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2014.10.12

お世話になったネパールに恩返しをしたい 筋田雅則さん

筋田雅則
筋田雅則さん

筋田雅則

1945年生まれ。岐阜県各務原市出身。会社員として働くかたわら、岐阜県山岳連盟などでも活躍。25歳で初めてネパールを訪れ山々に魅せられて以降、度々ネパールに通うようになる。その後、ネパールで出会った登山仲間と学校づくりを開始し、38校もの学校を建設。
2004年よりネパールに拠点を移し、「銀杏旅館」を経営しながら、4人のネパール人の子供を養いつつ、各地でボランティア活動を行っている。

ホームページ
http://nepalnepal.blog25.fc2.com/

まっつんです。

今回はネパールの首都カトマンズにて、旅館を経営しながら、4人のネパール人の子供を養い、各地でボランティア活動を行われている筋田雅則さんにお話をお聞きしてきました。

ネパールの現状を何とかしたい

現在の活動に関して教えてください

ネパールの首都カトマンズから車で1時間ほど離れた場所で「銀杏旅館」という旅館を営んでいます。貧しい村の支援活動をしているのですが、ボランティアで訪れた方に利用してもらったり、私自身この旅館を活動拠点としています。

あとは、ここでネパール人の子供4人の支援をしてながら一緒に暮らしています。
日本で結婚していて孫もいるので、実の子供ではもちろんないですが、
生活費や学校に通う資金などを支援しています。

彼らが生まれた村、ラムチェ村というのが山奥にあるのですが、ネパールでもとりわけ貧しい地域です。この村には高校がなく、また外の高校にも通うのも物理的に難しい状況です。

ただ、彼らにはやる気があり、何とか助けてあげたいと思っておりますので、
旅館を手伝ってもらいながら、一緒に住んでいます。

インタビュー中3

ネパールに来たきっかけを教えてください

きっかけは登山です。昔から山登りが好きで、職場の山岳部にも所属していました。
25歳の時にヒマラヤに初めて挑んだのですが、そのときにネパールに来たのが最初です。

本当に衝撃を受けましたね。違った形を持った山がたくさんあり、それぞれ綺麗なんです。
ネパールの山々にはすぐに魅了されましたね。

それから仕事の合間にネパールに足を運びました。
1回の登山には最低2週間くらい必要で、それを年に3回から4回。
会社の有給だったり、稼ぎもネパールにすべて注ぎ込んでました。

周りは車買ったりしてましたが、僕には必要ない。
車は維持費もそれなりにかかりますしね。車などに使ったであろう分をすべて山に使ってました。

普段は目一杯働いて、週末は日本の山々に、そして年に3,4回はネパールへ。
そんな生活をだいたい10年位続けてました。

山の風景1

抱えていたある思い

山を登るときに荷物を運んでくれる仕事で「ポーター」というものがあるんですが、
1人がだいたい30キロくらいある登山客の荷物を運んで、1日40ルピーくらいなんですよね。
日本円に換算すると、一日あたりたったの40円前後。

ネパールは世界的に見ても貧しい国です。
1日100円以下で暮らすような人も大勢います。

ヒマラヤに魅せられて、充実した人生を送ることが出来たのも、彼らの助けがあってこそ。
このお世話になったネパールの人たちに何か恩返しが出来ないか、と考えはじめました。

あるとき、大木の下で勉強する子どもたちが目に入りました。
ネパールの貧しい村には学校がありませんでした。

ネパールは雨季も長く、この時期は勉強にならない。文字も紙のノートではなく、石版に書き写す状態なので、雨が降ると文字が消えてしまう。せめて屋根があればと。

登山仲間が数名いるのですが、彼らとともに学校の建設をスタートしました。
最初に学校を作り始めたのが、1982年頃でしょうか。
日本でヒマラヤの写真展や講演会を開催し、寄付金を募り、今までに38校ほどの学校建設をしました。

先生も友達も学校も好きだったんですけど、勉強はどうもダメでしたね。
昔から勉強が嫌いだったから罪滅ぼし的な側面もあります(笑)

学校を作っても行けない現実

よかれと思って始めた学校づくりですが、作って解決するような簡単なものではありませんでした。学校を作っても学校に行けない子供がたくさんいました。だいたい半分くらいはいたかな。

学校へ行かない理由。
子供は貴重な労働力なんですよね。学校よりも家の仕事が優先。
子供も働かないと暮らしが立ちいかない現実がありました。

でもこのままでいいわけではない。

当時はまだ日本で生活していました。仕事もありますし、結婚して家族もいて、孫もいる。
ただ、日本にいても問題を解決するのは難しい状況です。

奥さんには本当に申し訳ないですが、定年を間近に控えた59歳で早期退職し、ネパールに
拠点を移すことを決意しました。

現地に根を下ろして、親たちと直接話をしようと。
日々の仕事に比べればすぐの見返りはないけれども、教育を受ければ、就職難に負けずにすむかもしれない。子どもたちの未来の可能性を広げてあげたい。

