平 理沙子
(更新)
海外製の日用品、おしゃれなコーヒーメーカーやスピーカー、膨大な量の写真集 ― こだわりの逸品が所狭しと並ぶのは群馬県・前橋市の一角。
ここは「A BATHING APE®」の元グラフィックデザイナー・ハイロックさんの自宅兼アトリエです。
多方面で活躍されながらも、「今の肩書きは『英語学習者』」と語り、毎日3回のDMM英会話レッスンを継続するハイロックさん。
ハイロック
「僕らのような40歳を過ぎた世代の若い頃は『アメリカがかっこいい!』という価値観があって。もちろん僕もアメリカのファッションやカルチャーにものすごく憧れていて『いつか英語を話したい』とずっと思っていました」
40歳を超えた今、「英語は並大抵の努力では話せるようにならないと気づいて、逆に若い頃より英語を勉強するのが楽になった」と話すハイロックさん。今回は、英語学習に1日3時間を費やす彼の1日を追いました。
「何かを習慣にするのに大切なのは、ルーティーンをきっちり固定すること」とハイロックさん。朝は必ず7:55に起床。その理由を聞いてみると、次のように答えてくれました。
ハイロック
「8時より5分早いだけだけど、『8時に起きてる』って言うより早起きな印象で得じゃない?」
起床後はすぐに寝室で英語学習を開始。
ハイロック
「30分は音読、30分はDMM英会話の予習、今は『デイリーニュース』教材を使っているので、アーティクルを先に読んでボキャブラリーの意味などを確認しておきます。そして最後の30分でレッスンを受講。この90分をルーティンとして毎日繰り返しています。そのために寝室に簡易的な机と椅子も設置しました」
こだわりのツールやガジェットが並ぶハイロックさんの自宅兼アトリエ。コーヒーの抽出器具のラインナップもまるでカフェのよう。筆者の目からは同じように見えるものもたくさん。
「同じものばかりで、飽きることはないんですか?」という筆者の質問に対し、こんな言葉が返ってきました。
ハイロック
「僕の場合、急激な向上でなくても、1mmずつでも向上していくのが楽しいんですよ。あとは常にそのものが魅力的かつ刺激的なように自分に仕向けてます。例えばコーヒーだったら、『今日はこのカップを使ってみよう』『豆をいつもと違う店に切り替えてみよう』とか。環境の変化をつけて、ずっとそこに意識がいくようにしています」
ハイロック
「英語学習で言うと、僕はモノが好きなので勉強するのに便利だなと思う道具を選んで買うのも楽しみの一つです。授業に集中するのが大事なのはもちろんですが、モチベーション高く学習を継続するために、こういう道具を揃えたり、英語の勉強の仕方や英語学習に成功した人の体験談を読んだりもしていますよ。
今、ハマっているのは國弘正雄さん。同時通訳の創始者で、戦時中から英語を勉強していたスゴイ人です。その方は『中学レベルの英文を500回音読する』という学習法を提唱していて。
現代は英語を勉強するツールで溢れているけど、当時は限られたものしかなかった。そんな時代に英語を身につけた人の成功談はかなり本質に近いと思うんですよ。その彼が一番大事だと言ってるのが音読や反復。なので僕も反復するしかないんです」
朝のルーティンが終われば仕事を開始。
ハイロック
「スケジュールをかっちり固めているのは朝と夜だけ。今はフリーランスで仕事をしているのもあって予定が日々変わるので。スケジュールが乱れるのが当たり前になると、モチベーションの低下に繋がりますからね。
朝のレッスンは前日の夜のレッスンが終わったあとに、夜のレッスンはその日の朝に予約しています。ルーティーンで2回のレッスンを確保できているので、あと1回は日中のどこかで受ければいいや、と気楽な感じで続けられています。
打ち合わせの際は東京に行くことも多いそう。基本的に車で移動するということですが、車中でもシャドーイングをするなど英語学習に余念のないハイロックさん。
ハイロック
「運転中はもちろん車の運転に集中しないといけないので、聞き流せる程度の学習にしています。音読練習をしたり、英語の勉強法に関するYoutubeを聞くことが多いですね。
