Mizuho
(更新)
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どんな学習者・レベルでもしっかりと英語が身に付くように考え抜かれているだけでなく、楽しく学べるように工夫されています。
そんな英会話教材ですが、裏側ではどんな人たちが作っているのでしょうか?
今回はなかなか表舞台に出ることのない、DMM英会話・教材開発チームのYukoさんにインタビューを実施。
教材開発に携わるまでの経緯から、制作者直伝の教材の有効活用法まで、お話を聞いてきました!
△2019年の忘年会にて。写真上段左がYukoさん。
ー よろしくお願いします! まずは自己紹介をお願いします。
Yukoです。日本語学習教材作成*1、英会話教材翻訳、『iKnow!』*2の教材作成を担当しています。
*1 2020年8月より韓国語と中国語が学べる多言語レッスンが開始されました。また、日本語学習者の方は日本語のレッスンを受講することも可能。
*2 『iKnow!』は脳科学に基づいた英単語学習アプリ。DMM英会話有料会員の方は無料でご利用いただけます。
ー 英語と日本語に理解が深くないと、教材作りって難しいと思うのですが、何かバックグラウンドをお持ちなのでしょうか?
学生時代、「のびのびと英語を学びたい」という思いがあり、「雄大な自然」「のんびり」「平和」というイメージを持っていたことと、クセのない英語を学べる点で魅力を感じ、カナダへ留学しました。
留学先では英語教授法と日本語教授法を専攻し、それぞれ教育実習のようなものがあったんですね。知識を学ぶだけでなく実際に学習者と触れ合えたのが今でも役に立っていると思います。
その後留学から帰国し、数年が経ってしまったので、「日本人のための英語指導法」というプログラムで学び直しました。そのときにインタラクティブなレッスンの作り方を詳しく教えてもらえたのが良かったと感じています。
ー 英語や言語学のどんな点に興味を惹かれたのですか?
外国語に触れたのは、中学で英語の授業が始まってからでした。
日本語とは違う音を持つ単語を覚え、それを文法というルールでつなげて自分が伝えたいセンテンスにしていくというプロセスは、機械的に感じましたが「このルールを使ったら、こんな言い方ができる!」と私にはとても興味深かったんです。
そして、語学留学をしている間に、「英語または日本語を教えられたら」と思うようになりました。
そのため、1〜2年で言語の音、文法の深い構造、心と言語の関係など言語学一般を学び、3〜4年で英語を第二言語として教える教授法を学べる応用言語学を専攻することにしたんです。
ー 英語と日本語の教授法を学ばれたということですが、二つの共通点は何かあったりしますか?
英語、日本語どちらの教授法も、学習者の苦手意識を下げて、学習者が共感したり、自分と関連付けできるような教材、シチュエーション設定で教える、というところで共通していると思います。
それから、「言語の裏に文化あり」という考え方も。
例えば私の経験をもとにお話すると、留学してすぐの頃に日本人同士で話題になったのは I will call you soon です。
これは別れ際に言われることが多いのですが、soon と言われると、日本人だと「数日後かな?」と思ってしまうんですよね。でも、1,2週間たっても連絡はありません。
字面だけ見たら「近いうちに電話するね」なのですが、これは社交辞令なのかな、ということになりました。
ある表現がその文化でどんなことを意味しているのか、または soon の概念が違うのかなど、言語を使ううえで文化的な要素を知ることが大切なんです。
ーなるほど。私も now を使うと Japanese now? と聞かれることがよくあります(笑)。日本語で言う now は英語で使う場合より少し幅が広くなるみたいです。
ご自身が英語の学習をされたとき、苦労した点などありますか?
