Yoko Senesac
(更新)
こんにちは。
ロスで英会話学校を運営しているセニサック陽子です。
さて、英語を勉強されている皆さんの多くは、これまでに数多く出回っている英語書籍や英語セミナー、英会話教室など、さまざまな英語学習法を試されてきたことと思います。
しかし、そうした色々な学習方法を聞けば聞くほど、試せば試すほど、ますますどのように勉強して良いのか分らなくなり、結果的に、中途半端な状態で学習を放棄してしまう方も少なくありません。そして、どんどん英語に対して嫌気がさし、英語に対する苦手意識が強くなっていく…。
この傾向は、特に初級レベルの英語学習者に多いように感じます。
そこで今回は、30年以上、日本人学習者に英語を教えてきた私の経験から、英語嫌い・英語苦手を克服するための方法を、実際に克服することに成功した学習者の例を挙げながらご紹介していきます。
読者の皆さんの多くは、苦手な英語をどのように克服したら良いのか分からず、様々な方法を模索されているのではないでしょうか?
そこで、私から一つの提案があります。
それは、
「英語において何か一つ、得意な分野を探してみましょう」
「そしてそれを集中的に伸ばしてみましょう」
ということです。
などなど、誰しも、苦手な英語の中にも、一つは比較的「得意な」分野があるはず。そしてそれを集中的に伸ばすことによって、徐々に英語への苦手意識を克服していきましょう、というのが私からの提案です。
たくさんの英語学習法を実践しても、自分の方法性がしっかりしていなければ、なかなか思うように続かず、結果的に苦手意識が晴れないまま試行錯誤を繰り返す、さらには挫折を繰り返してしまう事態になりかねません。
英語学習は非常に地味な道のりです。
「この本を読むだけで英語がペラペラになる」「◯週間で英語が話せるようになる」と言うことはあり得ません。
少しずつでも英語の上達を感じ、英語を楽しいと思えるようになるために、英語の全てを克服しようとするのではなく、何か一つ得意分野を見つけ、その力を伸ばしていきましょう!
得意な分野が見つかったら、その分野に関しては他の誰にも負けないくらいの自信が持てるよう、自分に適した勉強方法で地道に学習を積み重ねていってください。
このプロセスが大きな自信に繋がります。
そして自信が出てくると、ビックリするくらい勉強することが楽しくなります。
本気になることがキーです。
それでは続いて、どのようにして得意を伸ばしていくのか、実例とともにご紹介していきたいと思います。
英語が嫌いでも苦手でも、誰でも一つは得意な分野を持っています。
例えばそれが「英文法」であれば、たとえ簡単だと思っていても、英文法の初歩からやり直しをするつもりで、最初から始めることが大切です。「英文法は大丈夫」と思っていた人も、うっかり見落としていた文法にぶつかるかも知れません。
ここで肝心なのは、中学1年生レベルの文法から始めて高校3年レベルまで、途中で飛ばしたりしないように進めていくことです。「文法だったら何でも聞いて!」と言えるくらいのレベルになると、もっと上を勉強したくなり、ますます学習へのモチベーションが上がっていくはずです。
このように、しっかりと確実に勉強していくことにより、だんだんと英語に興味が湧くだけではなく、自分の英語力に自信がつき、さらには勉強方法や勉強する時間も、自分に適した方法が明らかになっていきます。
私は去年から毎朝15分だけ、文法の勉強をしています。
目的は一つ、「文法の見直し」です。
文法本を一冊購入し毎朝読んでいます。その中で、おやっと思った箇所は書き取ったり、直接本にアンダーラインを引いたりしています。この文法本はかなりのページ数がありますが、最後まで読み切り、全てを吸収する覚悟で購入しました。
この話を当校の生徒さんに話しますと必ず、「どうして陽子先生がまだ文法を勉強しているのですか?」と聞かれます。
理由は「自分のため」。文法は分っているつもりでも分っていない箇所が多々あります。
私は英語を教える立場ではありますが、自分のために継続的に学習していくことで、結果的によりよりレッスンを提供することにもつながります。
英語の勉強には終わりがありません。したがって、英語に携わる仕事をしながらも、毎日15分ずつでも自分のための学習を継続するよう心がけています。
単語を覚えるには、まず調べなくても分かるレベルの英単語を「毎日10個、20個」と数を決め、書きながら覚えていくのがおすすめです。
そして、次に身の回りのモノ、例えば机の上にあるモノや台所用品、リビングにあるモノ等の単語を 書き始めます。知らない単語やスペルが分らないものは、その都度調べるようにして下さい。
そうすると、意外に英語で言えない物や書けない単語がたくさんあることに気がつくはずです。なるべく自分の生活に関係のある単語を、集中的に覚えるようにしていきましょう。
例えば、1日10個の単語学習を週に5日行うと、1ヶ月で約200個のボキャブラリーが増える計算になります。
※10個が大変であれば、1日5個からスタートして徐々に個数を増やしていきましょう。
なぜこのような単語の覚え方が効果的なのかと言うと、英語を話している時、または聞いている時には、私たちの生活に身近な単語が、実に頻繁に会話の中に出てくるからです。そして、その時に知っている単語であれば耳に残りやすく、結果的に記憶にも残りやすくなるというわけです。
単語だけ書くのは物足りないと感じるのであれば、その単語を使ってセンテンスを作ってみましょう。
例えば、台所用品の「ヘラ」を英語で "spatula" と言うので、その単語を使って
Can I use that spatula?
