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「言葉を話せれば深いところで分かり合える」|中国大学進学を決めた阿部愛琳さん

「言葉を話せれば深いところで分かり合える」|中国大学進学を決めた阿部愛琳さん

毎年発表される世界の大学ランキング

上位を欧米の大学が占めるなか、アジア圏でトップ2を誇るのが、中国の清華大学(20位)と北京大学(23位)です。日本の最高峰である東京大学は36位ですが、それと比べてもこれらの大学は世界的に高い評価を得ています。

そんなトップ2を含め、20を超える中国の大学に合格したのが、今回インタビューした阿部愛琳さんです。

どの国の大学受験にも欠かせない英語ですが、阿部さんは高校時代、英語の学習ツールとしてDMM英会話を利用していたそう。

本記事では、阿部さんの中国大学進学へのきっかけや道のり、英語の学習方法についてご紹介します。

幼少期から中国のカルチャーに魅力を感じるように

トロントで家族旅行
カナダ・トロントに家族旅行に行ったときの1コマ

ー まずは簡単に自己紹介をお願いします。

3月に高校を卒業しました、18歳の阿部愛琳です。中国の大学に9月から進学予定で、おそらく北京大学に進むことになると思います。

ー なぜ中国の大学へ進学することにしたのでしょうか?

お母さんが中国人なので、小さい頃からいろいろ中国について教えてもらったり、実際に何度か足を運んだことがあるんです。

そうした体験を積み重ねていくうちに、中国のカルチャーに魅力を感じるようになって、「中国で勉強してみたい」と思うようになりました。

ー 以前から海外に進学したいという思いがあったのでしょうか?

アメリカとカナダに短期留学で滞在したり、学校の遠足で海外に行ったことがあるのですが、そのような経験がきっかけで、前から海外は視野に入っていたかもしれません。

ー 実際に中国の大学に進まれることになったわけですが、どんな分野を学ぶ予定なのでしょうか?

主に政治学や行政学などの分野を学びたいと思っています。北京大学に「政府管理学部」という学部があるのですが、そこに入学する予定です。

ー ご両親は中国の大学に進学されることについてどう思われていたのでしょうか?

両親は私に日本の大学に進んで欲しいという思いがあったようで、最初は賛成しきれないようでした。でも私が「中国の大学に行きたい」と繰り返し言っていたため、だんだんと賛成してくれるようになりました。

ー お母さんが中国の方ということですが、阿部さんは中国語もできるのですか?

一応、日本語と同じくらい不自由なく使うことはできます。

中国と日本の大学受験の違い

中国の紫禁城にて
高1のときに訪れた中国の紫禁城

ー 中国の大学出願は馴染みがない方も多いと思うのですが、どのように行われるのでしょうか?

基本的にはインターネットで書類を提出して、1次選考に出願します。2次選考は筆記試験なのですが、これもオンラインでの実施でした。筆記試験に合格すると面接に進めて、そこで合否が決まります。

どの大学も書類から面接まで、3段階の審査がある場合が多かったです。

ー 日本にいてそれらの対策をするのは大変だったかと思いますが、どのように対策されたのでしょうか?

中国の大学の入学試験問題については、あまり大学ごとの過去問が出回っていないんです。それでもいくつか過去問を見つけて、解いたりしていました。

また、日本の共通テストのように全国的に行われる「普通高等学校招生全国統一考試(通称:高考)」という統一試験があるのですが、基本的にはそこから問題が出ると聞いたので、その対策をするようにしました。

ー 中国と日本の入試を比べて、どのような違いや困難がありましたか?

中国の大学は9月から始まるので、受験期がまずクラスメイトたちと大きく違いました。みんなが大学に入学した4月あたりから私の受験は始まったので、不安に思うことが多かったですね。

あとは基本的に英語と数学、そして国語として中国語の3科目の試験を受けるので、その点は日本の大学と変わりません。

しかし、学校では習っていない範囲の問題も出題されたので、その点では難しく感じました。

ー 英語の対策はどのようにされていたのでしょうか?