今でも苦手な発音です。chocolate や vanilla latte などシンプルな単語の発音がなかなか通じませんでした。一つ一つの音を完璧に発音するのは私には不可能とあきらめ、母音の強弱を意識するようにして、何とか通じるようになりました。
また、ホームステイを始めたばかりの頃、夜ホストマザーに I’m going to take a bath. と伝えたんですね。すると彼女に「こんな時間にバスに乗って(take a bus)どこへ行くの?」というようなことを眉をしかめて言われてしまいました…
「いきなり th の洗礼か」と衝撃でしたね。
ー 母音の強弱ですか!そ れは考えたことがなかったです。
私は日本語でもスピーキングが得意ではないので、英語だとますます頭の中で考えていることがスムーズに口から出てこなくて、日々「キーッ」となることも…
それでも留学時代から今まで、私のたどたどしい英語でも嫌な顔をされたり、話を途中で切られたりというような嫌な経験はしたことがありません。
一生懸命聞いてくれて、理解しようとしてくれている姿勢に頭が下がります。私も日本語を話そうとしてくれる人には、そういう風に接したいと思っています。
ー 理解してくれようとしているのがわかると、「もっと話したい!」と思えますよね。
それから、留学先の大学に入っていわゆる「一般教養」を勉強し始めたとき、専門用語の圧倒的多さに途方に暮れました。始めは知らない単語を一つ一つ調べていましたが、それでは全科目の課題をこなせません。
それで、知らない単語を飛ばして読み進め、全体の要旨を理解し、どうしても気になる単語だけを後から調べるようにしました。毎日それを繰り返すうちに、長文をざっくりとですが、正確に理解できるようになりました。
ー 英語の専門用語って本当に難しそうですね。飛ばし読みは、英語の感覚を養っていく上でも有効そうです。
△Yukoさんが開発を手がける日本語学習教材例
ー DMM英会話の教材開発チームに加わったきっかけを教えてください。
元々は『iKnow!』を開発した会社に勤めていて、そこで教材を作っていたのですが、あるときチームごとDMM英会話にお引越しということになりました。
その後も最初は主に『iKnow!』の教材作成に集中していましたが、オンラインレッスンの事業が発展するにつれて教材も増え、英会話教材の翻訳をしたり、日本語学習教材まで作らせていただけるようになった次第です。
根本には、自分が散々苦労した英語学習、語学学習をしている皆さんのお役に立ちたいという気持ちがあります。
ー 教材を作られているYukoさんでも、言語で苦労されたことはあるんですね。
なんだか心強いです!
では教材開発チームでの役割について教えてください。また、どのように教材は作られるのでしょうか?
最近は日本語学習教材の作成に集中しているので、そちらを説明しますね。
まず、「文化」「旅行」「教育」「食べ物」など8つのカテゴリーにあう短い読み物を書きます。トピックは自分なりに考えていますが、ペアを組んでいる日本語能力試験N1*3保持者のノンネイティブやほかのチームメンバーが提案してくれることもあります。
*3 日本語能力試験は日本語を母国語としない外国人の方が対象となる試験。N1からN5までレベル分けされる中でN1が一番難しいレベルとなっており、ほぼ日本人と同じくらい日本語でコミュニケーションがとれて、通訳もできるレベルです。
ー 日本語教材はノンネイティブの方も一緒に作られているんですね! ネイティブとノンネイティブって、やはり視点が異なることもあるのでしょうか?
はい、違います! 私はネイティブとして、分かりやすくて自然な表現を使って読み物を書くことを心がけています。
ノンネイティブのスタッフは、その内容が学習者のレベルに合っているかどうかをストイックに確認してくれたり、「こんな図やイラストがあったら分かりやすいのでは?」ということも提案してくれます。
一人二役できたら理想ですが、やはり両方の視点が必要ですね。
また、学習者のレベルによって使える語彙や文法項目、読み物の長さが細かく決まっていて、それに合わせて書いています。必ずN1保持者の方にフィードバックをもらい、それに合わせて修正という作業が何回かあります。
読み物がかたまったら、今度はエクササイズ(練習問題)作成をします。練習問題もノンネイティブの確認、修正というステップを何度か繰り返し、全てOKになったら公開です。
ー 読みものの長さまで細かく決まっているとは驚きです。長さや語彙など、レベルを考えながら作るのはなんとも難しそうですね。
英語教材については、どのように作られているのですか?