それからは先ほどお伝えをしたとおり、ネパールに拠点を移し、こちらの旅館を経営しながら村を周り、ボランティア活動と平行して、各家庭を訪ね、親御さんといろいろと話をしています。

今日、明日でどうこうなる問題でもないですし、ネパール経済全体が抱えている問題でも
あるので、根っこは深い。長い目で取り組んでいきたいですね。

村の子供たち

ネパールでの苦労、離れてわかる日本の良さ

ネパールで大変だったことを教えてください

やっぱり日本と同じように考えるといろいろと大変ですね。
今旅館をリニューアルしてるんですが、予定してた通りにはいかないですね。
材料の調達をするにしても、ものを運んでくるにしてもここは山の上だし、期限通りにはいかないことが多いです。

それを補って余りある良い点もネパールにはたくさんありますけどね。
他の観光地と違い、ここの山々はほとんど手が加えられておらずありのままです。
どこをどう撮ってもきれいに写真が撮れますよ。

あとは、ネパール語は非常に難しいね。
最初は覚えようと思ったんだけど、途中で方向転換して、長女のミナに日本語を教えることにしました。
ひらがなからスタートしてやりましたね。今は漢字こそ苦労しているものの、日本語でのコミュニケーションは難なく取れます。

外に出てみてわかる日本の良い点とは?

ニュースや新聞で常に日本について叩いていることが多いけど、日本って本当に素晴らしい国だと思いますね。自殺する人が後を絶たなかったり、歴史的問題で諸国と抱えている問題などがあることも事実ではあるけれども。

ネパールへのODAがトップの国は、どこだと思う?
日本なんですよ。ネパール人は日本が大好きです。

ネパール人が好きな言葉で、「ワールドワン」というものがあります。
世界一の山ヒマラヤがあるからだと思いますが、日本もネパールにとってワールドワンです。

こっちに暮らしてみてわかりますが、ネパールにどれだけ日本が作った道路があることか。
カトマンズからこの旅館に来るまでの道も日本からの援助でできたものです。

前は道も舗装されていなくて、ガタガタでとても走れるような道ではなく片道2時間以上かかってましたが、この道路が出来てから、1時間もかからずに来れるようになりました。

他のアジア諸国にも日本が作った道路や橋などはたくさんあり、それぞれが現地の人々の生活をよくしている。こうした活動に関して学校で習うかもしれないけど、やっぱり実際に見てみないとわからないものだとは思う。

やっぱり実際に目で見てみることが大事じゃないでしょうか。
日本という国に対しての印象や自身の考えなどに与える影響は少なくないんではないでしょうか。こんなものは氷山の一角ですが、日本は外からみて本当に素晴らしい国だと思います。

今後の展開に関して教えてください

各世帯の収入改善に取り組んでいきたいですね。
先ほどの学校に通えない話ではないですが、そもそもお金があれば子供も働かずに
安心して学校に通うことが出来るはずです。

この8月、9月に学生ボランティアの方に協力してもらい、
とある村の世帯収入等の調査を行いました。

調査をしたところ、半数以上毎月1,000ルピー(約1,000円)以下の収入で生活しています。
それで4人も5人も養っている状態です。
主に食費や衣類などに使われるわけですが、これでは「何も出来ない」状態です。

カースト制度や国の経済政策などが根本としてありますが、一個人として
そこを動かすのは難しいのが現状です。

まずは農業の面から改めて支援をしていきたいと考えています。

現在試行錯誤をしているところではありますが、収穫量の改善で2倍程度の収入増加は可能で
あると見込んでいます。

問題はいろいろとありますが、ここから新しいスタートということでわくわくしますね。

松本の感想

実際に筋田さんの経営されている銀杏旅館に行ってきました。
残念ながらリニューアルオープンに向けて準備中ということでしたが、素晴らしい景色に息を呑みました。10月中旬頃に再開予定とのことですので、ネパールを訪れる予定のある方はぜひ行ってみてください。

ODAのお話がありましたが、自分自身東南アジアを周る中で、日本の支援で作られた道路や橋などたくさん見てきましたので、よく理解できる話でした。

日本に関しても外から見て気付く点は多いと改めて感じました。
筋田さんありがとうございました。

筋田さん、育てているミナさん
※写真右は筋田さんと一緒に暮らしているミナさん

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目次

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