石井 リナ
(更新)
はじめまして、石井リナです。COMPASS(コンパス)というビジネスマン向けのWebメディアの編集長をしています。Instagramマーケティングの本を共著で出版しており、SNSやデジタルマーケティングの世界に軸足を置く人間です。
旅行好きな母の影響で、今まで旅してきた国は17カ国、24都市。ベトナムやマレーシアなどのアジアのカオス雰囲気もスリリングで好きだし、ヨーロッパ、中東なども日本とは全く違うカルチャーを肌で感じられて好き。そして何より1番好きな都市はNY。要は、色んな都市で見られる、さまざまな景色が好きなのです。旅は刺激が多くて大好き。
そんな私が、セブで1番に感じたことは、優しさレベルが平均的に高いこと。驚くほどにみんな優しい。
おもてなしの国日本とはよく言ったもので、配慮や愛想みたいなところは、日本が1番だと思ってた。それはどんなにたくさんの国を旅しても。
私が外国人だからというのもあると思うけれど、お節介だと思うくらいに、色んな人が声をかけてくれる。老若男女、目が合うとみんなニコッとしてくれる。私もつられてニコッとする。3日目くらいに「こっちに来てから私ずっと笑顔だなあ」って気が付いた。
道端で出会った親子。私がみえなくなるまでずっと手を振ってた
ジンベイザメと泳ぐ船が一緒になった現地のファミリー
感動したエピソードが1つ。セブ在中に、スマホが壊れた私は、チェーン店「シェーキーズ」に入って、膝の上にPCを置き、連絡のやり取りをしていた。そんなときに、ウェイトレスの男の人が「向こうの席の方がPC使いやすそうですけど、向こうに移動しますか?」と笑顔で声をかけてくれた。高いお金を払って、ランチをする、ディナーをするというのであれば、良い接客を受けるのは、どの国でもある程度は当たり前。でも、チェーン店でこんなことを言われたのは初めてだった。むしろ日本でも言われたことはない。少しびっくりした後に「大丈夫、ありがとう」と返した。
お金をもらっているから親切にするのではなく、当たり前に人に配慮し、親切にしてくれる人たちなんだなと感じた瞬間だった。
感動したシェーキーズもパチリ。
マンツーマンの授業を受けていると、先生たちと込み入ったプライベートな話をすることも多い。フリーディスカッションの授業での話。「大きな仕事のチャンスが舞い込んできた。それは海外に行かないといけない仕事である。家族とは離れて暮らさないといけない、あなたはどうするか」という議題だった。私は迷いなく「海外に行くよ」と答えたら、その回答の早さもあるだろうけど、とても驚かれて、真顔で「家族を愛していないのか」と言われたものだった。
愛している、愛していないの問題ではないよ、と日本人なら思うかもしれないけれど、彼らは家族やパートナーを1番に大切にしている。だから適度にしか働かないし、自分たちの時間を大切にする。
ちなみに話はそれるが、オーバーワークに対するお金や条件について、とってもシビア。あと噂話も大好き。フィリピン人はとっても人間らしく、チャーミングだなあというのが、私の印象。先生たちは口を揃えて「日本で働きたい」と話す。それはセブよりも、何倍も稼げるから。そしてたくさんの家族を支えなければならないから。
学校の先生たちは若い人からお母さんまで様々。
東京にいると自分がストレスを抱えていることすら忘れてしまう。30度超えのサンサンとした太陽のもとで、陽気に過ごす彼らを見ると、東京で一生懸命働くことが「普通」なわけではないよなあと、痛感させられた。
田んぼの中から出てきた女の子たち。一体どこから来たんだろう。
この男の子たちは、みんな笑顔だった。
東京の満員電車を苦痛と思うことの方がよっぽど人間らしい。特殊な街、「東京」にすべてを捧げるのもなんだか自分の幸せと向き合っていない気がする。
これは私がセブで学んだ、英語よりも大切なこと。
最終日に食あたりをもらって、日本に帰ってからも数週間体調不良だったけれど、それでも私はまたセブに行きたいと思っている。きっとまたみんな親切にしてくれるだろうしね。