英語教材作成を担当する教材開発チームは、『デイリーニュース』と『オリジナル教材』の2つに分かれています。
『デイリーニュース』は毎日複数の記事を出さないといけないので人数が多く、作業も細分化されているのが特徴です。記事を書く人、エクササイズを作る人、画像を見つける人などそれぞれ担当が違いますが、何度もチェックしてクオリティーを保つようにしています。
オリジナル教材作成は、『デイリーニュース』と違って期限がそこまで厳しくありません。そのため、英語教授の経験が豊富な少人数のスタッフで作っています。レッスンで使う語彙や回答の選択肢など、とても細かい所まで綿密にすり合わせをしている印象です。
いろいろな人の目で見て質を高めているというのが、DMM英会話教材の優れている点だと思います。
ー なるほど。
私は日本語訳を担当しているのですが、ただ訳すのではなく、「このセンテンスはこのレベルには難しい」「このエクササイズはどう答えたらいいか分からない」などフィードバックをするようにしています。
私自身が英語の用法を聞いてしまったり、細か〜い質問をしてしまったりしますが、教材チームの皆さんはとても気持ちよく対応してくれるのでありがたいです。
ー DMM英会話教材の強みについて教えてください。
先述の通り、一つの教材を作るために、ニュージーランド、セルビア、台湾などなどいろいろな国の人たちが意見を出し合い、話し合いを重ねます。そして、確認→修正というプロセスを何度も繰り返すので、とても完成度が高いです。
内容はそれぞれのレベルにあったフレンドリーなものになっているので、楽しくレッスンを受けられると思いますよ。
ー 教材を作る上で気をつけていることはありますか?
学習者目線を忘れないということです。気を付けていても、つい複雑な言い回しや文章を使ってしまうことがあります。
ときに「これ、どうやって答えるの?」というような設問を作ってしまったり。
英会話教材を訳しているときは、そういうポイントはしつこいくらいにコメントするのに、自分が日本語学習教材を作っているときは逆に同じ指摘を受けてしまいます。永遠のテーマですね。
ー DMM英会話教材の目指すところはなんでしょう?
楽しく、興味深く、容易に学べる教材を作ることです。
また、日常のさまざまなシーンを通して、英語だけでなく、いろいろな文化にも触れられるような教材を目指しています。
ー お気に入りの教材について教えてください。おすすめの使い方はありますか?
どれも経験豊富な教材チームが、熱意と時間を費やして作ったものなので選びがたいのですが、強いて選ぶなら『デイリーニュース』がおすすめです。
最新のニュースや時事を読みやすい英語で学べるのが魅力で、世界を学べます! それに1日に複数の記事が公開されるので、常に新しい知識を得ることが可能です。
最初は辞書を使わずに黙読→気になる単語があったら意味を確認→内容を理解できたら音読→(ここでレッスンを受けるのが理想)→同じ内容または関連ニュースの短い動画をネットで見てみる、という流れがいいのではないかと思います。
ー 『デイリーニュース』の使い方、学習者のみなさんもぜひ参考にしてみてほしいですね。
教材ができるまでのプロセスにとても熱いものを感じるのですが、教材作成のどんな部分にやりがいを感じますか?
現在取り組んでいる日本語学習教材は、日本を紹介する内容になっているので自分の引き出しを試されている気がします。本当にうんうん唸りながらアイディアを絞り出すこともあり、やっと形になったときにすごくやりがいを感じますね。
学習者にとって何が簡単で何が難しいか、まず何を知っておく必要があるかなどは私も経験したことなので理解しているつもりです。これまでの私の語学経験の全てが活きている感じがします。
また単純ですが、『デイリーニュース』など、自分が関わらせていただいている教材を、こんなに多くの皆さんに見てもらっているんだと思うと感無量です。
△愛犬ドジャーと
ー 英語学習においてキーとなるのは、どのような点だと思いますか?
スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングの何をマスターしたいかによりますが、どれにも共通するのははっきりとした目標、目的を持つことだと思います。
「まずはこのテキストのXXページまでの内容を全部理解しよう」など短期の目的で十分です。目的意識がないとダレたり、続かなかったりするので。
それから、スピーキングについて自戒を込めて言いますと、細かい文法は気にせず「伝えたい」という気持ちを全面に押し出してとにかく話すことです!
