「伝えたいのは英語を自由に使うためのネイティブ感覚なんです」ルーク

日本人が英語でうまく言えない表現、よく間違えてしまう表現に特化したサイト「英語 with Luke」を知っている人は英語を勉強している人の中には多いのではないでしょうか?

運営はイギリス人の父とアメリカ人の母を持つルークさん。
幼少期をイギリスで過ごし、その後をアメリカで過ごした経験からアメリカ英語、イギリス英語の違いや
また日本に長く住んでいる経験から日本人がよく間違える英語にも精通している、まさに非の打ちどころのないネイティブスピーカー。

翻訳を生業とし東京大学大学院で翻訳を学んだ経験も持つルークさん、
今日は新しく出た自身2冊めの著書「この英語、どう違う?」を持ってインタビューに来てくださいました。

英語学習のことから英語表現のこと、またルークさん自身のことなどたくさん伺わせていただきました。

ルークさんが日本に来た経緯

ー  セレン

初めまして。
僕は個人的に英語を初めてからずっとルークさんのサイト「英語 with Luke」を読んでいて、何度もうなづいたりしながら勉強させてもらってきました。

ー  ルーク

そうですか、それはとても嬉しいです。
ありがとうございます。

ー  セレン

早速なんですが、ルークさんが初めて日本に来たのはいつだったんでしょうか?

ー  ルーク

23歳の時にJETプログラムで新潟に来たのが初めてでした。
(JETプログラムとは地方公共団体などが外国人を特別公務員として任用し
英語指導やその他の国際交流活動などの目的で働けるプログラム。)
友達がとても面白いものがあると紹介してくれたのがきっかけでした。

とても美しい町で小さいところでしたが2年間いろんなことを学べたと思います。

中学校でALT(Assistant Language Teacher=外国語指導助手)として働き、
英語の発音指導や一緒に歌を歌ったり、また個人的に指導したりということもしていました。

ALTは働き方としては主任先生とのチームワークなので、その先生による部分は大きいのですが、
全体的に興味深い点は多く楽しむことができましたし、僕自身たくさんのことを学びました。

ー  セレン

ルークさんのブログなどで日本人が知りたいところに手が届くコンテンツはそういった経験から来ているのかもしれませんね。

ー  ルーク

かもしれません。
日本に来る前にはインドで英語の講師をしていたんです。

ー  セレン

え、マジですか。
それってプロフィールとかに全然載ってなくて僕は今初めて知ったんですが、そうだったんですね。
インドの英語教育ってどうなんですか?

ー  ルーク

インドのとある高校で数ヶ月だけ教えていたんですが、インド人はインド人の共通する間違いをするんですよね。
そういうところって本当に面白くて。日本人は日本人固有の共通する間違いをするんですよね。

ー  セレン

逆もまたしかりですよね、英語のネイティブは英語のネイティブで同じ日本語の間違いをしますもんね。
シャワー取ります、とか。
完全に Take a shower からの直訳ですよね。

ー  ルーク

ええ、面白いものですよね。
インドの学校は皆で一様にフレーズを立ってリピートしたりするスタイルで軍隊のようなスタイルだったと感じます。
義務的な感じというか。

クリエイティブライティングというのを教えていたんですが、エッセイやストーリーを書くというクラスです。
みんなとてもうまく書いていましたよ。

ー  セレン

こと生徒のことに関していうと、インドと日本で何か違いみたいなものはありましたか?

ー  ルーク

日本の子供たちはもっと自由な感じでしたね。

西欧的な観点で言うともっと厳しく管理され統率されてるような印象だったんですが、
来てみたら全然違って、みんな元気で好きなことをしてるという感じでした。

社会にでたらまた違うのでしょうけれど、少なくとも僕の入っていた学校では子供たちはみんなそんな感じでした。

ー  セレン

学校その後はどういったキャリアを積まれるのでしょうか?

