TORJA
(更新)
留学やワーキングホリデーをする人なら、誰もが経験するであろう現地での「部屋探し」。
中には、海外で人生初めての一人暮らしを経験する方もいるかもしれません。学校や仕事を終えて帰る我が家は、誰にとっても安心してリラックスできるものであって欲しいですよね。
今回は、トロントでの自分の理想にあった家探しのコツ、そして入居先でのトラブルを防ぐために知っておきたい情報をまとめました。
日本で一人暮らしといえば、マンションやアパートの一室を借りることが思い浮かびますが、トロントで暮らす留学生の多くはシェアハウスで生活しています。シェアハウスと一口に言っても、日本人のみが住居している家、カナディアンが暮らす家、世界各国の人々が集まったインターナショナルな家など、その形態は様々。そのためハウスメイトの存在は、シェアハウスで生活する上で非常に重要な要素となります。
日本で賃貸契約をする際の相手は不動産業者なのが一般的ですが、トロントでシェアハウスに住む場合は、それぞれのオーナーに家賃やその他諸費用を納める場合がほとんどです(一からコンドミニアムなどを借りる場合は異なります)。
つまりこれは、見ず知らずの一般人の方とお金の約束・やりとりをするということ。お金のやり取りだけでなく、その家に住み続ける限りはオーナーさんとの良好な信頼関係、そして契約においては口約束ではなく何らかの形で記録を残しておくことが大切です。
海外暮らしにおける不安な点の一つは、各エリアの治安情報ではないでしょうか。事件に巻き込まれてしまってからでは手遅れです。夜の時間帯になると何やら物騒な雰囲気が漂う…など、ちょっとした下調べ、聞き込みでわかる情報は手に入れるようにしましょう。
「Toronto Crime Map」とネットで検索すれば、各エリアの事件発生率などを調べることができます。近年改善されつつあるエリアもありますが、なるべく事件数の多いエリアは避けましょう。そして、どこのエリアに住んだとしても、夜道の一人歩きなどは極力避けるようにしましょう。
多くの方がトロントをカバーしているクラシファイドサイト(掲示板)にて、シェアハウスの広告や募集を探し、契約しています。有名どころでは『Kijiji』『craigslist』『e-maple』などが挙げられます。
連絡の取次は主にはメールやSMS、電話になりますが、応募数が多いと、メールなどのテキストは返事がこない可能性が高いので、その場合は直接電話連絡してみると良いかもしれません。したがって、家探しを始めるまでに、携帯電話契約を済ましておくのがベターでしょう。
実はこの方法が一番安全と言えます。なぜならば、オーナーやハウスメイトの人柄、住み心地など、実際の入居者から情報を聞くことができるからです。とはいえ、家探しにおける絶対条件や妥協点などは、同じ日本人であっても千差万別。お友達から部屋の空き情報をゲットしたら、まずは見学に行くことをお勧めします。
入居後のトラブルを避けるため、家の見学時に確認しておきたい点を以下にまとめました。
通常は入居時にデポジットと呼ばれる保証金をオーナーに支払います。これは、退去時に戻ってくる場合もあれば、最後のひと月分の家賃などに割り当てられることもしばしば。デポジットの平均金額は家賃の半額〜ひと月分が一般的のようですが、筆者の経験上、中には2ヶ月分の家賃を要求する方もいました。
だいたいの場合は退去時に戻ってくると言われましたが(入居後の部屋に損傷が見られれば、そのデポジットより修理代が引かれる)、どんな相手であっても一度向こうの手に渡ってしまったお金は100%戻るとは言い切れないので、気をつけたいところです。
物件の中には「水道・光熱費は別途必要」や「洗濯料金が必要」、「トイレットペーパーなどの消耗品は自己負担」というところもあるようです。家賃以外に毎月のお金が必要なのかどうか、またその額が妥当性のある金額なのかどうかを見極めなければなりません。
家賃の支払い方法と支払い日は、入居前にきちんと確認しておきましょう。支払い日が月初など固定されている場合で、自身が月途中から入居するケースは、最初の家賃を日割り計算で支払うことが可能なのかなどをチェックしましょう。
なんらかの費用を支払う前に、それが何のための費用なのか、直接オーナーに手渡しするのかなど、きちんと確認しましょう。過去には、オーナーの仲介人を装いお金を騙し取る詐欺なども発生しています。そして、支払い後には必ず領収書をもらうようにしましょう。
通勤・通学時間はもちろん、トロント市内には24時間運行のバスが走っているので、駅から離れた場所に住む場合はそちらの運行状況も確認しておきましょう。
シャワーや洗濯、キッチンの利用可能時間帯や、友達を家に呼べるかなどを事前に確認することで、入居後の「そんなの聞いてなかった!」というトラブルを防ぐことができます。
入居後の悩みの声として多いのが「家のネットが遅い、安定しない」という問題。特に学校の課題などでネットを多用する方、Netflix等で英語を勉強したい方などは、ネットのスピードについて質問したり、もしくは試しで一度接続し、実際のネットスピードを確認させてもらうと良いかもしれません。
カナダはセントラルヒーティングといって、家全体に渡って冷暖房がONになっているお家が多いです。真夏や真冬に部屋探しをする場合は、大概見学時に効き具合を体感できるのですが、春や秋の過ごしやすい季節だと見分けるのが難しくなります。その場合は、可能であれば実際の入居者から話を聞きましょう。また室内に扇風機やヒーターを見つけたら、家に装備された冷暖房が十分でない可能性があります。
住む家のオーナーによってまちまちですが、縛りは無しという方もいれば、半年や一年などの契約期間が設けられている場合もあります。家の設備等による問題だけではなく、ハウスメイトやオーナーとの関係性が思わしくなく、すぐに引っ越したいと思う可能性も考えられますので、最低契約期間がある場合は、何ヶ月なのか、また契約期間内に退去する場合のペナルティなどを確認しておきましょう。
その他、下記のようなチェック項目を、あらかじめメモしておくと聞き忘れずに済みますよ。
・個室に鍵がかけられるかどうか
・家の設備が整っているか
・退去時のルール
入居日を決め、デポジットや初月の家賃などをオーナーに支払い、正式に引越しが決まったら、次に考えるべきは「どういう手段で新居まで移動する」か。トロントのワーホリの方にお話を聞くと、引っ越しの時にはUberなどのタクシーを利用する方が多いよう。距離にもよりますが、市内間の移動であれば一回約30ドル〜50ドルでお引越しが完了します(実際の価格は異なる可能性がありますので、アプリで確認してみましょう)。
他には、「車を持っている友達に頼んだ」「現在住んでいるor新しいオーナーが協力してくれた」という声もちらほら。比較的荷物が少なければ、公共交通機関を利用してスーツケース一つで引っ越しをしたという人も。海外滞在期間中は身軽にしておくと、引越しが簡単・楽チンになりますよ!
国が違えば、部屋探しの「あたりまえ」が大きく異なるのは当然のこと。英語に自信のない方なら、友達を連れて見学に行ったり、全て紙に書いて目に見える形でオーナーと詳細に確認することで、後々のトラブルを予防できるかもしれません。
とにかく、疑問に思った点は契約前に全てクリアにしておくことが絶対条件です。近年、ワーホリや留学生を狙った悪質な賃貸詐欺などの事件も発生している現状がある以上、お部屋探しは一つ一つ慎重に行いたいものです。