを経由して、ブロンクスまで1時間半乗っても変わりません。乗り換えを何度しても同じです。うっかり乗り越してUターンしても、いったん改札を出ない限り追加料金はありません。市バスも同じメトロカードで乗れてしまいます。

料金はちょうど今月(2015年3月23日)に値上がりしたところです。1回のみ乗車できるメトロカードは"Single Ride"と呼ばれ、2.75ドル。1週間乗り放題の"7-Day Unlimited"カードは31ドル、30日間乗り放題の"30-Day Unlimited"なら116.50ドル。20ドル、50ドルなど、好きな金額を投入できる"Pay-Per-Ride"カードもあります。

そうそう、メトロカードは改札にある金属製の溝にスライドさせますが、ニューヨーカーはこの動作を"slide"と言わず、"swipe"と言います。クレジットカードも同じく"Swipe your card."と言います。ただし"slide"と言っても通じるのでDon't worry!

 

パフォーマンス

ニューヨークの地下鉄の楽しみは、なんと言ってもたくさんいるパフォーマーたちです。駅構内やプラットフォームだけでなく、時には車両の中でもいろいろなパフォーマンスが繰り広げられます。アカペラ・コーラス、ヒップホップ・ダンス、ヴァイオリン、スティール・パンと呼ばれるカリブ海の楽器、中国の胡弓、タップダンス、パントマイム。果てはノコギリをヴァイオリンのように演奏するミュージシャンまで!

実は年に一度、交通局主宰のオーディションがあり、合格すると"Music Under New York"と描かれたバナーが貰え、大型駅のコンコースなど乗降客が多く、チップが稼げるスポットが割り当てられます。

オーディションに受からなかったパフォーマーはあちこちにゲリラ的に出没します。これは違法行為なので、警官に見つかれば罰金です。けれどそれしきのことは何のその。皆、ハデに歌い、踊り、オーディエンスも優れたパフォーマンスにはチップを惜しみません。チップはもちろん任意ですが、特に写真やヴィデオを撮った場合には渡すべきでしょう。いずれにせよ、ニューヨークのパフォーミング・アートの層の厚さはこんなところにも理由があるのですね。

 

歴史

Vintage toned image of New York City subway car

ニューヨークの地下鉄は1904年に開通しました。今年でもう111年。どうりで古いわけです。多くの駅にアンティークなレリーフの駅名標示盤が残っています。開通から何十年も経った後の修復工事の際に、それぞれの地区の歴史や風物を描いたモザイク画を嵌め込んでいる駅もあります。電車に乗る前にちょっと足を止めて眺めると、なかなかの味わい深さです。

その一方、古くなってペンキが剥げてもなかなか塗り直せなかったり、清掃も行き届かず、壁の白いタイルが煤けて真っ黒になっていたりして、「これがニューヨークの駅?!」と驚くこともしばしば。この両極端さがまた、ニューヨークならではと言えないこともありませんが……。

 

ミュージアム&グッズ

Antique clock in main concourse of Grand Central Terminal

もう使われなくなった古い型の車両や改札などを展示した「ニューヨーク・トランジット・ミュージアム」がブルックリンにあります。昔、車両内に貼られていたレトロなポスターも時代の変遷がよく分かり、興味深いです。

特に楽しいのはミュージアム・ストア。

地下鉄マップやメトロカードをモチーフにしたTシャツや傘、ステイショナリー、路線別の色違いテディベアなどオリジナル・グッズがたくさんあります。地下鉄の歴史をひも解ける写真集も面白いですし、メトロカードが導入される前に使われていた地下鉄乗車専用のトークンと呼ばれるコインを使ったアクセサリーはなかなかシック。ニューヨーク・フレイヴァーたっぷりの、ちょっと変わったおみやげにもいいですね!

Now, let's take the subway to feel NYC!