Kurumi
(更新)
今回密着取材したのは、東京都在住・看護師の藤平有希さん。
BARやバスツアーなど、DMM英会話が企画するオフラインイベントにも積極的に参加していただいているので、藤平さんに対して社交的なイメージを持っていた筆者でしたが、聞くところによると実はそうではないらしく、
藤平さん
「私は日本語でも知らない人とのお喋りは得意ではないし、世間話がスラスラ出てくるタイプではないんです。
ただそんな私でも、教材をうまく使ったり、工夫しながらなんとかオンラインレッスンを続けられています」
「よく考えないと自分の気持ちを英語でうまく表現できない…」
「毎回のレッスンでいまだに緊張してしまう…」
「発言できないで終わってしまい、悔しい思いをしている…」
こんな方も少なくないのではないでしょうか?
藤平さんも、DMM英会話を始めて約2年が経ちますが、いまだに上記のような悩みを抱えているそう。
今回の取材では、そういった多くのユーザーが抱える悩みや気持ちの迷いなども含めて、等身大に話してくださいました。
お休みの日の朝は、ゆっくりとコーヒーを飲みながら新聞チェックから始まります。
藤平さん
「社会面が好きですが、中でもコラム記事が面白いですね。ロバート・キャンベルさんのコラムは特に印象に残っています。
彼は日本人以上に日本語がお上手で、素晴らしいですよね。彼のようなレベルまで、母国語以外の言語を極めるのはすごいことだと思います」
英語に興味を持ったきっかけについては、中学校で英語を教えてくれていたキヌエ先生の存在が大きかったようです。
藤平さん
「キヌエ先生の家には、よく外国人のゲストがいらしていたみたいで、その話を授業中にしてくれたんです。
『子供に "Hello Kinue!" と呼ばれるのよ』とおっしゃっていて、海外の人は先生をファーストネームで呼び捨てにするのか、と驚いたのと同時に、海外の文化に惹かれていきました」
藤平さん
「当時は、教科書の音声が録音されたカセットテープを親に買ってもらって、それを聴きながら音読したりしていましたね。そのときの音読練習の成果なのか、今でも講師に『発音いいね』と褒められるんです。
あと、テープの後ろに Beatles の "Yesterday" が収録されていたんですよ。元の歌は男性が女性のことを歌っていて "Why she had to go…" という歌詞なのですが、カセットテープでは女性が歌っていて、歌詞も "Why he had to go…" に言い換えられていました。
日本語の歌では、そういった言い換えはしないというかできないので、そういった違いもおもしろいなぁと思って聞いていましたね」
平日は仕事が終わって帰宅後にレッスンを受けますが、休日は午前中にレッスンを受けることが多いそう。
藤平さん
「仕事から帰ってくる時間が読めないので、事前に予約することはほとんどないです。
帰宅後の一番早い時間帯で空いている先生を探して予約をします。そのため、毎回初対面の先生とのレッスンになることが多く、いつも緊張しながら自己紹介から始まり、レッスンが終わるとホッとするんです」
レッスン中、質問を積極的にしている様子が印象的な藤平さん。
藤平さん
「最初のうちは予習・復習をしていましたが、なかなか時間を確保するのが難しく続けるのが大変でした。
そこで、わからなかったら『これはどういう意味ですか?』とどんどん質問をして、英語力を磨いていくサバイバル方式に切り替えました(笑)」
DMM英会話を始めた当初は、慣れない英会話と慣れないPC操作に、何度も心が折れそうになったそう。
藤平さん
「今となっては信じられませんが、カスタマーサポートに『チャットボックスって何ですか?』と問い合わせるほど、システムが分からず大変でした。
加えて、"Wait a minute(ちょっと待って)" も言えないレベルの英語力だったので、何も言えずにレッスンが終了してしまうことも…。レッスン終わりに涙がポロリなんてこともありましたね」
また、もともとお喋りではないと自負する藤平さんにとって、初見の講師と25分間フリートークをするのはハードルが高いと感じ、すぐさま教材を使ってレッスンをするようになったそう。
藤平さん
「『会話教材』は、簡単な質問が多いので取り組みやすかったです。
進めていくうちに、質問に対して単語だけで答えるだけではなく、文を組み立てて答えられるようになりました。今思うと、初級のうちに初心者向けの教材をやっていてよかったです」
看護師として働き始めてからは英語と疎遠でしたが、2020年の国際スポーツ競技会に向けて発足した看護師向けの英語研修に参加したことがきっかけで、2年前から本格的に英語学習をスタート。
藤平さん
「学生時代から英語へ興味を持っていたことに加えて、ちょうどその時、娘がアメリカ留学中のタイミングだったため、それも後押しになり研修に参加しました。
一昨年に参加し始めてから現在まで、フォローアップの研修に毎月2回参加しています。その研修では、アメリカ軍基地で働いているアメリカ人ナースから、現場で使える医療系の用語や、病院での患者対応に必要とされる表現を学んでいます」