正確に話せなくても、文脈で理解してもらえることがほとんど。どんどん話して「英語の口」を作るのがいいと思います。
また、自分のレベルに合った文法書を1冊用意することを強くおすすめします!
細かい文法は気にしないでと言ったばかりですが、文法なくしてセンテンスは作れません。つねに文法書とにらめっこする必要はありませんが、何度か遭遇して気になった点は文法書で自分自身で調べるといいですよ。
自分で調べたことの方が、あとになっても覚えている実感があります。
ー 自分にあった文法書ってなかなか出会うまで難しいかと思うのですが、探すときのポイントはありますか?
英会話のレッスンを受けている方なら、大学受験用の基本的な文法書がいいと思います。「中学英文法」のようなものもありますが、すぐに物足りなくなってしまうのでは…
今は皆さん、オンラインで買うことが多いと思いますが、「再帰代名詞」「節」など文法用語の説明もしっかりされているものが良いのではないかと思います。
ちなみに、私が長年愛用している文法書は『Forest』と『ロイヤル英文法』です。
『Forest」は販売中止になったものの『Evergreen』として生まれ変わり、文法の基礎が見やすく、分かりやすく説明されています。
一方『ロイヤル英文法』は、説明の1ページ目を開いた瞬間閉じたくなってしまうくらい、かなりかたいです。でも「こんな事までカバーしてくれてるのか!」と思うくらい、ハイレベルな文法項目も細かく説明してくれています。
Google先生は手軽で便利ですが、信頼性の判断が難しいので、やはり英語を極めた方が書いた文法書が手元にあるといいと思います。
ー 続いて、Yukoさんの1日のスケジュールについて教えてください。お仕事の日はどのようなスケジュールで動いているのでしょうか?
・ 6:15 起床&家事
二度寝してしまうことも多いです。
日曜日は心ゆくまで寝ます!
・ 10:00〜11:00 始業
今はリモートなのでトイプーわんこのかまってアピールを、ときにかわし、ときに受け入れながら仕事をしています。
出勤するときはFurboで監視して、時々おやつをあげます。
英語について質問があるときは、教材チームだけでなく、東京ITチームのみんなにも質問させてもらっていますが、みんな「英語の先生なの?」というくらい詳しく、的確に答えてくれるのでとても助かっています。
・ 17:00〜18:00 終業
・ 〜21:00 or 22:00 家事
・22:00〜 自分の時間
わんことボール投げをするのが至福の時間です。
お相撲開催期間中は取り組み結果や動画をチェックしまくります!
2年ほど前にお相撲観戦の臨場感、迫力に触れてからすっかり夢中です。
国技館で開催されるときはお休みをいただいて観戦に行き、推し力士のタオルを振って応援することもあります。
通常は力士の入り待ち、出待ちをしたり、ちゃんこを含む国技館グルメも楽しめるので、国技館は私の「夢の国」です!
ー 国技館が「夢の国」とは! ワンちゃんとお相撲さんがパワーの源なんですね!
では最後に、DMM英会話ユーザーの皆さんに一言メッセージをお願いします。
英会話を続けていると「自分は本当に上達してるのかな?」と疑問に感じてしまうときがあると思います。
でも、絶対に上達しています! 保証します!
「この間まで言えなかったことが言えるようになった」「講師の話が前より分かるようになった」日々小さな喜びを見つけながら、これからも頑張ってください!
教材作成を通して応援しています!
英語と日本語、二つの教授法をバックグラウンドに持つYukoさんのインタビュー、いかがでしたか?
世界中のメンバーが力を合わせ、学習者視点で作っているからこそ、親しみやすく効果も出やすい教材になっていることがわかりました。
みなさんもぜひいろいろな国の講師と教材を使って、楽しく英会話レッスンに取り組んで効果を実感してくださいね!
▼DMM英会話教材ページはこちら
https://eikaiwa.dmm.com/app/materials/en