ー  ルーク

それ以降はアメリカのワシントンDCでジャーナリストとして物書きをしたりしてまた日本に戻ってきました。
そのあとはずっと翻訳などの仕事をしています。

大人気英語サイト「英語 with Luke」

ー  セレン

ルークさんといえばやはり有名なのはご自身のサイト「英語 with Luke」ですよね。
いつ始められたんですか?

ー  ルーク

2010年ですね。
まあそれ以降続けたり、たまに休んだりしてますが…。

ー  セレン

一時期突然更新が止まって何かあったのかと心配したんですが。

ー  ルーク

ああ、あれはちょっと忙しかっただけです(笑)

ー  セレン

そうだったんですね。

ー  ルーク

もともとは自分用に日本語で日記を書こうと思って始めたのが今のサイトの原型になってるんです。

日本のみんなにも何か面白いものが提供できそうな感じがして。
やっぱりみんな自然な英語やスラングが知りたいんですよね。

ー  セレン

ルークさんのいうスラングって僕らがイメージするような悪いことばというニュアンスではなく
もっとカジュアルな英語、みたいなイメージでのスラングですよね。

ー  ルーク

そうですそうです、スラングって別に汚いことばとかばかりじゃないですからね。
みんなに愛されてる自然な英語の一部なんです。
面白いものやキュートなものがたくさんあるんです。

始めの頃は特にスラングにフォーカスしてましたね。

ー  セレン

特に人気の高かった記事とか覚えていますか?

ー  ルーク

基本的には日本人が言いたくても言えない英語のシリーズに注目は集まりがちで「よろしく」とか「お疲れさま」とかその辺をみんなよく今も調べてますよね。

ー  セレン

記事の話題や内容はどのように決めているんですか?

ー  ルーク

二つあって、一つは自分が日本人との会話の中で気づいた興味深い間違いや日本人の友達からよく聞かれることです。
もう一つは自分の間違いからで、日本語と英語の違いを知るとてもいい機会なのでそれは取り上げるようにしています。

ー  セレン

この最近のポストなんか面白いですね。

「ミスをした時にネイティブが咄嗟に口にする英語」

Sugar!なんて僕は初めて聞いたんですが、こんな風に言うんですね。
これってイギリス英語ですか?

ー  ルーク

うーん、別にそういうわけでもないです。
少し丁寧な感じというか。
ネイティブスピーカーがなにか咄嗟に罵るような気分の時には頭の中に「S」の頭文字が浮かぶんですよね。
ブリティッシュなら Shite!というのがあります。
まあご存知の通り Shitがベースにあるからだと思いますが、その頭の響きを残した何かを言いたくなるんですよね。
それがこの場合Sugar! や Shite! ということなんです。
Shit! って言おうとして途中でSugar! に変える、というか。
なんというか、この感じわかります?

ー  セレン

ええ、わかりますよ。
そのネイティブ感覚というのが僕たち日本人が一番知りたいことなんですよね。

個人的に知りたかったんですが、お父さんは画家かなにかなんですか?
ルークさんのブログなどの独特の絵は全てお父さんが描いてるんですよね、確か。

ー  ルーク

はい、そうです。
完全にプロというわけではないんですが、絵を描くのが好きで、もう退職しているのもあって色々描いてくれるんです。

ー  セレン

この絵って水彩ですか?
アクリル水彩っぽい感じがするんですが、スキャンしたりその辺ってどうやってるのかずっと気になってて。

ー  ルーク

うーん、その辺は僕もあんまり知らなくて…(笑)
色鉛筆で描いてたような。
それと水彩を混ぜているんだと思います。多分(笑)

ルークさんの新書籍「この英語、どう違う? 」

ー  セレン

新しい本の出版もおめでとうございます。
今回の内容はどのような感じでしょうか?