統一試験の過去問を解いてみたり、日本の難関大学の過去問を解くようにしていました。

やはり中国の英語の試験は難しくて、日本の大学試験に比べて長文がとても長かったです。時間が足りず、読みきれなかった試験問題もいくつかありましたね。

DMM英会話を通じて英語を話すことに慣れていった

ナイアガラの滝
高1のときに訪れたナイアガラの滝

ー DMM英会話はどのような経緯で始めたのでしょうか?

学校の授業の一環で始めたのがきっかけで、高2から高3まで1年ほどレッスンを受講しました。

もともと言語が好きで「いろいろな言語に触れたい」という思いがあったので、授業以外でも、家でほぼ毎日レッスンを受けていました。

ー 学校でのレッスンはどのように行われていたのでしょうか?また、レッスンを受けてどのような変化や成長がありましたか?

基本的には週に2回ほど、朝の1時間目でオンラインレッスンを受けていました。

フィリピンやセルビアの先生とレッスンすることが多くて、みなさん面白かったので楽しかったです。プロフィールをよく見て選ぶことが多かったですね。

初めてのときはどんな話題をどう話していいのかわからず、戸惑うこともあったのですが、だんだんと慣れていって英語を話すことにあまり緊張しなくなりました

それが、オンラインでの英語学習で得た1番大きな変化だと思います。

ー レッスンの予習や復習はなにかされていましたか?

「デイリーニュース」が好きでよく使っていたのですが、レッスン前に記事を一度読むようにしていました。

また、デイリーニュースの記事は学校の試験範囲にも指定されていたので、レッスン後はわからなかった単語を書き出して、後でまとめて復習していました。

ー ほぼ毎日レッスンを受けていたということですが、継続のコツやモチベーション維持の秘訣などがあれば教えてください。

最初はフリートークをしていたのですが、だんだん話題がマンネリ化してしまったので、デイリーニュースを使うようになりました。

デイリーニュースは雑学的な情報もあり、面白かったので楽しみながら続けられるポイントになったと思います。

ー 阿部さんにとって、オンラインレッスンの魅力とは?

普段の生活で英語を話せる機会って少ないのですが、オンラインレッスンでは簡単にその機会を得られることですね。オンラインレッスンを始める前は読み書きの練習ばかりで、聞いたり話したりすることはあまりありませんでした。

そのため、最初は緊張することも多かったのですが、私もクラスメイトも、オンラインレッスンを通して英語を話すときに緊張しなくなったと思います。

また、英語というツールを使っていろいろな国の人と簡単に話せるのも、大きな魅力ですね。

ー これから海外に踏み出すわけですが、大学生活で楽しみにしていることやチャレンジしてみたいことはありますか?

中国の大学にはすごい数のサークルがあるのですが、そのなかでもダンスは数年間の経験があるので、参加してみたいと思っています。

また、大学ではいろいろなイベントが行われているようなので、積極的に参加したいです。例えばスピーチコンテストなど、自分の実力を試せる場などに挑戦したいと考えています。

ー 渡航前の今、準備などどのように過ごされていますか?

「英語に力を入れたい」と思い勉強中です。単語力がまだ足りない気がするので、ボキャブラリーを強化しています。

ー それはやはり、将来的には英語を使ったお仕事を視野に入れていらっしゃるのでしょうか?

そうですね。言語が好きなので、それを活用できる仕事がしてみたいです。ヨーロッパにも行ってみたいので、フランス語も勉強したいと思っています。

ー 英語と中国語、フランス語も堪能になったら、世界の公用語の半分を網羅することになりますね! そうやって複数の外国語を習得することで、どのようなメリットがあると思いますか?

海外の人とその人の母国語で話せれば、深いところでそれぞれの価値観や考え方を分かり合えますし、それにともなって、自分の世界観も広がっていくと思います。

ー ありがとうございました!

言語を使いこなして世界観を広げたい

トロント大学
高2のときに留学したカナダのトロント大学で

海外留学をするとなると、周りの同級生たちとは違ったスケジュールや出願方法のため、多くの人は戸惑うこともあるかと思います。

そんななかでも、自分の意思を貫いて中国の大学受験を突破した阿部さん。

英語での会話については最初こそ緊張していたけれど、どんどん楽しくなったとおっしゃっていたのが印象的でした。

複数言語というツールがあれば、それだけ世界観を広げ、それぞれの地域の人々と同じ目線でわかりあうことができそうですね。

これからの阿部さんの活躍に期待しています。