さな
(更新)
ホームステイならぬ「ファームステイ」という言葉を聞いたことはありますか?
ファームは英語で「牧場」、ステイは「滞在」、つまりファームステイというのは「牧場滞在型の留学」のことです。
専門学校や大学に通う留学とは異なって、牧場で働き、自然を満喫しながら現地の人とも交流ができるこの新しい留学スタイルは、メリットや魅力が多いことから近年注目を集めています。
今回は、ファームステイの基本情報から滞在先を選ぶときの注意点、さらにおすすめの滞在国とサービスをまとめてみました。少しでも気になる方はぜひご一読ください!
まず、ファームステイの種類は主に3つに分けられます。
1番目の「観光型」ファームステイは、名前の通り、牧場での生活を短期間で体験する形。ファームで暮らしたらこんな感じなんだ、とさまざまな発見ができるチャンスです。大自然に囲まれながら、かわいい動物と触れ合えたいという人にオススメ。
2番目の「労働型」は、費用を抑えながら海外に滞在したいと考える人に適しています。しかし、求人を探して応募する形が一般的なので、観光目的のステイと比べると少し難しくなるのが正直なところです。
そして3番目の「ボランティア型」ファームステイは、宿泊先や食事がホストファミリーによって提供される分、給料なしで牧場のお手伝いをする形の留学です。ボランティア登録ができるウェブサイトがたくさんあるので、こちらは後ほどご紹介します。
また、ファームステイのなかでも、動物と関わるお仕事と、植物系のお仕事から選ぶことができます。
動物系で一般的なのは馬の世話や乗馬、羊の毛刈り、牛への餌やりなどです。一方で、植物系で留学をする場合は、ワイナリーでの工場見学、野菜・果物の収穫と栽培、ジュース・ジャム作りなどがあります。
都会での留学は、人によっては抵抗があるかもしれません。知らない国に行くのですから、人が多いところは不安も多いでしょう。
でも行き先がファームであれば、そののどかさや雰囲気はどの国でも似ているのではないでしょうか。日本の農場にいる感覚を残しつつ、現地の人と交流ができるので、学べることも多いはずです。
働く代わりに、宿泊費と食事代がまかなわれるのが特徴のファームステイ。もちろん滞在中に観光をする場合は自腹になりますが、ファームにいる限り、お金はかかりません。
一般的な留学だと、宿泊費、食事代、生活費などが発生するので、この点ではファームステイがお得です。
現地の人は日本語を喋れないので、もちろん日々のコミュニケーションはその国の言語になります。
日常会話や、仕事に関する表現などは、事前に練習していくと良いでしょう。滞在中は徐々に自分の言語力も上達していくはずですよ!
ファームステイは場所やプログラムによって、期間を自由自在に選ぶことができます。
例えば、観光型のファームステイであれば、数日から1週間程度のものがあります。長期の滞在を考えている人は、もちろんそういった条件を募集しているところへ行くことも可能です。
自分の都合に合わせて飛び立てるのがファームステイの魅力の一つです!
何も考えずに場所を選んで行くこともできますが、最低限の準備と事前確認はした方が良いです。
例えば、労働を前提としたファームステイは、ワーキングホリデーのように就労許可のあるVISA(ビザ)が必要です。申し込む際は詳細を確認してから申請しましょう。
また、滞在先やホストファミリーについても、しっかり考えてから選ぶことをオススメします。自分がホストファミリー側の条件に当てはまるか、そこで自分が希望しているステイができそうなのか、ホストファミリーとスムーズに連絡ができるかなど、事前に調べておきましょう。
空港についてからの移動方法や連絡方法なども、しっかり調べていってくださいね。
そして、実際にどんな仕事を任されるのかも、事前に確認しておくと良いでしょう。怪我をした際の保険制度や、国の文化や決まりなどを調べていくのも効果的です。
広大な大自然といえばニュージーランド。羊をはじめ、さまざまな動物と触れ合えるファームで過ごしてみるのはいかがでしょうか?
オーガニック農家やサステナビリティにも力を入れている国なので、学ぶことがたくさんあるはずです。のどかさと新鮮な空気を満喫しながら、休日にはハイキングやウォーターアクティビティなどをして過ごしたり、大自然に囲まれた滞在ができます。
共同食のための農作物の収穫の手伝いから、乗馬や鶏の餌付け、サステナブルな生活についての学習まで、オーストラリアもファームステイに最適な国です。
免許がある人はビーチ沿いでドライブをしたり、日本には生息しないさまざまな動物と触れ合ったり、自然豊かな土地で飽きることのない休日も過ごせます。
緑豊かなアイルランドも人気の滞在地。小さな島ですが、たくさんの農場や牧場があります。オーガニック農家で働いたり、家畜の世話をしたり、乗馬ができたりと、いろんな経験ができるでしょう。
広い国なので、行き先によってまったく違う体験ができるのがアメリカの魅力。
ビーチに近い西海岸では日光浴を浴びながら新鮮な野菜を育てる手伝いをしたり、東海岸では爽やかな空気を吸いながら広い土地で動物の世話やオーガニック農家に関わることができます。興味のある州や街から選ぶのもおすすめです。
山や滝の大自然。満天の星空。自然が好きならカナダは最高の目的地かもしれません。カナダといえばメープルシロップと思う方もいるのではないでしょうか。もちろんメープルシロップ作りに特化したファームもあります!
カナダに関する注意点は、地域によってはフランス語を喋るので、検索する際は英語に絞って探しましょう。
World Wide Opportunities on Organic Farmsの略です。ファームステイといえばWWOOFと言えるほど大きな組織です。
WWOOFは1971年にイギリスで設立された、世界初の教育・文化交流プログラムの一つ。現在、WWOOFは世界130カ国以上で展開されていて、日々拡大し続けています。
WWOOFは地域ごとに運営されているので、参加するには各国のWWOOF組織へ直接問い合わせる必要があります。
WWOOFと似ていて、Workawayはワーキングホリデーやボランティア活動を探すことができるウェブサイトです。世界170カ国のホストや利用者と繋がることができます。
宿泊先と食事が提供される代わりに、滞在者は1日5時間程度の手伝いをする必要があり、ホストによっては、その国の最低賃金を保証するために有給の手当を支給することもあるそう。
WWOOFと違って、ファームステイを限定としたサービスではないので、検索するときは「ファーム」や「英語」のようなキーワードで絞り込むと効果的です。
HelpXも、ファームステイ探しができるウェブサイト。オーガニックファームや牧場、ロッジ、ホステル、ヨットなど、選択肢が多い印象です。
そしてもちろん、食事や宿泊と引き換えに短期滞在ができる形となっています。仕事時間はホストによってさまざまで、2時間から8時間までが一般的です。
英語圏だとオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、そしてアメリカなどが人気の滞在先だそう。
魅力が多いファームステイ。
ちょっとした海外旅行として行くことも、本気の語学留学といった感じで挑むこともできます。
ストレスの多い現代社会から離れて心身ともにリフレッシュをしたい方、外国には住んでみたいけど都会だと少し不安という方。ファームステイはさまざまな目的や希望にこたえてくれます。
筆者も動物と自然が好きなので、いつか行ってみたいなと最近思うようになりました。
みなさんもぜひ、機会があればファームステイを体験してみてはいかがでしょうか?