「この英語、どう違う? 」

ー  ルーク

今回の本は日本人の皆さんが誤解しがちな英語と日本語の違い、にフォーカスしています。
非常に近くてややもすると同じような意味になりそうなもの、でも確かに違うもの、なども入れています。
電話などで “Who are you?"とか言ってしまうのもその一つですよね。

ー  セレン

日本語で「どちら様ですか?」と Who are you? の丁寧版みたいなニュアンスで言ったりするので英語だとそのまま言っちゃうんですよね…。

ー  ルーク

そうですよね。
なので正しい場面で正しい言葉が言えるようになってほしくてこの本を書きました。
トピック自体は編集者の方とも相談しながらバランスよく進めていった感じです。
あまり知られていないアメリカ英語とイギリス英語の違いなどにも触れています。

ー  セレン

なにか本の中のおすすめのものとかありますか?

ー  ルーク

Do you have time? とDo you have the time?などは今だによく聞かれる質問で
かつ僕自身が間違えて使われているのを今もよく耳にするものです。

時間ある?と今何時?の違いはやはり大きいものですからね。
冠詞のあるなしはネイティブスピーカーにとっては大きな違いを生むものなんです。

ー  セレン

本の中にもあるこれ、僕が個人的にネイティブスピーカーからちゃんと聞きたかったんですが、people と persons にも明確な違いがあるものですか?

ー  ルーク

まずはpersonsの方がかなりフォーマルな響きがある、ということが挙げられます。
なのでネイティブスピーカーが日常会話でpersonsと言うのをあまり耳にはしないと思うんですが、セレンさんはいつ聞いたりしましたか?

ー  セレン

僕はニューヨークに行ったときのエレベーターの表示に limited to 15 personsと書かれてあって、ああそういう言い方もするのか、と思ったのは覚えています。

ー  ルーク

ああ、なるほど。
病院のカルテとか法的な手続き用の書類などでは当然そういう言い方はされますね。
基本的には書き言葉、という感じですよね。

細かな違いになるとネイティブ同士でも意見は割れるんですが、人数を具体的に何人、と言いたい時などは会話でも使うこともあります。
さっきのエレベーターの話はこの例にあたると思います。

ややこしく聞こえるかもしれませんが、会話ではpeopleでオッケー、ということです。

ー  セレン

今回の本はどういう人達に読んでもらいたいとかありますか?

ー  ルーク

そうですね、初心者の方からまた上級者の方でもこういった違いを知らないという人はとても多いので、そういう方にも是非手にとって欲しいですね。

そして本を読んだ人にこういう違いに注意深くなることが言語の上達に役立つんだなという事に気付いてほしいなあと思います。

僕も長年日本語を勉強しているのですが、僕自身がもっとディテールに注意深くなるように気をつけているんです。
まだまだ足りないかもしれませんが…(笑)

ー  セレン

Practice what you preach. ですね(笑)
(自分で説く教えはまず自分が実行せよ、ということわざ)

ー  ルーク

ベーシックな事ほど大事でかつ間違えやすいものなんですよね。

DMM英会話なんてuKnow?に参加してみて

ー  セレン

では最後に新たにルークさんが参加してくれたDMM英会話なんてuKnow?というサービスについて話を移したいと思います。
昨年の末頃かな?の参加だと思いますが、いかがですか?印象は。

ー  ルーク

もともと僕の日本人の友達でDMM英会話をやってるって人が多かったんです。
なので名前は知っていて、そこがこういう新しいサービスを始めると聞いてなんだか嬉しかったです。
僕以外にも素晴らしい答えをされている方がたくさんいらして驚いています。

ネイティブと言っても人それぞれですからね。
こうやっていろんな角度から英語を知れる機会って他にあんまりないですよね。
個人的には他の英語ネイティブの人の日本語力に驚きますね。
日本語で英語の解説するのって本当に難しいんですよ。
僕なんかすごい時間かかっちゃって。
日本語で書くのまだ苦手で…。

長い日本語であんなにしっかり英語の説明ができるって本当にすごいなあって思います。

ー  セレン

今先ほどインタビューの前に少し回答をされていましたが、結構一つに時間をじっくりかけられてるんですね。

ー  ルーク

僕は結構ちゃんと調べたりしてから答えているのでそれなりに時間はかかりますね。

ー  セレン

ルークさん自身も日本語を勉強されていると聞きましたが、どのように勉強は始めたのでしょうか?

ー  ルーク

僕は最初はハリーポッターを買って読むところからでした。
日本語の音源を買って聞いたり読んだりしました。
やっぱり好きなものを選ぶのは大事ですからね。

ー  セレン

DMM英会話なんてuKnow?というフォーマット自体はどう感じますか?

ー  ルーク

これまで学習者が頼れるものって辞書だったと思うんですね。
でも、みんな気づいてるはずで辞書は本当に知りたい表現なんかに関しては答えてくれないんですよね。
だからこうして自分だけの具体的な質問ができて、それに答えがもらえるというフォーマットはとてもいいと思います。
参考になりますよね。

自分のサイトでは自分という視点でトピックを選んでるのですが、
たくさんの質問者からいろんな角度の質問が来る、というのは自分一人ではできないことです。

ー  セレン

これまで自分が答えた質問で何か覚えているものってありますか?

ー  ルーク

これなんか、色々考えさせられました。

夢にときめけ! 明日にきらめけ!って英語でなんて言うの?

ー  セレン

これって日本のドラマ化された人気漫画の中のセリフなんです。
ときめくって言葉はあまり夢という言葉とセットでは使われない言葉です。
また明日にきらめく、というのも主体と対象が少し曖昧で視覚的なイメージはできるけれど
言葉そのものの作用としてはかなり日本語的な抽象度の高いものです。

ー  ルーク

ああ、そういうことだったんですね。
実は初めて見た時ちょっとよくわからなくて。

まずは基本的に語義通り捉えたというか、言葉のままにまずは英語にしてみようと思って。
結構調べましたね。
でもそのまま英語には簡単にできるんですが、そんな英語聞いたことない、というものになってしまいます。

煌めけは dazzling とか shining というイメージで
でもネイティブは「We have a dazzling tomorrow」なんて絶対言いませんからね。
なので少し角度を変えて答えてみました。

May your dreams come true and your future be bright.

ー  セレン

いいですね、スターウォーズ風?

ー  ルーク

いや、別にそこは考えてないです(笑)

ー  セレン

これなんかもすごく面白いですよね。
泣いてるのをごまかす時って英語でなんて言うの?

男が女性の前で泣くなんて、という日本の文化的な背景も少しバックグラウンドとしてはあるのかな、という質問です。

ー  ルーク

ああ、なるほどね。
それって恥ずかしいこととされてるんですか?
欧米ではそこまでな感じがしますが。

ー  セレン

最近はそうでもないですが、昔は日本男児は人前で涙なんか見せるな
みたいなことは言われてたというのはあると思います。
僕は涙もろいのですぐに泣きますが(笑)

ー  ルーク

じゃあ、このフレーズ使わないといけませんね(笑)

I just have something in my eye.
I am not really crying.
I was just cutting some onions a minute ago.

ー  セレン

最後の言い訳は日本人でもよく言ったりしますよ、冗談で。

ー  ルーク

その辺は共通するんですね、面白いです(笑)

ー  セレン

本当に日本語と英語、違うものだけど似ている部分もあったりして、
その違いを知る事は大切な事だし、楽しいことなんだなあとルークさんと話していて改めて気づかされました。

最後に今後の目標などはありますか?

ー  ルーク

僕自身のサイトに関して言えばもっとビギナーの方に楽しんでもらえるようなものにしていきたいなあと思っています。

あとは昔は英語を直接教えるという事をしていたんですが、そこからしばらく離れてしまってるのでまた始めたいなあと考えています。

またDMM英会話なんてuKnow?の方でも価値のある回答、役立つ回答をたくさんしていけたらなあと思っています。

ー  セレン

今日はどうもありがとうございました!

ー  ルーク

ありがとうございました。

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