あとは自分の好きなハリウッドスターのインタビュー音声を聞いたりもしています。そしたらアンジェリーナ・ジョリーは意外にどもっているとか、発見があっておもしろいですよ。ハリウッドスターでも冠詞間違えるんだ!とかそういう気づきもあります」
英語の参考書はどこへ行くにも手放さず、打ち合わせの合間にも学習を欠かさないというハイロックさん。1日3回のDMM英会話レッスンに加え、文法学習も大切にされているそう。
ハイロック
「最近自分の中で定義しているのは、英語のセンテンスって建築と同じだということ。つまり、文法という道具を使って、その道具が良いほど高いビルが建てられるんですよ。
正直、僕は今まで文法なんて勉強することを馬鹿にしてたんだけど、今は中学の文法からやり直して、高い建物を建てるための文法を超磨き上げてます。背が低い建物を建てまくるんじゃなくて、一本の高いビルを建てたいんです。
スポーツで例えると、DMM英会話のレッスンは試合。その裏で努力しないと絶対に伸びない。なのでレッスンで成果を出すために、予習復習をきちんとしたり、文法学習にも力を入れています」
一日を通して、英語中心の生活を送るハイロックさん。帰宅後は愛犬と触れ合いながら、3レッスン目に向けた予習を開始します。
ハイロック
「自分の中で革命を起こした道具がこれまでに3つあって、まずは『Macintosh(マッキントッシュ)』。デザイナーになるきっかけで、Macのおかげで自分の作りたいものが作れるようになった。
2つ目は『iPhone』。これがあれば情報の発信の仕方がガラッと変わる時代が来ると思いました。
そして3つ目は『DMM英会話』。初めてやってみたとき、『これがあれば英語話せるわ』と思ったんです」
文法学習や音読練習を終え、1日の最後もやはりDMM英会話で締めくくります。夜の3レッスン目は、22時〜23時の間に受講することをルーティンにしているそう。
ハイロック
「夜のレッスンだけは先生も同じ方に固定にしています。南アフリカの女性の先生ですね。彼女にとって僕が初めての生徒だったようで、良い意味で先生っぽくなくてわからないことも友達のように気軽に聞ける。良い関係性を築けていると思います。
固定の先生に加え、初めましての先生と毎日レッスンをすることを意識しています。1つのアーティクルに対して3回違う先生と取り組みますが、先生によって言い回しが違ったり、討論のポイントが違うので、一つとして同じ授業にはならないですね。
この前、前橋で桜まつりがあったんです。屋台がばーっと並んで。iPhoneで撮った祭りの様子を先生たちにも見せたら、会話が盛り上がりましたよ」
英語学習に限らず、何かを極めようと思ったときには同じことを反復すること。ルーティンを大事にされるハイロックさんは語ります。
ハイロック
「さきほどの國弘さんも本で同じように書いていました。英語が簡単に話せる、なんてありえない! 僕も若い頃は勘違いしていましたが。一段一段階段を登ってくしかないので、英語がキレイに話せる自分を想像したり、英語学習に必要なおもしろい道具を揃えてみたり、そうやって自分のモチベーションが続くように仕向けてやっていくしかないですね」
「今は生活の中心がほぼ英語。だから最近、自分の肩書きは『英語学習者』だと名乗っています」というハイロックさん。1日のスケジュールも、英語漬けであるということを今回の取材で実感しました。
ガジェット通としても名高いハイロックさんですが、こだわりのモノ選びの基準を聞いてみたところ、「それを持って生活している自分を想像して、しっくりきたモノを選ぶ」とのこと。その信念は、英語学習のゴールについても同じ。きれいな英文を組み立てて話している自分を想像するようです。
最後にハイロックさんから、「読者の皆さんにこれだけは伝えたい」という言葉をいただきました。
ハイロック
「1日に3時間英語学習をしている僕も、まだ学習の最中。これだけやっても話せるようにならないのか、と思う時も正直あります。けど、一段ずつ階段を登っていくしかないんですよね。
だから今伸び悩んでるという人や、年齢で英語学習を諦めてる人がいたならば、一緒に乗っかってやっていきましょう!」