研修プログラムの一環で、ハワイでの研修に参加することとなり、オンラインレッスンとあわせて、近所の英会話教室に通っていたこともあるそうで。
藤平さん
「オンラインレッスンはマンツーマンですが、通っていた教室では他の生徒とグループレッスンになることがありました。
生徒の世代やレベルが幅広いこともあり、共通のトピックで話すことが難しく、物足りなく感じ始めたんです。
そこで、その教室は辞めて、オンラインレッスンとナースの英語研修に参加する今のスタイルに落ち着いています」
研修から帰ってミールプレップに取りかかります。
2人のお子さんの子育てはひと段落していますが、看護師の仕事で忙しい日々を送る藤平さん。平日は時間を作りづらいため、休日に作り置きのおかずを作っておくそうです。
お料理中に口ずさむのはカーペンターズのメロディー。
藤平さん
「昔からカーペンターズが大好きなんです。彼らの歌ってとても発音がクリアで聞きやすいですし、単語も自然と覚えてしまうんですよね。
洋楽を聴いていたおかげもあって、英語学習を再開したときに、中学英語が完全に飛んでしまっていたということはなかったですし、テキストもとりあえず読むことができました」
しかし、アメリカ英語に馴染みがあるせいか、リスニングで苦労することがあるそう。
藤平さん
「研修先でアメリカ人ナースが話している医療用の言葉は理解ができるのに、国によって違う独特な発音やイントネーションにはなかなか慣れませんね。私は American English がわかりやすいです」
夕方からは近所のスポーツジムに行き、ヨガレッスンに参加。日によって、ボクササイズ、エアロビ、ピラティスをしたりもするそうです。
オンラインレッスンの自己紹介でヨガについて話すとき、ポーズなどをうまく英語で説明できなかったり、ヨガ以外の話でも、自分の考えを英語で表現するのに時間がかかってしまう、という藤平さん。
ご自身が感じている「伸び悩み」について、こう打ち明けてくれました。
藤平さん
「今は時間をかけないと英語が出てこなくて、テンポよく切り返したり、自分の考えを伝えることができないんです。相手の話をわかっていても、相槌を打って終わってしまったり…。もっと相手に共感したり、話を膨らませられるようになりたいんですよね。
『もうちょっと言いたいな。でも、なんて言うのかわからない』という感じで、話がどんどん進んでしまうことが悔しいです。素早いレスポンスと表現力が今の課題ですね」
ジムから帰宅し夕食をとり、その後はリラックスタイムです。
語学に興味を持ち続けている藤平さんは、なんと中国語と手話の学習もしているそうで、
藤平さん
「手話は10年以上やっているのですが、使う機会がなかなかないので、勉強だけになってしまっているのが悩みなんです。
英語も同じで、使う場所が限られているから伸び悩んでしまうのでしょうか?」
なかなか思うような成果が出ないと悩む藤平さん。
成果が出ないとモチベーションが続かないのが人間の性ですが、どのようにモチベーションを保っているのでしょうか。
藤平さん
「英語に関しては、東京で開催される国際的なスポーツ競技大会で、10日間、ドーピングの血液検査を担当することになっているので、今はそれが大きなモチベーションになっています。
また、中国語については、近々予定している上海旅行に向けて準備中という感じです。そういう風に、実際に海外で言葉を使う機会を設けることで、今後もモチベーションをキープできればと思います」
職業柄、シフト勤務で寝る時間はバラバラだという藤平さん。
この日は早めの就寝です。
インタビューの最後に、今後のことについて聞いてみました。
英語については、
藤平さん
「『自分が思っていることを英語で言えるようになる』、当面はそれが大きな目標です。
日本語だと、わからないことがあっても、それについて質問し理解できるまで聞き返せますよね。英語もそのレベルになれたらいいなあと思っています」
また、キャリアについては、
藤平さん
「今の職場には外国人の患者さんがほとんどいないので、仕事で英語を使う機会が限られています。なので、いつか外国人の患者さんが多くいる病院での勤務に挑戦してみたいですね。
あとは、豪華客船の医務室で働くのも素敵だなあ、なんて思っています」
今回のインタビューでは、多くの英語学習者が抱えているであろう、リアルなお悩みや不安を代弁するように、ありのままの心情や考えをお話ししてくださいました。
藤平さんのお話に共感した方も多いのではないでしょうか?
筆者はDMM英会話で講師をしていますので、画面の向こう側には不安な気持ちで緊張しているユーザーさんがいる、ということを再度認識でき、とても学びのある機会となりました。
初対面の人と話す際に緊張してしまうのは自然なこと。それが英語であればなおさらで、自分の気持ちをスムーズに表現できなくても落ち込む必要はありません。
くじけそうになったときは、藤平さんのように、教材を初心者のものにしてみたり、オフラインの場にも顔を出してみるなどして、やり方を工夫しながら英語とうまく関わっていくことが大切だと感じました。