DMM英会話ブログ編集部
(更新)
今回はDMM英会話なんてuKnow?総合ランキング1位(2016年5月現在)のハラケンさんの英会話スクールを訪問しました!
ハラケンさんはアメリカで育ったネイティブバイリンガル、むしろ日本語を努力の末に習得したという経歴を持ったDMM英会話なんてuKnow?屈指の人気アンカー。
経験豊かなそのバックグラウンドをベースにした解説は読むだけでも本当に勉強になるものばかり。
DMM英会話なんてuKnow?が単なるフレーズを教えるだけのQ&Aサイトではない、ということはハラケンさんの回答を見ると一目瞭然です。
そんなハラケンさんはどのように英語を習得し、また英語を教える、ということをどのように考えられているのでしょうか?
ー セレン
本日は、DMM英会話なんてuKnow?の回答が1万回答を突破し、その中でも質、量ともにナンバー1(役に立ったボタン数+総合回答数の集計ランキングによる算出)に選ばれたハラケンさんにフォーカスし、いろいろ根掘り葉掘りお伺いしようと思います。
まずはおめでとうございます。
ー ハラケン
こんなのがあるなんて知らなかったので照れますね…(笑)
でも、ありがとうございます、光栄です。
ー セレン
ハラケンさんの回答は役に立つと色々なところから声を聞いています。
さて、ではさっそくインタビューをさせていただきます。
いきなり失礼かもしれませんが、学校の場所が…わかりにくいですね…(笑)
ー ハラケン
ええ、まあそうなんです(笑)
あまり有名になって大きくしたいと思ってないんですよ、そもそも。
見た目は日本人ですが中身は完全にアメリカ人なので、ファミリーファーストというか、
教える人はちゃんと知り合ってお互いに完全に信頼を気付けた相手だけに教えたいんです。
ー セレン
もういきなりハラケンさんの哲学が炸裂という感じですね。
DMM英会話なんてuKnow?アンカーの中には有名な方から若いバイリンガルの人まで多様な方がいらっしゃるんですが、
その中で彗星のごとく現れたハラケンさん、という存在を多くの方が「一体誰なんだ?」と思っていると思います。
ー ハラケン
生まれは横浜、親の関係で9歳でアメリカに行くことになりまして。
同時に幼いころから親の影響で教会に通い、小さいころから人に教える、議論する練習を常にさせられていました。
だから小さい頃の人前で演壇に立って説明や議論をする経験からいろいろ学んだのかもしれません。
ー セレン
アメリカに初めて行ったときの言語的な苦労というのはありましたか?
ー ハラケン
そりゃあありましたよ。
僕が行ったアメリカはカリフォルニアのエルサリートという街で日本人どころか白人もいない黒人の街。
小学生の自分にとっては大きなショックがたくさんありました。
行った時は英語はゼロでしたからね。
親が言語的なノウハウを知らなかったので、家族で英語を練習するようにしたんです。
外やテレビで学んだことをみんなで食卓で使ってみる、というようなことをしてましたね。
3ヶ月、半年と経つうちにどんどん日本語を忘れるようになってましたね。
ー セレン
どのくらいの期間を経て英語というものが固まってきたイメージですか?
ー ハラケン
具体的には覚えてませんね…。
ただ兄貴がいたんですが、ある時を境に兄弟喧嘩が全て英語に切り替わったのを覚えています。
10年アメリカに結局いましたからね。
言語的にもっとも発達した時期にいた場所をホームと思ってしまうところはあるのかもしれません。
僕にとってのホームはアメリカ、という気持ちは強いですね。
ー セレン
学校、または教育のシステムで日本との違いはありましたか?
ー ハラケン
一つは自由ですよね。
強制しないですから。
個人を大切にしますよね。
あとはやりたいことをとことんやらせてくれるんです。
だから飛び級なんて向こうでは当たり前で。
高校の時なんか、中国人の小学生とかクラスにいたりしましたよ。
先生もコースも自分で選ぶので決断力や自己主張も育ちますよね。
自分が将来何をすべきか、何がしたいのか、何かをそこでしっかり向き合うんですよね。
ー セレン
アメリカでたくさんの経験をしたと思いますが、特に印象的だった出来事で、かつ今の自分に活きているなあと感じるようなことはありましたか?
ー ハラケン
最初に越したところからサンフランシスコの付近で日本人がたくさんいる地域に越すことになるんです。
そうすると周りの日本人はみんなほとんど英語ができない、僕は逆に日本語がおぼつかなくなっていて英語しかできない。
そこで気づいたのは、周りにたくさんのアジア人がいたんですが、ほとんどの日本人が日本人同士だけでよく集まっていたんです。
現地の韓国人、中国人なんかはあまりそういうことをせず、現地の友達も恋人も作り、自分たち以外の人種の人としっかり交流してましたね。
カフェテリアなんかに行くと日本人だけで集まり日本のアイドルの話なんかをしてるんです。
せっかく米国に来ているのに皆日本人同士で固まって。
それを見て子供心に違和感を覚えていましたね。
そしてあまり英語を吸収することないまま日本に帰国する人も多く見ました。
でもそれを見て高校生くらいの自分なりに、いつか英語を教えたいなあ、と同時に思うようになるんです。
学校でも何かできない子に教えてたりしてて、実は。
その子が成長していく様子をその子以上に喜んでいた自分がいて。
教えることの喜び、楽しさには気づいていました。
日本に行ったら不自然な英語ではなくどこまでも自然な英語を伝えたい、教えたい、と思うようになるんです。
ー セレン
そのままアメリカで英語をほぼ母語の状態にして、その後日本に帰ってきて、逆に日本語の習得が大変だったのではないでしょうか?
ー ハラケン
すごい大変でしたよ。
見た目が完全に日本人なので、日本語ができないってことを周りがわかってくれないんですよね。
この見た目で日本語ができない、って状態を当時の人たちは理解できなくて、ふざけていると思って怒られたこともありましたよ。
帰国後は総合商社に入り、日本語を訓練しましたよ。
日本語の新聞を読み、通訳トレーニング、翻訳トレーニングを毎日しましたね。
当時はバブルで英語ができる人を必要としてましたから、歩く辞書として「おい、辞書!」なんて呼ばれたりもして。
ー セレン
そんな大変な時期を経て、英会話スクール自体はいつ作られたんでしょうか?
ー ハラケン
始めたのは2002年ですね。この場所に移ってからは11年ですかね。
実は前職で働きながらも、自分でコツコツと教材をずーっと作っていたんです。
いつか将来使えるんじゃないかと思って。
だからスクールを始めた時にはすでにオリジナルの教材がかなり豊富に揃っていました。
通訳、翻訳の経験を通して学んだことを全て教材に落とし込みながら教材作りに励んでいましたね。
ファイルでいうと50冊分くらい。
ー セレン
今ハラケンさんが英語を教えるということにおいてここだけは譲れない、という部分ってどういうところですか?
ー ハラケン
中途半端なことが嫌いなので、中途半端な回答はしないようにしています。
あとは丸暗記も嫌いなので、ただ暗記しなさい、みたいなことは絶対に言いません。
ではなくなぜそうなるのか、なぜそういう訳になるのか、ということを全て教えるようにしています。
ニュアンスやイメージとかね、そのあたりを大事にしていますね。
DMM英会話なんてuKnow?も結果として1位になりましたがそこは別に重要ではなくて、適当な10個を回答するなら1個、徹底的にやりたいというのはあります。
回答に関していうとレッスンとレッスンの合間の5分あれば2問は答えられるな、というような感じで取り組んでいますよ。
あとはスクールの生徒さんに関していうと本気でやる気のある人だけに徹底して教える、というスタイルをとっています。
お金だけを稼ごうと思ったらいくらでも方法があると思うんです。
でもそうじゃなくて自分が楽しめないとやっぱりいいものは提供できませんからね。
「趣旨と原点」というのは僕がずっと一貫して言い続けていることなんです。
十人十色でこの方法で誰にでも効く、ということはありませんが、これを忘れなければ言語でも楽器でもスポーツでも、必ず前進していきます。
言語の趣旨ってなに?っていうとやはり人とのコミュニケーションなんですね。
そこを忘れなければ言葉を学ぶことの原点、そして趣旨という観点から自分のしていることが正しいのかどうかは常に検証できるんです。
ー セレン
他にも何か教える際に気をつけられていることなどはありますか?
ー ハラケン
ここでは発音、を重視しているんです。
顎や舌の動き、空気圧から一人づつにしっかり指導しています。
発音指導というのはRは舌を何度、とかいうように固定化してしまうことでは決してありません。
ネイティブもそれぞれが違う出し方をしたりしていますが、絶対ここは外さない、というラインがあるんですね。
正しくない発音、というのもやります。
ワナ wanna とかガナ gonna とかね、あれ別にネイティブはワナとかガナって言おうとして言ってるんじゃない。
want to, going to って言ってるんです。
それが自然な変化を経て結果としてこう聞こえる、というのはあるけれど
初めからそう言おうとして言ってるんではないんです。
結果だけを真似した英語というのはやはり本物ではないし、それは聞けばすぐにわかります。
そういうところもしっかり教えます。
ー セレン
日本語と英語ってやはり言語的にも離れているとされている中で、やはり日本人にとって英語の発音の習得は難しいものだとハラケンさんは感じられますか?
ー ハラケン
僕はまったく大変だと思ってないんです。
正しい英語の発音というのは、厳密にいうと日本語の中には一つもないんです。
息遣い、口の動き、位置がそもそも違うので完全に同じ出し方の音というのは一つたりともありません。
ですのでまったく違う、ということがプラスに働くんです。
正しい方法で学べばゼロからスタートできるので早いんですよ。
フランス人やメキシコ人なんかにも教えますが、近いからこそ難しいんですよね。
近いと甘えが出てきて引っ張られてしまうんですよね。
日本人の場合はカタカナに引っ張られるケースが多いんですが、そこをしっかりクリアすれば似てないことは大いにプラスに働くんです。
ー セレン
なるほど。
ハラケンさんの徹底した指導スタイル、非常に伝わりました。
さて、DMM英会話なんてuKnow?の方に話は移りますが、今現在ハラケンさんがあれだけ多く回答されているそのモチベーションというのはどこから来るのでしょうか?
ー ハラケン
やっぱり言語というのは一つの正しい答え、というのがあるわけではないんですね。
だから講師という立場からいうと一つでも多くの疑問、一人でも多く疑問を持った人、に出会いたいという思いがあるんです。
講師として、そこの探求はさぼっちゃいけないと思うんです。
ー セレン
そういう意味では自己鍛錬というか、そういうイメージでしょうか?
ー ハラケン
はい、完全に自分のためにやっています。結果としてお役に立てたらいいなというのはありますが、まずはやはり自分のためです。
どんな質問があって、どんな疑問があって、どこでどういう人がどうつまづくのか?
DMM英会話なんてuKnow?というプラットフォームはそれがはっきりとわかるんですね。
だからそこに対して自分がどう答えられるか、を追求しているというのはあります。
自分の答えを見て反省もしますよ。ああ、これは違ったのかな、とか。
レッスンで同じ疑問を持つ人とかが出てくるんですね。
そうすると違う答えが浮かんだりして、反省するんですよね。
なんどやっても完璧ということはありませんね…。
ー セレン
答えにくいもの、答えずらいパターンというのはありますか?
ー ハラケン
私、ということに関していうとやはり日本語は母語ではありませんので日本語の意味がそもそもわからないもの、例えばことわざとかですね、その辺は僕には手が出ません。
文化とか感性の違い、なんかは難しいですよね。
そこになってくると訳というレベルではなくものの考え方や発想という話になってくるので。
DMM英会話なんてuKnow?はただ日本語を英語に変換するだけの場、ではないと僕は考えています。
自然な英語でその日本語の意図を表現する、ということにおいてはただ訳せばいいというのとは別次元の世界があるんですね。
日本語ではそういうけど英語でそう言っちゃうとキツすぎてそんな言い方しない、という表現なんかもたくさんあるんですね。
そこの感性や感覚なんかも伝えていきたいと思っています。
だからそういう質問は大好きですね。
ー セレン
ハラケンさんの回答を見ているとやはり圧倒的に解説の情報量がすごい、と思うんですが。
あれは意識しているのでしょうか?それとも結果として自然に?
ー ハラケン
やはりネイティブの感覚、英語が自然であること、は英語を使う上では大事なんですね。
ビジネスの場でも学校などでも、現地に行けばネイティブと対等にやりあえること、逆にいうと差別されない、バカにされない英語というのは大事なんです。
まずは英語という部分で対等に立たないといけない。そのためにはやはりお伝えすべきことも自然と多くなるんですよね。
ー セレン
ハラケンさんが日本人に伝えたい、英語を学んでいく上で大事な点ってなんですか?
ー ハラケン
言語を学ぶ上で絶対に持っておいたほうがいい、と思うのがimagination(想像力) とflexibility(柔軟性)なんです。
まずは英語と日本語、言葉が違います。
なんでこの言葉があるの?なんでこんな言い方があるの?
って考えたら「必要だから」ですよね。
big, huge,tremendous 全て意味も存在意義も違うんですよね。
言葉が違えばそこには別次元の感性があるんだ、という柔軟性を持って欲しいです。
それを知ろうとする想像力ですよね。
日本ではこうだから、とか日本語ではこうだし、
という発想だけでは追いつかない世界があるんですね。
そこを飛び越えるのは想像力なんです。
まあでも言うのは簡単ですよね。
想像力と柔軟性が大事だ!なんていうのは簡単です。
でもそれをしっかりと実践するために最も必要なことは「熱くなること」ですね。
五感を使うことです。
冷静にならないで。
そうすれば想像力も柔軟性もしっかりとついてきます。
例えば小さい時に仮面ライダー見ますよね。
見た後に番組の感想を話したり、分析したりなんかしないんです。
みんな自分が仮面ライダーになってるんですよね。
それは熱いからなんです。
英語でも一緒。映画見て分析なんかしなくていい。
主人公になりきってセリフを真似るんです。
日本って熱い人をバカにするようなところありますよね。
あれは良くないですよね。
英語を学ぶ、言葉を学ぶのって冷静な淡々とした作業ではいつか疲れがきますよ。
ー セレン
なるほど、それは本当にそうだと思います。
勉強も大事だけど心や肌で感じながら吸収していくことも当然大事ですよね。
これからのビジョンとかって何かありますか?
ー ハラケン
そうですね、生徒に教えるもの生徒の気持ちがわからないといけない、
また自分も何かを学び挑戦し続けないといけないと思い、
ゼロから何かを始めようと思って4、5年前にギターを始めたんです。
ー セレン
16才でギターを始めてそのあと31才に英語を始めた僕と真逆ですね(笑)
ー ハラケン
おー、それはすごい偶然ですね!(笑)
でも言語と楽器の習得って本当に似てますよね。
いつもそう思います。
Where there is a will, there is a way. ですよね。
(意思のあるところに道は開ける)
10年後にはステージに立つぞと思ってやってますよ。
ー セレン
常にチャレンジを続けるその姿勢、本当に素晴らしいと思います。
本日はお時間いただきありがとうございました。
これからも多くの方が素晴らしい回答を待っていると思います。
ハラケンさんの哲学の詰まった回答、僕も楽しみにしています。
ー ハラケン
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました!
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