Yoko
(更新)
人に何かをお願いするときには、できるだけ丁寧な表現を使いたいですよね。
英語にも丁寧なお願いの表現は数あれど、その中でも「Could you 〜?」と「Would you 〜?」はよく知られたフレーズです。
両方とも「丁寧な表現」と言われますが、この2つの違いって、一体何なのでしょうか? 正しく把握している人は、意外と少ないかもしれません。
そこで今回は、Would you 〜? と Could you 〜? の使い分けのポイントを解説します。
まずは、Could you 〜? と Would you 〜? それぞれの意味を確認しましょう。
丁寧な表現をしたい場合、英語では直接的な表現を避けることが多々あります。話の内容が「現在」のことであっても、could(can の過去形)や would(willの過去形) といった助動詞の「見せかけの過去形」を使うと、「仮定法」のような意味合いが付け加えられ、遠回しな表現にすることで丁寧さを表現するのです。
could や would など助動詞の過去形についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
実は could you と would you の2つは、元となる can と will を比べたときに、そもそも意味合いが違うのです。
例えば知らない人に英語で道を尋ねるとき、あまり迷わず Could you 〜? を選ぶ方が多いのではないでしょうか? (もちろん Can you 〜? でもOK)
can の意味は皆さんご存じの通り「〜することができる」です。
ability つまり「能力」を表すことから、Could(Can) you 〜? は「能力的または物理的に実行可能かどうか」にポイントを置いた依頼になります。
Can you〜? とお願いをした場合は丁寧さが抜けて、よりカジュアルな意味になります。親しい間柄で使われることが多いですよ。
Would you 〜? も Could you 〜? と同じように「見せかけの過去形」であり、would の元の形は will です。
will は「〜するつもりである」という意思を表す単語なので、Would(Will) you 〜? は相手に「快くそうしてくれる意思があるか」と尋ねる質問になります。
そのため、Would(Will) you 〜? は相手が能力的・物理的にそれができると分かっているときに、「〜してくれますか?」と意思を確認していることが多いのです。
例えば、
これには「音量を下げる意思があり、そうしてもらえますか?」というニュアンスが隠されているのです。
これと同じ場合に、Could you please turn down the music? と聞くと、意地悪な人なら
と答えることもできるというわけです。
先ほど説明した通り、will には意思を表す役目があります。
そのため、単純に「〜するつもりですか?」と聞くときには will を使うのです。
それとは別に、会話のなかでは親しい人や家族との場面で、カジュアルに依頼したり命令の意味を込めて使うことがあります。
海外ドラマなどで子どもが「早くしなさい!」と怒られているときに、このような使い方をされているのを耳にすることがあるかもしれませんね。
最初に登場した、知らない人に道を尋ねるシーンを例にとってみましょう。
この2つの文のポイントはそれぞれ以下のように異なります。
Could you 〜?: 相手が道を教えることは可能か
Would you 〜?: 道を教えてくれる意思があるか
ここでさらに押さえておくべきは、知らない人に道を尋ねた場合であるということです。
知らない人ならば、その人(Aさんとします)が駅までの道を知っているかはわからないですよね。もしかすると、Aさんもたまたまそこに居合わせただけで、その土地についての知識はあまりないかもしれません。
この場合、Aさんが道を知らない可能性を考えると、Could you 〜? を使う方がしっくりきますよね。道を尋ねるときには、実際に Would you 〜? よりも Could you 〜? のほうが圧倒的に多く使われています。
ところが、なかには次のように両方とも使われるケースもあります。
これも Could you 〜? は「相手ができるかどうか」を尋ねているのに対し、Would you 〜? は「相手にその意思があるか」を尋ねていることは変わりません。ただし、窓を開けるという行為については知識によらず誰でもできることですよね。
そのため、どちらを使っても問題がないわけです。シチュエーションやお願いする相手との関係性によって、適切な選択をするといいですよ。
「〜していただけませんか?」と丁寧にお願いしたいけれど、Could you 〜? と Would you 〜? のどちらを使えばいいか分からない! という場合には、次のような表現を覚えておくと便利です。
直訳は「〜するのを嫌だと思いますか?」ですが、遠回しな「〜していただけませんか?」という意味になります。
例えば、車で迎えに来てもらいたいというような場合はこんな感じ。
ここで注意すべきは、Would you mind のあとが picking と動名詞になっていることです。動詞の mind は、動作を目的語とするときに「to不定詞」ではなく「〜ing動名詞」をとるので、覚えておきましょう。
この Would you mind 〜? は日常の丁寧な「〜していただけませんか?」にとてもよく使われるので、覚えておくと活用する場がたくさんあるはずですよ。
また、この返答として考えられるのは、次のようなフレーズです。
「いいよ」と答えているのに No を使っていますね。
「〜していただけませんか」を軸に考えるとわかりづらくなりますが、「〜するのを嫌だと思いますか?」をベースに考えてみましょう。「〜するのを嫌だと思いませんよ」という文脈になるので、mind〜 を使ったお願いを受け入れるときには、No を使うわけです。
混乱してしまいそうですが、mind という言葉の役割について考えると、理解しやすいですよ。
これはとっても丁寧な「〜していただくことはできますでしょうか?」という表現です。
このように相手にとって少し面倒なことを丁寧に頼む場合によく使われ、Would you 〜? や Could you 〜? よりもさらに丁寧な表現とされています。
Could you 〜? と Would you 〜? のニュアンスの違いは、何となくつかめたでしょうか?
can と will の違いをきちんと押さえることで、その違いが理解しやすくなるかと思います。
英語の丁寧表現のルールやその他の丁寧表現は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてくださいね。