齋藤 慎之介
(更新)
いよいよ海外で新たな生活が始まろうとしている時に、日本でやり残した手続きがあるとなんとなく幸先悪いですよね。実際、留学や在留などで海外に1年以上生活する場合、事前に日本で済ませておくべきことは事務的な手続きからスキルアップ系までたくさんあります。本当にやるべきことは全部終わったのか、不安になってしまいますよね。
そこで今回はこれから海外生活を始める方に向けて、出発前に日本で済ませておくべきことをご紹介します!
1年以上海外に住む場合は、海外転出届けを提出して、住民票を抜いておく必要があります。そうしないと、住民税や国民年金、国民健康保険を支払う義務が生じます。
また、3ヶ月以上海外に滞在する場合は、在留届を提出する必要があります。これはオンラインでもできますが、日本を出国する前に済ませておくのが無難です。一人暮らしであれば、郵便物の転居届や、電気・水道・ガスなどのライフラインの解約手続きもしっかりと済ませておきましょう。
公的手続きは時間と手間がかかって面倒なので、後回しをせず抜け目のない確認が必要です。
学生なら特に、クレジットカードの利用限度をあらかじめ確認しておきましょう。生活費や学費をカードで決済する際に、上限が低くてカードが使えないというケースがたくさん起きています。
限度額の引き上げをする場合は、日本にいるうちに済ませておくのが安心です。また、今まで郵送で明細を確認していた方は、オンラインでも明細を確認できるように設定しておきましょう。
現地での携帯電話やインターネット事情について、下調べをしておくことも大切です。いざ現地に行ってから急いでやろうとすると、どれが最適なのかわからずに慌てて加入してしまい、結果的に法外な料金を支払うことになってしまったなんてことも。
料金体系も日本とはまるで事情が異なります。事前の準備が気持ちに余裕を持たせてくれますよ!
日本で運転免許証を持っていれば、2,400円(東京の場合)で国際運転免許証を取得できます。これを持っているだけで多くの国で車を運転することができます。
現地で車を購入したりレンタカーを借りたりする際には必須になるので、あらかじめ取得しておくと便利です。各運転免許センターや警察署でその日のうちに発行してもらえます。
各銀行で、日本の口座から海外の口座への海外送金をするための手続きや、オンラインで振込・振替などができるように設定しておくようにしましょう。窓口に行かないとできない手続きがたくさんあるので、日本にいる間に済ませる必要があります。
また、銀行によっては海外在住者や留学者向けにデビットカードを発行しているところもあるので、それも有効に活用すると良いかもしれません。
デビッドカードとは?
預金口座と紐付けされた即時決済取引用カード。後払いのクレジットカードと異なり、取引の際に使用すると代金がその場で口座から引き落とされる仕組み。原則として口座残高を超えない範囲で使用できる。参考:Wikipedia
海外生活を始めるには、たくさんの書類の準備が必要になります。VISAやパスポートはもちろん、免許証や保険証、保険証券など、必要だと思った書類はすべてコピーを取り、データにして保存しておきましょう。その際はパソコンに保存するだけでなく、外付けハードディスクやUSBなどの取り外し可能な保存デバイスにも複製しておくと、いざパソコンが故障したときにも復元できます。
また、旅行ガイドブックなどもPDF化して保存しておくと、重たい本を持ち運ぶ必要がなくなりとても便利です。
日本のユニークな文化のひとつに、この美容院が挙げられます。海外の美容院では細かい要望などを伝えることができず、なかなか日本のような丁寧で正確なサービスを受けられない可能性もあります。
もし海外の美容室に不安を覚える場合は、あらかじめ髪が伸びても気にならないようなヘアスタイルにしておくとよいかもしれません。
また日本人と髪質が違ったりするため、カラーリング剤が合わないことも。こちらも不安な場合は、あらかじめ黒髪に戻してから行くことをオススメします。
たとえばアメリカでは、病院代が嘘のように高いです。噂によると、保険に入っていなければ、風邪を引いただけで1,000ドル近い請求が来てしまうこともあるとか……。
そんなことが起こらないように、日本で済ませられる治療はできる限り事前に済ませてから行くことをおすすめします。
特に、歯医者は絶対に日本にいるうちに行っておくこと。アメリカでは健康保険と歯科保険が分かれているため、虫歯の治療だけでもとんでもない額の請求が来ることが。また、風邪薬や胃薬や持病の薬など必要なものは全て日本で揃えておくと良いでしょう。
留学等で予防接種が必要な場合は、海外渡航者向けのトラベルクリニックなどで済ませてから行くことも大切です。この際、事前に予約や書類が必要な場合があるので、余裕を持ったスケジュール調整を心がけたいですね。
海外で生活をするのなら、英語ができるに越したことはありません。海外に行きさえすれば英語ができるようになるという考え方は今すぐ捨てて、できる限りの努力をするようにしましょう。
英語は習得すればするほど、現地で充実した生活を送れることでしょう。英語のオンラインレッスンなど日本でできる学習方法もたくさんありますので、事前に英語のスキルアップに励みましょう。今からでも遅くはありません!
実際に海外で生活している人の多くが口を揃えて言うのが、「もっと日本の歴史や政治の勉強をしておけば良かった」ということ。
海外で交流ができると、必ず国際関係について話す機会があります。そんなときに、政治や歴史に対する自分の意見を持っていないと恥ずかしい思いをすることになります。歴史の大まかな流れを概観し、新聞を読むだけでもかなり違ってくるはずです。
また、日本の勉強が終わったら次は世界に目を向けてみるのもいいですね。背景知識を少し知っているだけでも、友人との会話が弾み、歴史的な観光地や博物館を何十倍も楽しむことができます。
やりたいことリストを作っておくこともおすすめのひとつ。
日本にいるうちから、現地のことを調べていくうちに「あれをやってみたい!」というものが必ず出てきます。それを一つひとつリストに追加しておくと、海外での目的や目標が明確になってより充実した生活を送ることができるはず。
また、あとから振り返ると海外に出る前の高揚感を思い出すことができるので、初心を忘れないようにするための方法としてもおすすめです。
最後はスキルアップというよりは、人として当たり前のことかもしれません。
親孝行は人に言われてやることではありませんが、海外に一度出てしまうと、自分の親とも長らく離れてしまう場合が多いはず。日本にいるうちにこれまでの感謝の気持ちをあらためて伝えておきたいですね。
そして自分はまた一段とたくましくなって帰ってくるんだ、と自分の親に決意表明してみるのもいいかもしれません。きっと、清々しい気持ちで日本を飛び立つことができると思いますよ。
事務手続きの堅いお話から、スキルアップ系のお話まで、海外暮らしを始める前に日本で済ませておくべきことをご紹介しました。
転ばぬ先の杖とあるように、日本にいるうちに前もって準備をしておけば、海外に出てからも不自由なく暮らすことができます。「あ、まだこれやってなかった!」というものがあれば、ぜひこれを機に済ませておきましょう!