「そのヘラ使ってもいい?」
のような簡単なセンテンスを作ると、spatula がしっかりと頭に入ります。このように、日常生活で使えるようなセンテンスから始めると良いですね。
この学習法を1年ほど続けると、自分の単語力が驚くほど増えていることに気づくことでしょう。
まずは単語に強くなる!ことからスタートしてみてはいかがでしょうか?
私がイギリスに留学していた頃、同じ学校の日本人男性が、毎日ランチタイムになると必ず英字新聞を読んでいました。赤のボールペンを持って色々と書き込んだり、アンダーラインを引いたりしている姿がとても印象的だったのを覚えています。
彼の単語の勉強方法は新聞記事を使ったもので、記事に書かれているどんな内容も理解できるようになるために、毎日1時間は新聞を読んでいるとのことでした。
世界情勢、ローカルニュースなど全てのジャンルで使われている英語を理解できるようになれば、それがさらなる興味に繋がり、彼自身の英語力+単語力のレベルアップにつながると言っていました。
置かれている環境下で、自分はどのレベルまで英語力を伸ばしたいのか?
そのためにどのような勉強をしたら良いのか?
自分で自分の目標レベルを見直し、計画を立ててみましょう。
例えば、「映画を字幕なしで理解できるようになりたい」という具体的な目標を持ってリスニング学習に取り組むとしましょう。
その方法の一つとしておすすめなのが、自分が好きな映画を選び同じ映画を何度も見る、最終的にはその映画の内容が完璧に聞き取れるようになるまで見続けることです。
一つの映画を字幕なしで聞き取れるようになると、次の映画はどれにしようかという意欲が湧いてくることでしょう。リスニング力を鍛える方法は他にもたくさんありますがが、洋画や海外ドラマはとても良い教材になるかと思います。
以前、当校に映画が大好きな生徒さんがいらっしゃいました。
彼女は、「映画を字幕なしで理解できるようになりたい」と週に一度、一人で映画を観にいくことから始めていました。
最初は内容が複雑でないアクション映画(動きが多いので初心者には理解しやすい)から入り、その後は徐々に映画のジャンルを広げ、ロス滞在中、最終的に見た映画の総数はなんと200本以上!
彼女はただ映画を見るだけではなく、俳優や監督の名前、映画の内容、そして自分の感想も英語でノートに書き込むようになり、映画の評価を★でつけたりもしていました。
彼女はこの方法でリスニングの力がついただけではなく、ライティングの力も自然とついていきました。理由は簡単で、映画の感想を書くためにはライティングの力も必要になっていったからです。
一つのことからスタートし、そこから勉強の幅が広がっていった良い例だと思います。
映画よりドラマの方が好きだと言う読者の方は、ドラマから始めてみて下さい。好みのドラマを見つけて、何度も何度も繰り返し見ましょう!
次にご紹介するのは、野球がすごく好きな生徒さんのお話です。
ある日を皮切りに、彼は野球の試合をラジオ(英語)で聞くようになりましたが、最初は全く聞き取れず音楽のように流れていたと言います。それでも大好きな野球のことなので、徐々に単語が拾えるようになり、聞きながら野球を実際に見ているかのように、選手達の動きまでイメージできるようになっていったそう。
彼は、「ラジオから流れてくる英語の野球中継を、日本語のラジオ中継のように聞けるようになりたい」と言う目標を3年以上かけてようやく達成しました。
こうした成功体験によって、彼の英語学習に対する意欲は以前よりも増し、ラジオから流れてくるニュースや音楽番組までも全て英語で聞けるようになりました。
当校の生徒さん達は、英語の勉強のために渡米されているわけではなく、日本からの駐在の方達で、「英語が苦手だ」と言う生徒さんがほとんどです。そういった意味で、彼らはこの記事を読まれている読者の方達と同じ境遇にあると言えます。
日本で学習されている皆さんと同様、彼らも苦戦しながら自分の得意分野を模索し頑張っています。
一番良くないのは文法を勉強したり、発音を勉強したり、あれもこれもと同時にやってしまうこと。そうしてしまうと、全てが中途半端に終わってしまう可能性が高いです。
まずは、あなたの「得意分野」を見つけましょう。
必ずそこから次のステップが見つかりますよ。
Dreams without the goals are just dreams.
Good luck everyone.Yoko Senesac